立憲民主党は8月31日、「農林水産キャラバン2023」(座長・田名部匡代参院幹事長)の第5回目として、副座長の徳永エリ参院議員と眞野哲・岐阜5区総支部長が岐阜県恵那市、中津川市を訪問しました。
このキャラバンは、全国各地の農業現場を訪問し、各地で得た地域の声を党の農林水産政策に反映させ、地域と一緒に新しい農林水産政策を作っていく取り組みです。今回は新しい栽培法で栗園を運営し、日本各地でも栽培技術の指導も行っている「栗のなりわい総合研究社」(くりけん)の伊藤直弥代表理事から話を聞き、農園を視察。その後、栗菓子店で最近の状況について話を聞き、東美濃農業協同組合(JAひがしみの)で意見交換を行いました。
徳永副座長は視察後、記者団の取材に応じ、「来年の通常国会で、食料・農業・農村基本法の23年ぶりの改正が控えている。食料安全保障を確保しなければいけないと言いながら、この20年間で農業従事者は減っており、高齢化がどんどん進み、担い手・後継者がいない。食料自給率は37、38%を行ったり来たりして、ちっとも上がらない」「高齢農家の皆さんから、もう5年持たないという声もある。中山間地の農業が圧倒的に日本は多く、その中山間地で働いてる方々は、ほとんどが高齢化している」「20年間の農政の失敗がいたるところに見えているので、いろいろな現場の声、課題を聞きながらスピード感をもって課題を解決しつつ、国民の食料安全保障を確保できる法改正をしていかなければならない。そのための有意義な意見交換を行い、また未来に繋げていくために何をしたら良いのかヒントもいただいた。それをどう政策に落とし込むか党として検討していく」と述べました。
伊藤さんが営む農園では、生育バランスを整えることで大粒の完熟栗を育て高品質・多収穫を行うための無農薬栽培の状況を視察。「バランス栽培法」と名付けた新しい栽培法の考え方を聞き、土作りの現場と、大粒の栗がなる栗園を確認しました。
伊藤さんは、厩舎の使用されたウッドチップと豚糞をミルフィーユ状に重ね土作りを行っていると説明。微生物による「生きた土壌」を作ることが重要だと語り、「有機農法は、有機肥料を使う栽培法ではなく、植物が育つ環境を整えることだ」と指摘しました。さらに環境を整えることで、病害虫も農薬に頼らないレベルまで少なくでき、野菜などは育成も早くなり、高品質で多く収穫できると話しました。低樹高で栽培している栗園では、土壌を整え、剪定(せんてい)を工夫することで台風などでも落ちることがなく大粒の栗がなり、維持管理の負担も軽減できると説明。完熟し始めの大粒の栗を視察しました。
栗菓匠七福では、同日販売が始まった栗きんとんの出来や、原材料の栗の確保に苦労していること、経営の状況について話を聞きました。JAひがしみのでは、栗生産者の平均年齢が75歳以上といった農業現場の実情や、どうすれば若い世代が農業に参入してもらえるのか等の課題について意見交換を行いました。