岡田克也幹事長は8月29日、国会内で記者会見を開き、(1) 東京電力福島第1原発のALPS処理水をめぐる中国側の対応(2)日本維新の会の馬場代表の発言――等について発言しました。

 東京電力福島第1原発のALPS処理水放出に中国が反発を強めていることには、「科学に基づいてしっかり対応しなければいけない問題」だと強調。中国側がこの点について理解に至っていないなか、そうした前提で情報発信されることにより、中国にある日本の大使館や領事館に放出に対する抗議の電話があったり、日本人学校の敷地に石が投げ込まれる事件が起きていることにも触れ、「日中関係の将来にとって望ましくない事態になっている。中国政府にはしっかりと対応してもらいたい」と述べました。一方で、処理水放出に対する中国外務省の抗議では、トリチウムの問題よりも、それ以外の放射性物質についての日本側の説明が不十分だと指摘しているとして、「政治的な思惑ではない、科学的なやり取りで合意形成は可能ではないかとも思う。日本政府も努力してもらいたい」と求めました。

 日本維新の会の馬場代表が「立民がいても日本は何も良くならない」、共産に関して「日本からなくなったらいい政党」など党の存在を否定するような発言を繰り返していることについて、「公党の代表として度が過ぎている。政治はお互いに考え方や路線、政策に違いはあっても根底には信頼関係がなければならない。政治は信頼関係に基づいていろいろ話をしていくことが大事だと思う。今の馬場さんの発言は相手の存在を認めおらず、信頼関係をなかなか築けないのは残念なこと。ぜひ考えを改めてほしい」と述べました。

 政府、与党がガソリン価格高騰に対応した激変緩和措置について、9月から補助を拡充する方向で調整に入ったとされていることを受け、「党としてはガソリン税の凍結が基本的な考え方だ」とした上で、「9月いっぱいで補助金が切れてしまうので、それ以降速やかに対応していくために現時点で考えれば予備費の選択肢もあるのではないかと思っている。その時にも、本来であれば法律や補正で手当すべき話であり、予備費であるのならが各党に説明し、理解を求めるプロセスが必要だ」と述べました。



岡田克也幹事長記者会見

2023年8月29日(火)15時31分~16時03分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/2UPeJc4QsO8


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第83回常任幹事会を開催

【幹事長】
 きょうは常任幹事会も行われましたので、そのご報告をまず行いたいと思います。
 まず、代表の外国訪問ということで、8月29日からベトナム、9月10日から米国ということで報告され承認がありました。詳細については資料をお配りさせていただいておりますのでご覧いただきたいと思います。
 それから、代表選挙管理委員会の構成ということで、しばらくこれ決まっておりませんでしたので、決定をさせていただきました。委員長は吉川沙織さん。委員として、坂本さん、羽田さん、宮口さんということで、これも承認されたところでございます。
 それから、党本部の事務局人事ということで、私のほうから報告をさせていただきました。これは党本部の職員の皆さんの全員ヒアリングから始まって、そして、先般、事務局の役員、それから事務責任者というところまで進んでまいりましたが、全体の人事が終わったということで報告をさせていただきました。具体的にはお配りした資料にあるとおりであります。私としては幾つかのことを考えたわけですが、一つは、党職員の皆さんの年齢構成が非常に逆三角形的になっております。したがって、5年くらい先を見据えて、次代の党を背負ってもらえる人たちを育てるという観点で前広に人選をさせていただいたということであります。もう一つは、やはり女性の登用ということで、事務局次長に坂上さん、それから事務責任者にはその坂上さんを含めて合計3名登用させていただきました。まだまだ不十分ですが、その次に事務責任者を将来担うことができる、そういうポストにたくさん女性を登用させていただきまして、これから何年か先にそういう人たちがさらに育っていただいて党の事務方を背負っていただくということを期待しているところであります。それから、全般的に言うと広報機能・選対機能を強化したということで、人を若干そこを重点的に増やしたりしております。以上が事務方についての問題であります。
 あと、代表も先ほど挨拶の中で言われました、補欠選挙の選対をつくるということで、これはメンバーは最終的にご一任をいただきましたので、整えて、来週できれば第1回を開きたいと考えているところであります。10月22日、長崎4区、それから、参議院ですが徳島・高知選挙区ということが予定されておりますので、しっかりと対応していきたいと思います。私もあす長崎に行って、候補者と共に出馬の記者会見に出席をする予定でございます。あわせて関係者の皆さんと意見交換してきたいと思っているところです。
 あと、常幹としては、候補者の公認内定ということで、三重4区で新たに公認内定をさせていただきました。県連のほうからもう既に1週間以上前に上がってきたところですが、青沼陽一郎さん。ジャーナリストであり、皆さんの中にもご存じの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、4区から出馬するということで、本人は張り切って、もう地元に入ってしっかりと活動しているということです。ご本人からは、今までジャーナリストとしていろいろなレポートを書いてきたけれども、そういったところから一歩進んで、自分で問題解決に乗り出す、そういう政治家という立場に身を置いてみたいと考えて決断したということでございました。
 常任幹事会は以上であります。

○ALPS処理水 中国の対応について

【幹事長】
 それ以外に2点ほど私のほうから申し上げたいと思います。
 一つは、ALPS処理水についての中国側の対応であります。
 前回も申し上げたかと思いますが、やはり科学に基づいてしっかり対応しなければいけない問題であります。ここのところが中国側は理解するところになっていないということで、それが中国国内にもそういう前提で情報発信されるものですから、大使館や日本人学校への投石とか、あるいは電話とか、いろいろなことが起きております。中国政府にはしっかりと対応してもらいたいと思います。日中関係の将来にとって本当に望ましくない事態になってしまっていると思います。これは中国側に、そのしっかりした対応を求めたいと考えております。
 同時に、先般、(駐日中国)大使を呼んで外務省のほうで抗議をしたということですが、その後、大使館のほうで文書を出しております。これを見ますと、3点指摘をしているのですが、主な点は、ALPS処理水について、トリチウムの問題というよりは、トリチウム以外の他の放射性核種について日本政府はきちんと説明していないというふうに中国側は言っております。そういう話であれば、これは科学の話でありますので、日本政府、今まで十分説明していることだと思いますが、しっかりと科学的なやりとりを行って、そして、科学の話であれば、政治的思惑の話でないのだとすれば、お互い合意形成することは可能ではないかというふうにも思いますので、しっかりと日本政府も努力してもらいたいと考えております。
 これが一点です。

○維新・馬場代表の発言について

【幹事長】
 それから、もう一点は、最近、維新の馬場さんがいろいろな雑誌にインタビュー形式で答えておられます。
 私は以前にも申し上げたことがありますが、公党の代表として度が過ぎているのではないかと申し上げたことがありますが、そのことが繰り返されているということは非常に残念に思っているところです。やはり政治というのは、お互い、意見、政策、あるいは路線、そういうものの違いがあるとしても、根底にはやはり信頼関係というものがなければならないと思います。頭から他の政党の存在を否定するような、そういう言い方は私は理解できない、容認できないところであります。
 馬場さんにアドバイスを送るとすると、私も政治経験が長いわけですが、やはり政策、あるいは立場の違いというものはあっても、なるべく信頼関係というものは築いていく努力というものが求められるのだと思います。私も自民党にも信頼できる関係が築かれている人はたくさんおりますし、公明党の山口さんとか、共産党の志位さんとか、お互い、考え方、路線は、あるいは政策は全く相入れないというところが多いとしても、根底にはやはり信頼関係があると思っています。そういう信頼関係に基づいて、いろいろな話をしていく。政治ですから、そういったことが私は大事ではないかと思います。
 今の馬場さんの言い方ですと、相手の存在を認めていないわけですから、そういう信頼関係をなかなか築けないということは非常に残念なことだと思っております。ぜひ考えを改めていただきたいと思っております。


■質疑

○ALPS処理水の海洋放出について(1)

【共同通信】
 冒頭のALPS処理水の関連で、公明党の山口代表の訪中もなくなったということで、日中関係がかなり冷え込んでいると思う。幹事長は日中議連副会長だったと思うが、その立場として、今後の日中関係について、先ほど言及もあったが、今後どういう対応が求められるか、改めて教えていただきたい。

【幹事長】
 日中議連としても訪中を模索してきましたが、めどはついていないということで、事実上、山口さんのことを見ても、当分無理かなというふうに私は残念ながら考えざるを得ないと思っております。  ただ、やはりコミュニケーションを取る中で、お互い、いろいろなもし誤解があるとしたら誤解を解く可能性もありますし、例えば、このALPS処理水の問題が中国共産党のトップクラスにどこまで理解されているのかという問題もあるわけですね。そういったことについて、国際基準から見て、少なくともトリチウムについては完全にクリアされているし、そして、中国の原発のほうがたくさん出しているということもあるわけです。そういったことをハイレベルで直接伝えるということの意味は私はあると思いますし、それから、少し長い目で見た日中関係ということで見ても、今の状態が、非常に望ましくない、これではやはり日本企業も投資をしようという気にもならない、リスクを感じてしまうということもあると思います。そういうことを率直にお互い意見交換できる場はあったほうがいいと思っています。

【共同通信】
 今後、ASEAN、G20と、外交日程が続くが、岸田政権として外交でALPS処理水の問題についてどのように臨んでいくべきか、改めて教えていただきたい。

【幹事長】
 まず、首相ないし(国家)主席とのトップ会談が実現すること、しっかり努力してもらいたいと思います。
 その上で、ALPS処理水について、先ほど言いましたトリチウムについて、これは完全に国際基準を満たしている、中国の原発から出されるもののほうがはるかに多いというようなことも直接伝えてもらいたいと思いますし、中国側が他の核種について問題があると言うのであれば、それに対してきちっと反論する、説明するということも求められると思います。

【NHK】
 私もALPS処理水の関連で伺いたい。きょうの常任幹事会の冒頭で代表もおっしゃっていたが、農林水産大臣が中国の反応を想定していなかったという趣旨の発言をしていたが、その点についてどう思われるか。

【幹事長】
 私はびっくりしました、あの話を聞いて。中国が強く出てくるということは当然想定の内にあって、それなりの対応というものを準備していると思っておりましたので、余りにも楽観的な見方に唖然としました。

【NHK】
 ALPS処理水でもう一点、関連だが、化粧品の不買運動や、訪日団体客を見合わせるなど、そういった事例も出てきているやに聞いているが、影響の広がりについて、改めてどう受け止めているかお聞きしたい。

【幹事長】
 いろいろな日本産品が中国国内で敬遠されるとか、あるいは、おっしゃるように訪日の観光客が、リスクがあると思って来ないという人も中にはいるかもしれませんが、やはり来にくくなると。そんな日本に行っていいのかというような同調圧力みたいなものも当然中国国内であると思いますので。いろいろな意味で影響が出てきています。
 日本の農産物を全部止めるということになれば、これは非常に被害は甚大であります。そういう意味でも、きちっと補償すべきは補償するということと、これは別に東京電力だけの問題ではなく、日本政府としても、日本政府がやはり処理水を排出したことでいろいろなことが起きているということを考えれば、それは日本政府も含めて、どう対応していくか。特に国内の業者に対してしっかりとそれを支えていくということは大事なことだと思います。
 あとは、科学的に、科学に基づいてしっかりと意思疎通・意見交換をする中で物事を前に進めていくということだと思います。
 中国が、国内事情もあって、その政治的な手段としてこれを使っているんだということ、そういう面はあるかもしれません。だけど、そればかりを強調していると、これは物事が前に進まないので、一方で、冷静に、どういう具体的な問題があるのかと、科学的に見てどうなのかということを両国で話し合ってもらいたいと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【産経新聞】
 冒頭、日本維新の会の馬場さんの発言があったが、関連して、小沢一郎衆議院議員が27日放送のBS番組で、候補者調整に関して、泉代表がほかの野党から信頼が得られていないことが障害になっているというような趣旨を発言され、泉さんが変心してくれるのが一番いいというようなことを言及された。批判とも取れる発言だが、幹事長の受け止めと、候補者調整をいつまでに整えたいか、進捗状況もあわせてお聞きしたい。

【幹事長】
 泉代表も、先般の記者会見で言われているように、野党議席の最大化という目的のために野党間で連携し力を合わせていくことが大事だと言われています。ですから、泉代表がそういったことに否定的だということはない。むしろ積極的にやっていこうと、そういう気持ちだということです。
 もちろん、その具体的なやり方については各党それぞれ主張があります。特に今の国民民主党は、代表選挙のやりとりを見ていても、玉木さんはそもそもそういう気があるのかどうか。あるように持っていかなければいけないのだけれども、なかなか、水を飲みたくない馬に水を飲ませるというのは簡単なことではありません。それは信頼関係の問題ではなく、路線の問題です。
 それから、維新は、先ほど言ったような、この世になくていい政党ということで頭から批判をしているわけですね。
 粘り強く、なるべく与党の議席を減らすという観点から努力していきたいと思います。現在も努力中です。

【産経新聞】
 重ねて恐縮だが、小沢衆議院議員が、この状況を見て変心してくれるのがいいと。ちょっと否定的な感じに受け止められるが、この点に関して幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】
 いや、ですから、変心するというより、考え方は一致していると思います。

○ガソリン高騰対策について(1)

【TBS】
 話題が変わり、ガソリン代について伺いたい。今、15年ぶりに180円台を記録しているということだが、政府・与党が来月末で期限を迎える燃料油の高騰対策を延長してガソリンの小売価格を1リットル当たり170円台に抑える方向で調整に入ったということだが、こちらについて幹事長の受け止め、お考えを伺いたい。

【幹事長】
 党としては、ガソリン税の減税、凍結(解除)ということが基本的な考え方です。
 ただ、これ(現在の政府の対策)は、9月いっぱいで切れてしまいますので、(元売会社への)補助金がなくなってしまいますので、それ以降、速やかに10月1日以降対応していくために、現時点で考えれば予備費という選択もあるのではないかと私は思っております。ただ、そのときにも、本来であればきちんと法律で手当てしたり補正で手当てしたりすべき話ですから、それを予備費でやるというならば、きちんと各党に対して説明し理解を求める、そういうプロセスが必要だと思います。

○寒川町長選の結果について

【神奈川新聞】
 話題が変わり、神奈川県の寒川町長選、27日に投開票され、立憲民主党推薦で現職の木村俊雄氏が自民党推薦の新人などを破って4選を果たした。マイナ保険証をめぐるトラブルなどを受けて岸田内閣の支持率や自民党支持率が低下する中で、自民の幹部からは逆風になったという声なども上がっている。寒川町長選に関して、幹事長の評価、また、低迷する内閣支持率で、今後の地方選挙の影響について、どのように受け止めているか。

【幹事長】
 ご指摘のように、町長選において無所属で現職の木村さんが当選されたということであります。
 自民党のほうはたくさんの、菅さんや三原じゅん子さん、小泉さんということで、応援に入ったようですが、現職が勝利をしたということは、やはり自民党に対する国民の怒り、そういうものが反映された結果だと思います。
 もちろん候補者がすばらしいし、今までの実績が評価されたからこそ選ばれたと思いますが、そういった自民党に対する逆風ということも一つの大きな原因ではないかと思っています。

○ガソリン高騰対策について(2)

【西日本新聞】
 話題が戻り、ガソリン税のところで教えていただきたい。きょう与党の政調の会議のほうでは、先ほどの質問にもあったように、現行の補助をとりあえず延長・延期していくという話だった。立憲民主党が以前から求めているトリガー条項に関してはほとんど言及がないまま、検討されているようなものが特に見受けられないという状況だった。このトリガー条項について、なかなか検討が政府・与党の中で進まない部分について、どのように感じているか教えていただきたい。

【幹事長】
 それは大変問題だと思います。
 あわせて、玉木さんはそれをもってたしか予算に賛成したということですので、今のご質問は玉木さんにもしていただきたいと思います。
 ただ、我々も原則はそういうことですが、先ほど言いましたように、10月1日から、もう補助金がなくなってしまって、さらにガソリン価格が上がることが想定されますので、それに間に合わせようとしたときにトリガー条項で間に合うのかという議論もそろそろ現実的に考えなければいけないということで、先ほどの私の答弁をさせていただきました。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【読売新聞】
 先ほどの産経さんの質問に関連して。候補者調整の関係だが、玉木さんは、国民代表選に関連して、なかなかそういったところにやる気がないのではというふうなご発言があったが、一方で、前原さんは非自民・非共産で大きな固まりということをおっしゃっていて、連合も同様の趣旨のことを考えている。一方で、立憲民主党自体は共産党も含めた他党との連携を今進めているというか検討されているところだと思うが、前原さんであったり連合の主張どおり行くと共産党とは組めないというのがスタンスかなと思うが、この辺についてどうバランスを取っていこうとお考えか。

【幹事長】
 それは各党でそこは全く一緒である必要はないと思います。
 我々はなるべく、選挙区で自民党と競い合っているわけですから、そこで他党、その中には国民もあれば維新もあれば共産党もあるわけですが、候補者の調整というのはあったほうが望ましいと。それは私、前から申し上げているとおりです。現実にそれが可能かどうかということは別にして、そういうものがあったほうが望ましいと考えております。
 ただ、そういう候補者調整、それは必要ないと、ある党に対しては必要ないと考える党があるのならば、それはそれで一つの考え方の問題だと思います。
 ただ、選挙区で自民党に競っていこうとすれば、なるべく野党は一本化したほうが私はいいのではないかと思っているところです。それは各党考え方が違うのだと思います。

○衆院長崎4区補選について

【読売新聞】
 もう一問。冒頭発言のあった長崎4区補選の関係だが、こちらの選挙区は区割り見直しの対象となっており、補選の次の衆院選からは新3区になるということで、かなり大幅に選挙区の大きさが変わるという特殊な事情を抱えていると思う。幹事長はかねてから秋にも選挙があるのではないかということでご発言されていらっしゃると思うが、そこら辺、この新3区を見据えながら選挙を進めていくのか、まずは目の前の補選ということで現状の選挙区に対応していくのか。そこら辺の難しさであったり、どう進めていこうとお考えか。

【幹事長】
 確かに難しいですよね。しかも、例えば解散が9月中にあれば、突然、補選ではなくなって本選になってしまうのですね。そういう意味で、両方をにらみながら、基本は補選に置きながら、だけど、場合によっては本選になるかもしれないという、それも念頭に置いて準備していくしかないと思います。
 幸いにして、隣の選挙区、山田さんの選挙区、候補者も現職でおりますので、そういう意味で連携をよくしていくということが非常に大事ではないかと思っています。

○憲法論議 緊急事態条項をめぐる議論について

【時事通信】
 9月1日に関東大震災100年を迎えるが、これに関連して、大規模災害時の対応として、憲法改正で緊急事態条項を創設すべきという意見があると思うが、この必要性を含めて見解を伺いたい。

【幹事長】
 これは国会の中でかなり大きな争点として議論されてきました。
 緊急事態条項という中身、いろいろなことが含まれると思いますが、例えば衆議院議員がもう任期が切れてもそのまま続けることができるというような中身も含まれていると思います。それは、そうすると与党体制というのがずっと変わらないということですよね。
 戦前のことも考えると、そういったものが悪用されかねない。各国を見たって、緊急事態の名の下で、政権が、独裁者が居座るとか、そういうことは結構あるわけなので、私はむしろ、参議院のほうに今の憲法上の制度がありますから、その中で対応していくということのほうがいいのではないかと。著名な憲法学者の中にもそういう意見はかなり多いというふうに理解しておりますので、私としてのスタンスはそういうところであります。
 なおしっかり議論していきたいと思います。

○ガソリン高騰対策について(3)

【テレビ朝日】
 話題が戻り、ガソリン代高騰対策について。自民党がまとめた緊急提言の中では、170円台半ばから後半ということもあり得るかと思うが、抑えるという話があった。この170円台という数字について受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 まず、今の仕組みの中で確実にそこに収まるかどうかわからないのですね、元売に補助金を出すということですから。私は、今の元売のその経営状況というものも踏まえて、単に補助金を出すだけでいいのか、もう少し元売にしっかりと(価格に)反映させるような何かが必要ではないかと、そういう議論も当然あると思います。
 具体的水準がどこがいいかということも大きな論点で、これは結局、予備費とはいえ元々は税金ですから、あるいは借金ですから、それを非常に大きなオーダーで使うということになりますので、そのこともあわせて、しっかりとした議論が必要だと思っているのです。
 そういう意味で、何らかの形で国会の場でしっかり、予備費であるとはいえ自由に勝手に与党・政府が使っていいお金ではありませんので、しっかりとした説明責任を与党には果たしてもらいたいと思っているところです。

【テレビ朝日】
 率直に、この170円台という目標の数値を聞いたときの受け止めというかお気持ちというか、その辺りはいかがか。

【幹事長】
 ですから、そこは両方ありますので、しかも、それは決まった数字ではないので、私がそれについて何かコメントすることは避けたいと思います。

○ALPS処理水の海洋放出について(2)

【TBS】
 27日に福島の小名浜で海洋放出反対の集会があったと思うが、そこに立憲民主党の石垣のりこ議員がいらっしゃって、党を代表して伺わせていただいたと、汚染水という言葉も使われていたと思うが、そのことについての見解を伺いたい。

【幹事長】
 党の見解はもちろん処理水であり、それは科学的に安全性は立証できているというのが党の見解で、私がこの場で、前々回かな、明確に述べたとおりです。ですから、それと違う発言をもししたとすれば、それは何らかの誤解だというふうに言わざるを得ないと思います。

【TBS】
 前回伺ったときは、個々の議員の発言に関してはというお話もあったと思うが、今回の石垣さんの発言についてもそういったところは同じか。

【幹事長】
 党を代表してと、そういう立場で出ていって発言したとしたら、それは党の見解を述べてもらわないといけないということになります。