立憲民主党など野党は10月12日、旧統一教会問題に関する第19回目となる国対ヒアリングを実施しました。元妻が多額の献金を行い、子どもが自らの命を絶った高知県在住の橋田達夫さんからヒアリングを行いました。
橋田達夫さんの元妻は約30年前に統一教会に入信。所有していた田んぼに「悪霊がいる」と言われ売却。橋田さんは、印鑑、壺、高麗人参など約1000万円、土地約5000万円、アパートを売約した際の約2000万円、親族の現金約1500万円など約1億円が被害に遭っていると説明。元妻とは9年前に離婚し、2人の兄弟は母親と生活。長男は中学の頃不登校になり成人後はアルバイトなどに就くが長続きはしなかったといい、その長男は2年前36歳で自らの命を絶ったと語りました。
橋田さんは、高知県では相談できる弁護士もゼロ、警察や市役所でも長年門前払いされ続けてきたと話し、「(統一教会は)お金を取るだけ取って信者のことはどうでもいい。統一教会に人生を翻弄された。なくなってほしい」「顔を出さないと誰も分かってくれない。若い命を救いたい。今止めないとどうしようもない」などと訴えました。
ヒアリングには、ジャーナリストの鈴木エイトさん、全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮弁護士、消費者庁、厚生労働省(児童虐待担当者)、法務省、文化庁、警察庁も出席。鈴木さんは、こうしたケースは特殊ではなく、今も教団による卑劣な行為は続いていると指摘。木村弁護士は、相談窓口ができたことで2世信者も含めて初めて被害だと認識できているとして、「表に出てこなかったこと自体が問題。30年間放置され、最悪の結果になってしまったことを重く受け止めなければいけない」と話しました。質疑応答では、出席議員から教団に対する解散命令の適用可否や、政治との関係をどう解明していくべきかなどの意見が交わされました。