立憲民主党「公務員制度改革PT」(座長:大島敦衆院議員)は5月9日の会合で「活気に満ち醍醐味ある霞ヶ関と官僚の優化に向けて~優秀な人材を確保するための6つの課題と13の解決策~」を取りまとめ、10日に大島座長が岸真紀子PT事務局長とともに、長妻昭政調会長に提言しました。

 提言では、国家公務員の若年退職者の増加と志望者の減少を招き、人材確保に深刻な問題を提起している要因について、(1)「ブラック霞ヶ関」などと揶揄される減らない長時間労働、(2)職員の仕事のやりがいの低下と育児・介護等をはじめとする家庭生活との両立の困難、(3)民間企業等との人材獲得競争の激化、(4)社会・経済のグローバル化に伴う雇用の世界的な拡がりと流動化、(5)IT化など技術革新の進展による報酬の二極化と若年層を中心とする起業意識の高まり、(6)若年層における自己実現や生活環境を重視する働き方や生きがいに対する価値観の変容、(7)政権幹部に忠実な一部の側近官僚を中心とする官邸主導がもたらした各府省職員の政策に対する企画・立案意欲の低下、(8)再就職規制に伴う本省課長補佐級などのポストにおける在職期間の長期化――8項目を挙げています。そして「時代の変化に応じて受けとめるべきもの」と「解決・縮小できるもの」とを冷静に捉えた上で、有効かつ的確な対応策を講じることが必要であるとして、「6つの課題と13の解決策」を打ち出しました。

 具体的には、内閣府・内閣官房の業務の肥大化の見直し、一定期間業務上の負荷が大きくなる事態に対し機動的かつ大胆に必要な職員の従事を可能とすること、採用総数に対する合格者数比率を引上げること、社会人の中途採用枠や退職者の出戻り採用枠の拡大によって多種多様な意欲ある人材を霞が関に招き入れること、メンター制度の積極的な活用による個別支援、やりがいのある仕事に就く機会を提供する「公募異動」の仕組み、育児や介護等一定の要件に配慮した課長補佐級以下職員の府省間異動のシステム化、超過勤務の規制を民間企業と同様に労使関係に委ねること、適正な超過勤務を前提とした人員の配置と増員、本府省の職員が国民・住民と直接的に向き合う業務に従事する機会の拡大、地方を副業先とする「2地域勤務」の検討、公務員の倫理の徹底と不祥事の根絶、本府省室長・課長級スタッフ職の増員、任用制度の抜本的改革の検討などを盛り込んでいます。

  PTでは、国家公務員の若年退職者の増加と志望者の減少に伴う人材の不足が大きな問題となっていることから、官僚及び官僚機構の実情を踏まえた優秀な人材を確保するための方策についての議論を進めてきました。公務員の人材不足は、行政能力の低下をもたらし、ひいては国民生活にも重大な影響を及ぼします。立憲民主党は、若手国家公務員の仕事と家庭生活の両立をはかることで職務に対する士気を高め、志望者に魅力ある国家公務員の働き方と職場をつくり、国民の命と暮らし・財産を守り、その幸福を実現するための公務サービスの充実・向上を目指していきます。

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