立憲民主党は9月11日、「農林水産キャラバン2023」(座長・田名部匡代参院議員)の第6回目として、同キャラバン顧問の篠原孝衆院議員、おき圭子・兵庫県第10区総支部長が、都市近郊農業地域の典型と言える兵庫県加古川市、稲美町を訪れ、農業現場の実情について農業従事者や農業関係者と意見交換を行いました。このキャラバンは、全国の農業現場を訪問し、各地で得た地域の声を党の農林水産政策に反映させ、地域と一緒に新しい農林水産政策を作っていく取り組みです。

 おき総支部長は、「都市近郊地域ではあるが多数のコウノトリを目にすることができる」「稲美町は兵庫県下で最多数のため池があり、ため池に見事な蓮が見られる反面、太陽光パネルが設置されている池も多く見受けられ、今後は経年劣化による生態系への影響が危惧される」など、環境や地域の特色、課題などを述べるとともに、都市近郊地域であるにも関わらずコウノトリが多数飛来する稲美町と加古川市・高砂市北部地域で展開する農業ブランド化への可能性を述べました。

篠原孝

 意見交換では、「地産地消」を推進してきた篠原顧問が、「CO2排出量抑制の観点からも地産地消に今後は注力すべきであり、都市近郊地域で農業に従事している方々には大きな役割を担って頂く必要がある」「世界的に見て、旬産旬消(しゅんさんしゅんしょう)のバランスが崩壊している日本では、このバランスを取り戻すことでさまざまな可能性が高まる」と、日本の農業に対しての農政ビジョンと、気候変動に対応する必要性を踏まえた問題を提起。兵庫県の食と農の立ち位置についても、「神戸灘生協の先進的役割や高砂市の入浜権運動といった歴史の流れを踏まえたうえで、意識の高い消費者がおられ、何でも栽培できる恵まれた気候の兵庫県では、地産地消・旬産旬消を実行できる自治体である」と指摘しました。

 稲美町の加古土地改良区会館で行った「車座集会」では、相対取引の問題や、小売業が力を持ち過ぎたことを起因とする補助金の奪い合いの現状などの課題が出されました。また、地元農家の方からは、「担い手不足で放棄地が増えている」「農業振興地域での用途区分変更」「深刻化する鳥獣害対策」「兼業農家の不安」「異常気象による不作に対しての施策」など、多くの問題が提起され、活発な意見交換が行われました。

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