参院本会議で6月2日、「杉久武参院法務委員長解任決議案」について、趣旨説明を牧山ひろえ議員が行いました。

 本決議案は、法務委員会において、入管行政に関わるさまざまな論点について、閣法、議員立法それぞれの質疑が行われてきたなか、多くの論点が残されていることに加え、難民審査参与員の審査数等に著しい偏りが見られるなど、立法事実を揺るがしかねない新たな事案も発覚しており、なお、十分な議論が必要である中、与野党間の合意もないままに採決を強行しようとしていること等から提出されました。

 牧山議員は、政府及び与党側が衆院での審議と同じレベルの審議時間を確保したことを質疑の終局と採決の理由としていることについて、「参議院においては閣法及び衆院における閣法の修正部分、そして私たち野党が提出した野党対案を一括して審議を行っております。検討すべき課題の多さから衆院と同じレベルの審議時間では熟議を尽くすのに到底足りません」と訴えました。

 また入管法の論点の一例として、与党委員は仮放免中の逃亡者の増加をもって規制や管理を強化することを主張していることに対し、立憲民主党は仮放免の場合働くことができず、健康保険もなく、移動の自由もないことから在留資格のない者にまともに暮らす選択肢を与えていないと主張していることを説明。「現在の政策が仮放免者の逃亡を生み出し、そして犯罪を招きかねなくしている側面があると私は思います。このように一つの議場で同じ論点について考え方の異なる政治家による、正面からの有意義な議論が現在行われているのです」と法案審議がさらに必要な理由を説明しました。

 さらには、難民認定の不服審査における難民審査参与人に対する安全の割り振りが一部の担当者に極端に集中しているという問題を指摘。一方で、一部の参与員には希望しても案件が年数件あるいは「1件も割り振られないケースも見受けられる」と述べ、「参与員制度全般が機能不全になっているのではないか」と疑問を示しました。

 牧山議員は、「私の政治新庄は命を守りたいですが、命の尊さは日本人も外国人も変わるところはない。この共通認識に立ち、入管難民政策の議論をより掘り下げていきたい。これを与党の国会議員の皆さまにもご賛同いただけることを願う」と求め締めくくりました。

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