6月21日に閉会した第211回通常国会は、解散に関わる岸田首相の暴走など最後まで問題多き国会でした。その中、私が担当する環境委員会で審議された政府提出法案は、熱中症対策を強化する「気候変動適応法」の改正案のみでしたが、経済産業委員会、環境委員会、原子力問題調査特別委員会による連合審査会では、60年を超えて原発を運転できるようにする、これまでの原子力政策を180度転換する「GX脱炭素電源法(束ね法)」が審議されました。
「気候変動適応法」改正については、特別警戒アラートの新設や公共施設等をクーリングシェルター(避難施設)として活用するなど、熱中症対策の強化自体の重要性は理解しつつ、根本的な気候危機対策がより重要だと主張しました。
「GX脱炭素電源法」については私も質問に立ち、(1)運転停止期間であっても原子炉は劣化すること(2)福島第一原発事故の際、放水作業や冷却作業を東京消防庁等が行ったが消防の本来任務として想定されておらず、事業者が行うべきとされているが現況で対処できるのか(3)避難計画についても、例えば茨城県の東海第二原発の避難対象者は94万人にのぼり、バスで避難するとしたら大型バス3000台が必要と想定されているが実行が極めて困難であること――などを指摘しました。気候危機対策は待ったなしであり、産業のグリーン化に向けた投資は、事故による影響の大きい原発の延命や国際的に実現が厳しいと言われる分野へ振り向けるのではなく、確実性、現実性のある分野にこそ集中すべきと訴えました。
かつて、環境立国と言われ国際的にも評価された日本ですが、現在の政策は見る影もありません。
今後増加するとみられるアスベスト被害対策や健康調査が進まない水俣病問題、PFASによる汚染問題などの公害への対応や、生物多様性の保全、循環型社会の形成など、問題は山積しています。
わが国の環境を守り、世界にも貢献する施策を実現するため、これからも多くの皆さんと連携してまいります。