ベトナム訪問中の泉健太代表、源馬謙太郎国際局長、青柳陽一郎同局長代理は、8月31日にベトナム共産党幹部や関係大臣との会談を行いました。(写真上は、ベトナム共産党のマイ書記常務との会談)

泉健太 源馬謙太郎 青柳陽一郎 ベトナム共産党書記局

 訪問団はまず、ブイ・タイン・ソン外務大臣と会談しました。ソン外務大臣は、外交樹立から50年間、日本は常に重要なパートナーであり、両国の友好関係が経済発展の成果を上げてきたと話し、今回の立憲民主党の訪問も両国関係に貢献すると歓迎し、30日にベトナム共産党と立憲民主党が政党間交流の覚書を交わしたことを評価しました。

 泉代表は、立憲民主党が対話外交を重視していることを説明し、武力による現状変更が絶対に起こらないよう、両国で協力したいと話しました。また、北朝鮮による拉致、核開発、暗号資産の詐取への対応、日本企業によるインフラ建設等が計画t通り進められるよう行政手続の迅速化に関する連携・協力を求めました。

泉健太 ベトナム共産党書記局

 次に、ベトナム共産党本部でチュオン・ティ・マイ党書記局常務・ベトナム日本友好議連会長と会談しました。マイ書記局常務は、両国の友好関係、経済協力でベトナムの経済発展で成果をあげたと謝意を表し、泉代表の訪問が「両国関係に大きく貢献することを確信する」と述べました。

 泉代表は、(1)立憲民主党の外国人労働者の処遇改善や多文化共生に関する取り組み(2)日本企業のベトナムへの投資環境の整備や事業遂行の予見可能性の向上(3)北朝鮮による拉致、核開発、暗号資産の詐取への対応(4)台湾海峡、南シナ海の平和と安定のための協力、海上保安・防衛交流(5)ベトナム人留学生、技能実習生の受け入れ(6)日本の食品の安全、ベトナムにおける日本の食品フェアの開催(7)医療・健康分野の経験・知見の共有──等を挙げ、双方で連携していく方向で意見交換を行いました。また、政党間の議員交流や若者の交流を実施していくことで一致しました。

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 訪問団は、ベトナム日本商工会議所、JICA、JETRO及びべトナムで事業を展開する日本企業の社長らと懇談し、無償協力・有償協力の状況、円安の影響、行政手続や決裁が遅いためにプロジェクトの進行が遅延すること、産業の厚みがないなど、ビジネスを行っていく上での課題等について話を伺い、意見交換しました。

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 次に、チャン・クオック・フォン計画投資省副大臣と会談しました。泉代表と同じ1974年生まれの副大臣は、これまでの日本の経済協力、投資を高く評価するとし、これからも2国間で実質的な経済発展のために協力していきたいと話しました。

 泉代表は、ベトナムがインフレ率を抑制してきたことを評価するとともに、ODA事業に係る企業の免税措置、企業の事業計画の円滑な遂行に向けた環境整備等を求め、副大臣はそれらの対応に取り組んでいるところだと応じました。今後の50年も、共に知恵を出し合い、発展に向け努力していくことで一致しました。

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 訪問団は、最後にグエン・キム・ソン教育訓練大臣と会談しました。ソン大臣は、日本の政党の訪問を受けるのは初めてだとし、両国の関係で教育・訓練は重要な分野であるとの認識を示し、日本語を教える教師の養成、日越大学のキャンパス拡張への支援、ベトナム人研究者の来日への支援を要請しました。

 泉代表は、これからも多くのベトナム人が留学先等に日本を選んでくれるよう、日本で安心して勉強、生活できる環境を整えていきたいと話し、日本語教育の人材育成にも協力していきたいと応じました。

青柳陽一郎 ベトナム共産党書記局

 青柳議員は、自身が実行委員長をつとめるベトナムフェスティバルに約20万人が来場し盛況だったこと、設立に携わったホーチミン市のVJIT(越日工業大学)、外国人学生と企業の人材マッチングを行う外国人材支援機構HuReDeeについて紹介し、今後も両国関係に尽力していくと述べました。

泉健太 源馬謙太郎 ベトナム共産党書記局

 源馬議員は、今回のベトナム訪問が泉代表としての初めての外国訪問だと紹介し、最大野党として将来政権を担うことを見据え、海外の要人と直接会って話すことが重要との認識を示し、来日の際はぜひ立憲民主党に会いに来てほしいと呼びかけました。

泉健太 青柳陽一郎 ベトナム共産党書記局

 一行はハノイ市の日本交流基金のハノイ事務所を訪問し、日本文化紹介事業や日本語教師の養成の状況、課題について説明を受けました。

泉健太 源馬謙太郎 青柳陽一郎 ベトナム共産党書記局

 一連の会談を終えた泉代表は、記者団の取材に応じ、30日にベトナム共産党と立憲民主党の政党間交流の覚書を交わしたこと、2日間にわたってベトナム共産党幹部、及び外務大臣、計画投資省副大臣、教育訓練大臣と会談し、ベトナムへの投資、技能実習生の課題、地域の平和と安定、日本の農作物の輸出の拡大、北朝鮮の拉致問題などについて意見交換したと報告しました。その上で、「世界各国の主要な政党とこうした関係をより深めて、外交の面においても、いつ政権交代をしても対応できる政党として、さらに歩んで行きたい」と述べました。また、ALPS処理水の海洋放出に伴い中国が日本水産物の輸入を停止したことに関し、科学的な説明と国際世論を味方につける努力が重要だとし、「われわれがベトナムを訪問し、科学的な法放出をしていることを説明し、一定の理解を得られた」と話しました。

 訪問団は31日夜、ハノイ市を発ち、翌9月1日朝に帰国しました。