泉健太代表は5月28日、埼玉県草加市にある獨協大学で行われた日本政治法律学会の研究大会に出席し、「立憲民主党がつくる日本」というテーマで講演と討論、質疑応答を行いました。司会・討論にNHK放送文化研究所研究主幹、元NHK解説副委員長の島田敏男さん、討論に千葉商科大学、元「日経ビジネス」副編集長の磯山友幸教授、慶應義塾大学の松浦淳介准教授が参加しました。
泉代表は講演で、代表に就任した際に党を立て直すために考えたこととして、野党共闘の前に立憲民主党がアイデンティティを再構築し、「今の立憲民主党の綱領と基本政策をもう一度しっかり自らの胸に叩き込み、これまで訴えてきた政策をよりクリアに国民の皆さまに、立憲民主党の政策として訴えることがまず先だと思ってきた」と話しました。
今年の党大会で統一地方自治体選で45歳以下の若手議員50人増をめざすと掲げた目標を大きく上回り、新人・元職の公認候補84名(うち新人82名)が当選を果たし、党籍のある推薦候補当選者7名と合わせると、計91名の新人・元職議員が加わったことを紹介し、「ものすごい大きな希望で勢いを感じた」と振り返りました。
また、立憲民主党には総理大臣経験者を含めた経験豊富な人材が多数在籍し、「リベラル、中道の信念があり、政策の立ち位置がしっかりある」と述べ、「立憲民主党を使ってほしい」と参加者に呼びかけました。
討論会では、磯山教授が安倍・菅政権に比べて岸田政権は中道・リベラル寄りに近づいており、「自民党と立憲民主党が(国民の支持を)食い合っている」と指摘し、自民党との対立軸をどのようにつくるのか質問しました。泉代表は、「財政、予算の使い方、伸ばすべき産業が自民党政権とは違う」と述べました。自民党政権で日本の産業が伸びてきたわけではないことを訴えていきたいと話し、「リスキリングと言っても5年で1兆円しか予算を使わないわけですから、そんなことでは世界と競争できる人材は育たない」と指摘しました。そのうえで、「人を育てることが経済の成長につながるということは、彼らも言ってくるかもしれませんけれども、より強調していきたい」と述べました。
松浦准教授は、予算の抜本的な組み替えをどうすればできるのか、その手法について泉代表に問いました。泉代表は、「教育、子育て予算を組み換えする時には、既存のあらゆる政策を全部なんでもかんでも変えますと言わないことだ」と話しました。自民党が行ってきたことも必要なことは維持することを説明したうえで、「立憲民主党にはここはやらせようじゃないかと皆様が思ってくださるような展開を作っていきたい」と訴えました。
最後に泉代表は、「社会的使命として自民党に対抗できる政治を作るのは面白い」と述べ、2大政党制による政権交代の必要性を訴えました。続けて、「皆さんには立憲民主党という公器を使って、それをさらに進化させていただいて、一緒にこの国の政治を大きく変えていきたいです。ぜひ、立憲民主党に参加して、一緒に政治を変えていきましょう」と呼びかけました。