泉健太代表は11月5日、東京都豊島区の雑司ヶ谷弦巻通り商友会を訪れ、物価高の影響に関して地元商店の方から話を聞きました。商友会には、政務調査会長補佐の鈴木庸介衆院議員、和賀井哲代豊島区議が同行しました。

 弦巻通り商友会は、昭和20年代後半から形成された歴史ある商店街。高度経済成長期の昭和50年頃は約70軒を超える店舗があり賑わっていましたが、現在では半分程度に減少し、池袋駅から徒歩20分程度の距離でありながら、極めて閑散としているのが現状です。

 「かつては、夕方には歩行者天国になって許可証のある車以外は入れないくらい賑わっていたけれど、今は、歩いているのは高齢者と猫くらい」。地元の方がそう話した弦巻通り商友会には、親の仕事を継いだという、創業60年を超える店が開いていますが、今の厳しい状況では娘や息子には継がせられないと言います。

 精肉店の店主は「過去にない値上がりの幅で厳しい。一生懸命働いていても手応えというか充実感がない。明日がどうなるのか、本当に不安。果たした5年後に商売をしていられるのか」「美味しいお肉を食べてもらいたいと思って一生懸命やっているが、なかなか思うようにできず歯がゆい。特に揚げ物に使うサラダオイルが、去年の3月くらいまでは1缶(一斗缶)3500円くらいだったのがもうすぐ1万円。昔も値上げはあったが、1度上がったら年単位で変わらなかった。お客さんにも喜んでもらえて、自分も商売を継続できるためにはどうしたらいいのだろうと日々考えている」と窮状を訴えました。生活が苦しくなって最初に削るのは食費だと、その影響の大きさを指摘する店主に、泉代表は、「希望をもって働ける環境を作りたい」と話しました。

20221105_114059zakka.jpg

 泉代表は、ほかにもパン屋さんや食料品店、お寿司屋さん、クリーニング店、理髪店を訪れ、「仕入れが怖い。やって損してしまうような状況。商売がやりづらい」「値上げしても追い付かない物価高。海外は、賃金が上がって物価も上がる。日本は低迷したままだから、高く感じてしまう」「サラダオイルは昨年3千円だったのが1万円。まだまだ上がり続ける。電気・水道・ガス、何もしなくてもお金がかかる」などといった声を受け止めました。

 理髪店の店主からは「子どもの絶対数が減っているので、若い人にとって魅力のある商売だと思ってもらわないと。人を育てるにはお金がかかる。僕らは何時まで働かされようと我慢するしかなかったけれど、今はそんなことしたら、(若い人は)やめていってしまう。教育・人材育成に関わる補助金、助成金の制度をもう少し拡充してもらえると、われわれも利用しやすくなる」との声を聞きました。

20221105_125106izumi.JPG

 視察後に記者団の質問に応じた泉代表は、「仕入れ価格や、物の値段が上がっていることで物価高の波が相当各店舗に来ていると感じた。一方で、小売りの価格が上げられるのか。仕入れ価格がどんどん上昇する中で、それを価格に転嫁することがなかなか難しい状況を伺った。そして、電気代や、油の値段が目立って上がっていると実感した。そういったものを含めて包括的な給付策が大事だとあらためて思った」とコメント。「どのお店も電気代はかなり上がっているとのこと。そうした中でまだLEDに変えていないお店などは、それを補助していくことによって電気料金の引き下げができるとも実感した。また、小売店ほど価格転嫁をしにくく、数十円の価格転嫁でも気を遣って慎重に考えていることが分かった。価格転嫁ができる状況を作るためにも、給付の側からも国民の消費を活性化させていくことは大事だと実感した」と述べました。

 「今回聞いた声をどのように政府に求めていくか、あるいは党の政策に活かしていくのか」と尋ねられると、「立憲民主党の経済対策を作る中で、われわれとして声を集めてきたが、再確認できたと思っている。幅広い給付と、各お店や住宅の省エネ、節電に資する補助をしていくこと。この両方が必要だとあらためて実感できたので、そうしたことをしっかり訴えていきたい」と力を込めました。

 また、政府の補正予算案については、「予備費が多いとか、使えない予算が積まれているのではないかとか、一つひとつ精査していきたい」と述べ、組み替えについては検討していく考えを示しました。

 旧統一教会被害救済に向けた与野党協議で4日、立憲民主党などが提出した法案に対し自民・公明の与党側から7ページ54項目にわたる質問が示されたことを受け、与党側の姿勢への受け止めを記者に問われ、「遅延行為でないことを願いたい。われわれは回答を作り始め、来週火曜日にはそれを示すことになると思う。質問だけではなく、与党案を早急に示すことが、いま与党に求められている対応ではないか」と指摘。「与党には、とにかく与野党協議を誠実に守っていただき結論を出すことに全力を尽くしていただきたい」と求めました。

 寺田総務大臣の責任、また岸田総理の対応をどう考えるかとの質問には、「寺田大臣は、総務省の政治資金を所管する大臣でありながら、ご自身の団体で疑惑が持ち上がっている。今の立場はふさわしくない。この任に当たらず。国会の質疑の場で、引き続きそのことを主張していきたい。岸田総理は、早々に決断して疑惑のある大臣を放置することはやめるべきだと思う」と答えました。

20221105_121737senbei.jpg
製菓店で話を聞く泉代表