【コメント】核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書不採択をうけて

立憲民主党 政務調査会長 長妻昭

 本日(現地時間26日)核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議が終結し、2015年の前回の会議に引き続き、最終文書が採択できない結果となりました。核兵器軍縮・不拡散体制の国際的な礎石としての核兵器不拡散条約(NPT)が危機に瀕する深刻な結果は非常に無念であり、世界の核兵器の軍縮・管理体制を深刻に憂慮します。

 また、この結果は1か月にわたる参加国による協議や歩みよりの努力を顧みず、ロシア一国のみが反対したことが決裂の原因とされています。ロシアのこのような国際協調の努力に反する態度は極めて遺憾であり、抗議します。ロシアは国際法違反のウクライナへの侵略を即刻停止するとともに、ザポロージェ原発のウクライナ当局による管理を保障し、NPTの核保有国としての責任を果たす姿勢を示すよう強く求めます。

 今回、このような結果となりましたが、「消極的安全保障」の重要性など、190にのぼる国や地域が共有した認識には意義があったと考えます。また、核保有国同士が軍備管理条約の延長に向けた話し合いに一旦は合意しました。今回の努力を活かすことができるよう、日本政府は、引き続き様々な場面で核軍縮・軍備管理体制の対話が継続されるよう、国際社会の先頭に立って働きかけていくことを求めます。

 立憲民主党も核兵器管理、軍縮の進展のため、今回のNPTの最終合意案文にも留意しつつ、さらなる核軍縮の取組、核兵器廃絶にむけて、核保有国間の対話を促進する、核兵器禁止条約にオブザーバー参加するなど、あらゆる努力を続けて参ります。

【コメント】NPT再検討会議の最終文書不採択をうけて(2022年8月27日).pdf