立憲民主党 内閣部門会議

 開催が1年半後に迫る大阪・関西万博の会場建設費がさらに500億円上振れし、最大2350億円に達する見通しとなった。当初計画は1250億円だったにもかかわらず、2020年に続く2回目の増額で、当初の1.9倍にも膨れ上がった。

 これについて、今年1月岡田幹事長が現地視察した際、「予算の範囲内で出来る」との明確な回答を同行した万博協会側から得ており、今回の増額は完全な約束違反と言わざるを得ない。協会の見通しの甘さを露呈したものとも言え、強く抗議する。

 そもそも、会場建設費は政府と大阪(府・市)、関西経済界が等分に負担することになっているが、周辺のインフラ整備に多額の公金が投じられている上、500億円のさらなる会場建設費の増額と、警備費の国庫負担(200億円とも言われる)に関して、国民負担の増大は納得いく説明がなされない限りまったく認められない。

 まずは、今回の増額が真に必要か否か徹底精査し、国民に分かりやすく説明すると共に、(目玉の「リング=大屋根」縮小など)様々な工夫をして、2005愛知万博で当初予算内におさめた例と同様にコストカットするよう最大限の努力を求める。

 また、協会の見通しの甘さは、万博の「華」である海外パビリオンの建設遅れでも露呈している。

 60の参加国が自前で建設する「タイプA」の着工は未だ皆無で、簡易型の「タイプX」への移行も進まない。「このままでは海外パビリオンの完成が間に合わない」との懸念が、去年秋の時点で建設業の業界団体から伝えられていたにもかかわらず、協会はこれを放置したまま、現在のような事態に至った。

 これに対して、協会や自民党内からも建設業に対する時間外労働の上限規制を適用しないよう求める意見が出ているが、人命軽視も甚だしく、全くの論外と言わざるを得ない。

 この他にも本博覧会を巡っては、目玉とも言える「空飛ぶクルマ」の大幅縮小や、軟弱地盤と高潮災害への懸念、さらには建設物の杭の撤去費用と跡地利用の問題や世論の関心の低さなど、数々の疑問が提起されている。
こうした状況を踏まえ、国、協会、大阪(府・市)においては、国民負担を増やさないとの前提のもと、全ての国民が納得できるものとなるよう責任をもって対処する事を求める。

以上

2025大阪万博に関する基本的考え方(2023年11月2日).pdf