第26回参議院選挙で「女性候補者比率50%」の目標を掲げ、候補者擁立・当選者ともに目標を達成した立憲民主党をどうご覧になっているか、クオータ制を推進する会(Qの会)代表の赤松良子さん、ジャーナリスト・元厚生労働大臣の小宮山洋子さん、連合総合政策推進局長の井上久美枝さん、女性議員を増やすたトレーニングを提供する一般社団法人パリテ・アカデミーの共同代表でもある上智大学法学部法律学科教授の三浦まり先生に、ご寄稿いただきました。

■人口比率は男女半々なのですから、国会議員比率も男女半々になれば社会が大きく変わる

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クオータ制を推進する会(Qの会)代表の赤松良子さん

 2022年参議院選挙において、選挙区・比例区の両方で、立憲民主党さんの立候補者及び当選者の女性比率が50%を越えたことをとても嬉しく思います。
 人口比率は男女半々なのですから、国会議員比率も男女半々になれば社会が大きく変わることでしょう。
 党内の重要な役職の半分を女性議員が担えば、子育て及び介護についてもニーズに合った施策を打ち出せることは間違いありません。
 家庭内の役割分担として、女性が子育て及び介護を行ってきたのですから、どんな支援が必要かよく分かっています。
 立憲民主党さんが、社会ニーズに合った政策を打ち出し、実行して社会を変える推進力になっていただきたいと希望します。

■女性も男性も生きやすい社会づくりの先頭に立憲が立つことを願う

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ジャーナリスト・元厚生労働大臣 小宮山洋子さん

 先の参院選で、立憲民主党が、候補者の男女比率50%を目指して、女性候補者の比率が51%だったことは、大きな前進です。
 「候補者男女均等法」が、議員立法として2018年に公布され、期待された衆院選では、かえって女性議員は減ってしまいました。女性候補者比率が上がったことが、女性当選者が、過去最多の35人になったことに、つながったと思います。
 立憲民主党の場合、当選者の男女比率も50%を達成していることは、評価できると思います。当選可能性のあるところに、女性候補者を擁立したからです。女性議員が増えると、何が変わるのか。男女平等の意識が高まり、特に育児の分野などで社会が変わることが、クオータ制発祥のノルウェーを見ても分かります。女性も男性も能力を発揮して生きられる社会づくりの先頭に、立憲民主党が立つことを願っています。

■ジェンダー平等推進に積極的に取り組んできた賜物

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連合総合政策推進局長の井上久美枝さん

 今回の参院選において、「女性候補者5割」の擁立目標を掲げ、当選者比率も50%を達成されたことに心より敬意を表します。これもひとえに、ジェンダー平等推進に積極的に取り組んでこられた賜物と思います。
 一方で、衆議院と合わせた国会議員に占める女性の割合は15.4%にとどまり、ジェンダーギャップ指数における政治分野の順位も低迷と、世界の潮流から大きく取り残されています。
 「数は力」。労働組合も同様ですが、女性にとって過小代表の状態で運営されていることが本当の民主主義と言えるのか。女性の数を増やし、主要ポストに女性を登用することで、男政治を変えていきましょう。その牽引役として、立憲民主党に大いに期待しています!

■女性議員の増加と政策推進の好循環に期待。政策実現力を鍛えて

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上智大学法学部法律学科教授 三浦まり先生

 選挙区・比例区ともに立憲民主党の候補者に占める女性割合は5割を超えた。執行部のリーダーシップがなければ達成し得なかった数字といえる。当選者においては女性の当選確率が高く53%を占める。その結果、立憲民主党所属の参議院議員の44%は女性だ。この勢いを弱めることなく、統一地方選、衆院選と息の長い取り組みと支援活動を続けてほしい。
 ジェンダー関連政策は国政でも地方でも重要争点となっている。立憲民主党らしい政策を打ち出すことで、女性議員の増加と政策推進の好循環が生まれることを期待している。そのためには市民社会の女性たちとのネットワーク強化が課題だ。新しい課題を発見し、政策実現力を鍛えていってほしい。

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