立憲民主党は6月6日、日本維新の会と共同で、「ネット投票法案」(インターネット投票の導入の推進に関する法律案)を衆院に提出しました。

 立憲民主党と日本維新の会の行政改革・身を切る改革プロジェクトチームでは、衆院に提出している法案(立憲民主党単独)を取り下げ、日本維新の会と共同で再提出することで合意していたもので、3月に共同提出した、正当な理由なく国会に登院しない国会議員への歳費の支払いを制限するための歳費法改正案に続く共同提出となりました。

 2021年の衆議院総選挙で、新型コロナウイルス感染拡大で投票所に足を運べないケースが生じたり、在外邦人の名簿登録手続きや投票が時間的に間に合わなかったりした有権者も多数に上ったことがクローズアップされ、当事者からも切実な要望が出されていました。立憲民主党デジタル政策PT(中谷一馬座長)では、若者の政治参加を活発にする活動をしている皆さんから、2025年の参議院選挙からインターネットを導入するオンライン署名を受け取ったり、在外選挙でのインターネット投票導入を求める海外有権者ネットワークから要請を受けたりしてきました。

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ネット投票法案(概要).pdf

 法案は、すべての人の選挙権行使を保障するため、通常の紙による投票に加えて、公示・告示の翌日から投票日の前日まで24時間いつでもどこでも、スマートフォンなどでネット投票できるようにするもので、2025年の参院選からネット投票の導入を目指しています。昨年6月の法案との違いは、1年先行させるとしていた在外ネット投票に関する規定及び在外選挙人名簿等の登録申請等のオンライン化の導入に関する規定を削除し、ネット投票の導入時期を一本化したことです。

 法案提出後のぶら下がり会見で、行政改革・身を切る改革プロジェクトチームの後藤祐一座長は「今の自民党政権ではできないことの一つがこのネット投票ではないか」「我々はやりますよ。今の自民党では絶対でてこない改革をやります」と強調し、維新の会の中司宏座長も「共同で身を切る改革が進むことが大事だ。こうした法案提出することによって行革を少しでも進めていこう」と応じました。

 筆頭提出者の落合貴之衆院議員は、「IT機器を使い慣れた若い人のニーズに応え、若い世代の投票率の向上が期待される」「入院・入所中の方や、車がなく移動が難しい高齢者、過疎地に住む人にとっても利便性の向上が見込まれる」「登録や投票まで時間や距離などの面で大変な困難がある在外投票も進むことになる」と法案の効果を説明した上で、「デジタルの信頼性や機能性は向上しており、一つ一つ前進させていきたい」と決意を述べました。

 また、なりすましの恐れや投票干渉の可能性についての質問に対し、中谷一馬衆院議員は、「なりすましには罰則もある。前日23時59分まで上書き可能であり、エストニアのように、最後は紙の投票が優先することで外部からの干渉を防ぐ仕組みにしている」と説明しました。

 立憲民主党の法案提出者は、落合貴之(筆頭提出者)、渡辺周、奥野総一郎、後藤祐一、井坂信彦、源馬謙太郎、中谷一馬、本庄知史、藤岡隆雄、渡辺創、山岸一生各衆院議員です。

インターネット投票の導入の推進に関する法律案(要綱).pdf
インターネット投票の導入の推進に関する法律案.pdf