党旧統一教会被害対策本部(本部長:西村智奈美衆院議員)は8月4日、厚生労働部会、文部科学部会、内閣部会と合同で第3回会合を国会内で開催。旧統一教会に関し関係省庁より話を聞きました。

 冒頭、西村本部長は「悲惨な被害実態が次々と明らかになっている。今までは一部の議員の皆さんが取り上げてきたが、今後は国会全体として、わが党としてもしっかりと取り組んでいくことができなかったという反省をもとに、国会全体、政治全体でしっかり対応しなければいけない」とあいさつ。その上で、自民党の茂木幹事長宛てに3日、旧統一教会をめぐる被害を調査する、いわゆる国会事故調(国会事故調査委員会)のような組織の設置を提案したが拒否されたと明かし、「自民党は、いったいこの問題にどういう姿勢で臨もうとしているのか。この一事をもってしても、明らかだと思う。反社会的な旧統一教会による被害に苦しんでいる方がたくさんおられる時に、まずは国会が中心となって実態を把握し対応をきちんと取る。そのための国会全体としての取り組みが自民党に拒否されたことを、大きな憤りを持って、ご報告をしなければならない。本当に悔しいが、わが党でできることを、協力できる他の党とも連携して取り組んでいきたい」と述べました。

 厚労部会の山井和則部会長は、霊感商法の被害によって教育や進学の機会が妨害される、子どもたちの人生に大きく悪影響を及ぼしかねないとあらためて問題視し、取り組みを進めていく考えを明示。文科部会の牧義男部会長は、「旧統一教会が名称変更することによって、被害を助長することになったのは紛れもない事実だ。これを許した行政の責任も免れない。また、その行政に対して何らかの力が働いたのか否か。そうしたところもきちんと究明していくことが文科部門の責任だ」と力を込めました。内閣部会の森山浩行部会長は、同日説明を聞く孤独・孤立対策のみならず内閣部門としては警察の対応や、子ども庁から子ども家庭庁の名称変更などさまざまな課題があると指摘。海外の事例にある反セクト法にも触れ、こうした法制化、制度化なども視野に議論をしていきたいと述べました。

 会議では特に、旧統一教会の名称変更問題について、それまで18年間にわたって認められなかったものが、なぜ平成27年に突如として認められたのか、旧統一教会の名称変更の承認決裁文書の開示、当時の下村博文文科大臣に報告した経緯の説明、その際に下村大臣に見せた資料の提出などを求めました。しかしながら、文科省から提出された資料は、宗教法人「世界平和統一家庭連合」の規則変更理由や、責任役員会議事録はすべて黒塗りであり、あらためて経緯が分かる資料の提出を要請。加えて、手続きを経たことを証する書類に不備があることも明らかになり、「結論ありきで行われていたのではないか」と指摘する声もありました。

 また、旧統一教会に関わる児童虐待やいじめ、自殺問題に関する実態把握や対応、旧統一教会(及びカルト全般)にかかる孤立・孤独問題に関する実態調査や取り組みについては、厚労省、文科省、内閣府がそれぞれ「統計原票には宗教などの情報は含まれていない」「把握していない」などと説明。何ら対策を講じていないことに問題視する声が上がりました。