国会議員秘書、網走市議会議員を経て国政への挑戦を決めた川原田英世(かわはらだ・えいせい)北海道12区総支部長。日本一広い選挙区で活動するなかでの思い、目指す社会像について話を聞きました。
かわはらだ英世webサイト https://eisei-kawaharada.net/
バックパッカーで世界中を旅していました。特に発展途上国を中心に旅をするなかで、今の社会のあり方、あまりにも環境に負担をかけすぎていることと、格差・貧困などを目の当たりにして、現在の資本主義社会が人のためになっているのかを考えるようになりました。そこから政治に関心を持ち始め、22歳の時に知人に誘われて選挙事務所の手伝いをし、24歳で小川勝也元参院議員の秘書になりました。
地元に帰ってきたのは、地方を大切にしないとだめだという思いが強くあったから。特に、食料不足によって奪い合い、戦争をも引き起こす時代に、地域に食料生産基地があることのありがたみ、力強さは何よりも大切だと思いました。
一番大切なのは人の幸せ
今の政治が、暮らしている人のためになっていない。一番大切にしなくてはいけないのは人の幸せであって、それは地域の生活、自然の中で支え合いながら生きていくところにあると思います。極端な競争社会、新自由主義を変えていくためには、地域を大切に、地域から政治家が発信していかなくてはいけない。私たちが考えているリベラルで支え合う社会、人の幸せを大切にする社会を作っていくには、一番広くて人口密度が低い田舎を選挙区とする地域こそが変わりやすいと思っています。
命を守るためには食の安全保障
私たちは今、北海道12区全体として「食、一次産業を守ることが最大の安全保障である」というスローガンを掲げて活動しています。食料自給率が4割を切るなかで、貿易が止まったら国民は飢える。核戦争が勃発した場合、食料生産の減少と物流停止によって日本は人口の6割に及ぶ7200万人が餓死する(※)という国際的なデータも出ている中で、いくらミサイルや戦闘機を買っても国民の命は守れません。命を守るためには、国民の食は自国である程度生産できる体制を作ることが基本です。シェルターを作り、医薬品を備えることも必要ですが、やっぱり自国の生産力を高めて、そして内需を高めていくこと。それによって地域は自然と活性化され、都市部ではできない産業が生まれていくはずです。
稚内でよく言われるのは、確かに目の前のロシアは怖いけれど、それより人口減少が深刻だということです。今のままでは守る人も、守られる人もいなくなる。それなのに何で防衛費の増額なのかと思います。
平和を大切に、そして、格差是正や人権重視といった私の価値観を一番共有できるのが立憲民主党です。
社会の構造全体を見直す
岸田総理は「異次元の少子化対策」を掲げていますが、問題の本質は将来に希望を持てない社会を作ってしまったことであって、そこを理解しないで子育て支援と言っても上からの押し付け的な支援でしかありません。とりあえず一時的にお金を渡せばいいといった薄っぺらな政策にしかならない。必要なのは、社会の構造全体を見直していくこと。本当の意味での持続可能な社会を作るために立ち向かっていきます。
※米ラトガース大などの研究チームが科学誌『ネイチャー・フード』で発表。米露の核戦争が起きた場合、直接的な被爆による死者は世界で2700万人。「核の冬」による食料生産の減少と物流停止によって、2年後には世界で2億5500万人の餓死者が出て、そのうち日本が3割を占め、人口の6割におよぶ7200万人が餓死するというもの。