衆院予算委員会は2月16日に2023年度総予算に関する公聴会を行い、立憲民主党から渡辺創議員が質疑をしました。(1)米国の体制と防衛3文書(2)軍隊は国民を守らない(3)産休・育休中のリスキリング発言(4)性的少数者への差別発言、選択的夫婦別姓制度(5)宿文化とインバウンドの連携――等について質問しました。

■米国の体制と防衛3文書
 拓殖大学教授の川上高司公述人が防衛3文書について米国の政権が変わった時に効果を持つのか、適用が続くものになるのか不安になるという話をしたことに渡辺議員は触れ、考えを求めました。川上公述人は「トランプ政権等(バイデン政権とは異なる政権)になった場合でも、危機的なもの脅威を考えるならば、ロシア・中国・北朝鮮が間近にあるわけでございますので、それに対してどう抑止力を持っていくかは全く変わらない」等と答えました。

■軍隊は国民を守らない
 渡辺議員は、「軍隊が国民を守らないのは沖縄戦の経験から明らかだ」と述べ、その点について沖縄国際大学教授の前泊博盛公述人に見解を聞きました。前泊公述人は沖縄戦に航空参謀として参加した神直道さん(故人)に取材をしたことを取り上げ、「『軍は民を守らない』というのは本当ですかと聞き、「そのとおりだ」と。軍にとって命令は敵のせん滅であるということです。そしてそれが全く同じような形で自衛隊の長官クラスのOBたちが『国民保護は地方自治体の仕事である』と言っている」等と述べました。

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■産休・育休中のリスキリング発言について
 連合事務局局長の清水秀行公述人に岸田総理が「産休・育休中にリスキリングを」と述べたことについての受け止めを聞きました。清水公述人は、産休や育休中に学び直しはできる状況ではないという声が働く現場ではあること等を説明しました。また、男性の育休取得期間が短いことが女性への負担が多くなる要因であることについて「払しょくしていく職場が必要だ」と指摘しました。

■宿文化とインバウンドの連携
 宿文化とインバウンドをどのように連携していくかを福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長の井上善博公述人に質問しました。井上公述人は、「地方にはいろいろな歴史や文化をもった温泉地や観光地がある」と述べ、官公庁と一緒に「日本の地方にも足を運んでもらえる施策を講じていく」と考えを示しました。