中学2年で「世界平和を実現する」と心に決めた、兵庫2区ふなかわ治郎(ふなかわ・じろう)総支部長。さまざまな社会改革に携わり、子どもを授かったことをきっかけに政治の道に進むと決心した話を聞きました(写真上は、新長田駅南側の若松公園内に設置されている鉄人28号のモニュメントとともに映るふなかわ総支部長)。

■中2で町長に話を聞きに行き、将来人生のテーマを見つける

 テレビドラマで初代水戸黄門を演じた東野英治郎が私の大伯父で、舩川治郎の「治郎」は、東野英治郎が名付け親です。「治郎」には「おさめる・おとこ」という意味があり、幼少期、大伯父から「俺はドラマの中でしか世直ししてこなかったが、お前はほんまの世界で世直しするんだぞ」と言い聞かされていました。

 滋賀県の田舎で育ちましたが、「戦争を語り継ぐ会」で、地域のおじいちゃんやおばあちゃんから、生の戦争体験談を、小学1年から中学1年まで毎年聞き、モノクロの実録映画も観て、感涙。毎回、「こんなに悲惨な戦争は、二度と起こしてはならない」と思い、「何か行動しよう」と決意するのですが、すぐに忘れてしまうことが常でした。ところが中学2年生の時、このままでは「また何も行動できずに終わってしまう」と危機感を持ち、すぐに町長さんなどに話を聞きに行きました。
 「政治を目指すよりも経済界から行きなさい。ここは近江商人発祥の地で、世界的な大企業がたくさん出ている。世界中に会社を作り、自分の考えを語れる場を作っていけば、君が言う『戦争のない世の中』や『飢餓で死ぬ子どもをゼロにすること』ができるんじゃないか」と町長さんからそう言われ、「世界平和の実現につながる起業をする」というテーマが決まりました。今で言う「社会起業家」ですよね。

■日本初のネット検索システムを開発、インターンシップを導入・拡大

 社会人になり、リクルート社で地方創生や新規事業開発、雇用創出などに携わってきました。1995年、阪神淡路大震災発生時、通信遮断で大混乱した経験から、災害に強い通信網が必要だと一念発起。独立、起業して、慶應義塾大学と共同で日本初のインターネット検索システムを開発し、日本のインターネットの発展に尽力してきました。

 また、15年かけて「日本版インターンシップ(就業体験)」の仕組みを全国に拡げ、通算50校以上の大学で講義やセミナーを実施。通算10万名以上の大学生を指導してきました。
 インターンシップを展開するきっかけは、偶然の産物。インターネット検索システム開発時に、エンジニアの募集をしたら学生ハッカー(ともいえる人たち)が集まったんです。世界初を目指し、猛スピードで開発プロジェクトを進める中で、最初はいい加減な部分もあった学生たちが、短期間で使命感・責任感を身に付け、人間的にも驚くべき成長を遂げたのです。そのことを外資系IT企業の人に話すと、「それはインターンシップっていうんだ。世界標準の重要な仕組みだけど、日本にはごく一部しかないよね」と教えてくれました。当時は、省庁・大学・企業団体の大多数が、学生の就業体験に反対・消極的でしたので、理解が早い外資系大手企業や高度な技術力を有する理系大学生を手始めに進めていきました。強固な偏見の解消や賛同者・協力者集め、試行錯誤の繰り返しに、途方もない時間とパワーがかかりましたが、決して諦めることなくやり遂げ、「日本教育の標準システムとして確立できたこと」は、大変意義深いことでした。

■子どもを授かり政治の道へ

 世界平和実現への想いは募るものの、今の仕事のやり方では「死ぬまでに実現できないのではないか」との危機感が強くなってきました。そんな中、東日本大震災の直後、長年の不妊治療の結果、奇跡的に子どもを授かることができたことをきっかけに、政治改革に振り切ろうと決めました。「この先の日本はどうなるのか、衰退の一途を辿るだけではないのか、緊急かつ重要な課題が山積みなのに、政治家は何をしているのか」と、子どもの将来を考えることが増えたことがきっかけです。

 「人を大切にする」という観点でこれまで仕事をしてきましたが、今の日本は残念ながら「人への投資」と言いながらも世界標準にもはるか及ばないと感じています。私がテーマにしている「世界平和」を実現するには、日本が尊敬される国・モデル国家になるべきですが、まだまだそういう状況ではない。人口が減っても生産性が上がり、心が豊かで、幸福感が強い。そして安全な国にすることが必要です。

■普段はあまり要望を口にしない人の声も聞く

 日々の活動で大事にしていることは、「一人ひとりの声をちゃんと聴くこと」です。声の大きな主張の強い人の意見を聞くだけではなく、「普段は無口な人の声を聴くこと」がものすごい大事だと思っています。最初は無口でも、こちらから何か話すきっかけをつくると「そういえば」と話してくれるようになります。子どもたちから中高大生、ご高齢の方や障がいのある方、さまざまな人の声を分け隔てなくしっかりと聞き、すぐに行動して、結果や経過をフィードバックする。そうすることで「政治家って、言ったら何かやってくれるんだな」「たった一人の声でも、影響力があるんだな」と実感してもらえればと思います。

 緊張感のある国政に変革するべく、あえて野党を選択。さらには、あえて日本有数の難しい選挙区に挑戦し、真に国民主体の政治への変革の道を切り開くロールモデルを創るべく実直かつハードに活動してきました。次が最後の戦いだと、思い切って悔いが残らないようやっていきますので、ご支援よろしくお願い申し上げます。

舩川治郎
湊川商店街にて