岡田克也幹事長は10月18日、常任幹事会終了後に国会内で記者会見を開き、(1)常任幹事会報告(2)国会審議(3)「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定――等について発言しました。

 17日から始まった衆院予算委員会の審議については、旧統一教会問題をめぐって、岸田総理が17日、永岡文部科学大臣に対し宗教法人に基づく質問権の行使による調査を実施するよう指示したことに言及。「政府は従来消極的な姿勢だったが、変えざるを得なかったのは、われわれ野党はじめメディアの皆さん、さまざまな関係者の皆さんの努力の結果だと思う」と手応えを示しました。その上で、質問権の行使にあたっては、「これが時間稼ぎに終わることがあってはならない。期限をある程度区切ってしっかりとした体制を組んで準備をしていくべき。文科省だけでなく、例えば法務省など関係省庁からも人を入れてある程度の規模を確保して精力的に進めてもらいたい」と求めました。

 被害者の救済、新たな被害が生じさせないための規制については、立憲民主党としては3党2会派で17日に悪質献金被害救済法案を共同提出しているとして、「政府はおそらく年内は考えていなかったと思うが、すでに法案はある。被害者の救済は急がれるので、われわれの法案をベースに与野党で協議をしてより良いものを作れれば、被害者にとってはそれが一番いいことだと考えている」と述べました。

 また、「国会と内閣の関係、安全保障に関する議論を中心に、かなり本質的な議論ができたと思う」と17日の自身の質疑を振り返り、岸田総理から核シェルターの設置や邦人保護に関して「年末に向けて議論していく」との答弁があったことを評価。台湾問題については、かつての町村外務大臣の発言などを取り上げて、「中国の武力行使には反対する。他方で台湾の独立は支持しない」との考え方を今も維持しているかを質問したところ、岸田総理からは答えがなく、「台湾海峡の平和的解決を望む」との従来の政府見解にとどまったと指摘。「習近平国家主席は16日の共産党大会で『武力行使を放棄しない』と発言した。それに対して、『武力行使には反対だ』となぜ言えないのか不思議でならない。あえて言わないことは、容認することなのかと誤解してとらえられてしまう。他方で、台湾の中で独立を目指す人が力を得てくると、中国としては看過できないと武力衝突になる可能性は高い。そうならないために、台湾は大切な友人だが、独立は支持できないと日本のスタンスをはっきり言っておくことは大事だ。米国は従来から言っておられる。これも総理が言わなかったのは非常に誤解を招きやすことではないか。こうした総理のスタンスについては、あらためてどこかで確認しなければならない」と述べました。

 政府が年末までに改定する国家安全保障戦略(NSS)や中期防衛力整備計画、防衛計画の大綱の「安保3文書」に関し与党協議会が始まったことには、立憲民主党としてはすでに9月29日、玄葉光一郎ネクスト外務・安全保障大臣を中心とする外交・安全保障戦略PTで議論をスタートしていると述べ、協議を進めるにあたっては、政府から与党に提供される資料についての野党への提示および、有識者会議に対する議事録の公表を求めました。「予算編成の段階で最終的に着地するという話もあるが、国会が開いた状態でしっかり3文書に関する議論を与野党で行う。かつて民主党時代に有事法制について与党と議論しながら共に作り上げたこともある。安全保障をめぐる議論は、あまり与党と野党で認識が違ったり、対立の状況にはならない方がいいと思うので、情報公開をしっかりし、与野党で議論する場を確保しながら最終的には着地できればいいなと思っている。もちろん最終的に合意できるかは分からないが、努力することは大事だと考えている」と述べました。