岡田克也幹事長は11月14日、国会内で会見を開き、(1)細田前衆院議長の逝去(2)神田財務副大臣の辞任(3)給与法改正案――等について発言しました。

(1)細田前衆院議長の逝去
 10日に逝去した細田前衆院議長について、岡田幹事長は、「今までのご功績に対して敬意を払う。議長としては説明責任を果たして欲しかった」と述べました。

(2)神田財務副大臣の辞任
 神田財務副大臣の辞任について、岡田幹事長は「派閥の推薦に基づく機会的な配置だった。副大臣も政務官も非常に重要なので能力本位が良い。国政の停滞を招いた責任は岸田総理にある」と指摘しました。

(3)給与法改正案
 政府提出の特別職の給与法改正案が衆議院を通過したことについて、岡田幹事長は、「立憲民主党の修正案は成立には至らなかった。歳費として振り込まれる増額部分については、各議員から党に寄付をいただき、公益性のある団体に寄付したい」「自民党、公明党がどうするのか注視する」と述べました。


岡田克也幹事長記者会見

2023年11月14日(火)15時00分~15時24分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/RKJEnwpK5VE


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○細田前衆議院議長のご逝去について

【幹事長】
 きょうは常幹はございませんので、常幹の報告はありません。
 まずは、先ほど国会の正面前で、細田前議長のご遺体を乗せた車が通っていきました。それをお迎えさせていただいたところであります。
 細田さんは、平成2年、同期当選で、通産省では9年先輩ということです。それほど親しかったわけではありませんが、一緒に仕事をした記憶は、衆議院の選挙制度、定数削減の議論をしたときに、細田さんが自民党の代表で、私は代表を辞めた後だったのですが、民主党、民進党の、その代表として、あと維新の園田(博之)さんとかですね、かなり踏み込んだ議論をさせていただいたことを思い出します。結果的にはアダムズ方式の導入ということになったわけですが、細田さんは最後まで異論を唱えておられました。そういうものをしなくても一票の格差(是正)は確保できるという、そういうご持論でした。非常に懐かしく思っております。
 議長としては、さまざまな問題があり、もう少し説明責任を果たしていただきたかったという気持ちはありますが、いずれにしても、今までのご功績に対して心から敬意を表したいと思っております。

○神田財務副大臣の更迭について

【幹事長】
 神田財務副大臣については、もう結論が出ましたので、くどくは申し上げません。
 ただ、見ていて、やはり人選のところで、きちんとチェックできなかったのかということが一つ。派閥の推薦に基づく機械的な配置というようなことになっているのではないかと思います。もう少し、副大臣や政務官も非常に重要ですから、能力のある人は大臣に代わる活躍も期待できるわけなので、能力本位・実績本位で選ばれたほうがいいのではないかと思います。
 昔、小泉さんが総理になったときに、かなり思い切った大臣の人事をやりまして、そのときに私は予算委員会で、大臣の人事はともかくとして副大臣・政務官は順送りではないか、だから官邸主導といってもそれは大臣だけなのかというふうに予算委員会で質問しましたところ、小泉総理は、それは些事だからとおっしゃったのですね。副大臣や政務官の人事は些事だと、些細なことだと。私はかみついたわけですが。いつまでもそんな感覚でやっておられては困るというふうに思います。
 問題が発覚した後も必要以上に日数がかかっているということも非常に残念なことで、その間、国政の停滞を招いた責任は、やはり岸田総理にあると言わざるを得ないと思っております。

○給与法改正案について

【幹事長】
 それから、先ほど給与法、残念ながら私たちの案は成立には至りませんでした。
 代議士会でも申し上げたように、私たちは一旦そういう法案を出した以上、政府案が通ったとしても、私たちの歳費として振り込まれる増額部分については、たしか18万7630円、これについては各議員から党に寄附をいただいて、そして、また具体的にはこれから議論したいと思いますが、公益性のある団体に党として寄附をしたいと考えているところであります。自民党さんや公明党さんはどうするのかなと、興味を持って眺めているところであります。


■質疑

○神田財務副大臣の更迭について

【共同通信】
 冒頭あった神田前財務副大臣の件について。きょう本会議後に国会内で記者団の取材に答え、議員辞職については考えていないとお話しになった。議員辞職の必要性についてどうお考えか。

【幹事長】
 代表も既に発信していることだと思いますので、私がそれ以上に加えることは特にございません。
 ただ、まずはきちんと説明責任を果たすと。どういうことだったのかということもはっきりしませんから。それを果たしていただいた上で、例えば離党とか、議員辞職とか、いろいろな選択肢があるのだと思います。ご自身でまず考えていただきたいと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【NHK】
 2点あるが、まず1点目。けさ、連合の芳野会長と国民民主党の玉木代表が面会し、芳野会長から玉木代表に、よくコミュニケーションを取ってほしいと伝えたそうだ。次期衆院選や国会の運営をめぐり国民民主党とどう連携を図りたいか、党の考えを改めて伺いたい。

【幹事長】
 私たちの態度は一貫しています。野党各党としっかりと協議していきたいと思います。国会の運営など、特に国民民主党は、いろいろ玉木さんは言っておられますが、根っこは同じで、政策も大きな違いはないと思っておりますので、いろいろな意味で協力できるはずだと思っています。

○「内閣支持率」「大阪・関西万博(1)」について

【NHK】
 別件でもう一点伺いたい。各社の世論調査で内閣支持率が30%を切る結果も見えてきている。また、万博の建設費の上振れについても、多くの人が納得できないという声もある。この辺についての受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 万博の上振れに関しては、500億円を丸のみしてしまったわけですね。政府・与党、維新、大阪府・市。我々は全く納得できないと考えております。これからよく説明も聞いた上で、予算委員会でも議論していくことになると思います。
 それから、もうここまで来たらなかなか、物価・人件費が上がっていて変えられないという論理を展開されるのだと思いますが、それならば、ことしの1月にどうして見直さなかったのか。設計変更も含めてですね。もうここまで来るとなかなかそれはできないという説明をされるのであれば、では、どうしてできるときにやらなかったのかということはしっかりと聞いてみたいと思います。これは政府だけではなく、維新、あるいは大阪府・大阪市に対しても聞いてみたいと考えております。
 あと何でしたっけ。

【NHK】
 内閣支持率について。

【幹事長】
 私が何かコメントすることではないと思いますが、非常に大型の所得減税を言いながら、それが評価されていないというのは、異例のことですね。
 私は非常にほっとしているところがあります。つまり、国民の皆さんはやはり健全だと。ばらまけばいいというものではないと、やはり将来のことも考えて必要なところに必要な予算を投じるべきだけれども選挙目当てのばらまきは賛成できないと、そういうふうに多くの有権者は思っているからこそ減税に賛成していないし、内閣支持率は落ちているということだと思います。
 余りに国民・有権者を甘く見過ぎているのではないかと、岸田総理にはそう忠告しておきたいと思います。

○地方選挙の結果について(1)

【時事通信】
 週末の青梅市長選や、福島県議選、それ以外にも宮城県議選など、地方選挙で自民党が連敗している状況だ。今、内閣支持率についても言及いただいたが、自民党が連敗している選挙結果についての受け止めや、岸田政権の支持率が低い状況だが、背景・要因をどのようにお考えになっているかお願いしたい。

【幹事長】
 いずれにしろ東北は我が党も強いところで、福島も、公認では1人減ったのですが、会派を構成する議員という意味では現状維持できました。それに対して、自民党は減らしているということです。
 私も詳しく分析しているわけではありませんが、この前の補選、特に高知・徳島で、やはり無党派と言われる人たちが全く自民党に行っていないと。そういう傾向は今も続いているのではないかと思っています。

【時事通信】
 無党派が自民党に行っていないという要因については、どのように考えられているか。

【幹事長】
 先ほどの総理の振る舞いということではないでしょうか。

【時事通信】
 自民党に対するその厳しい見方が、地方各地にも広がっているという、そういうことでよろしいか。

【幹事長】
 現時点ではそういうことだと思います。

○大阪・関西万博について(2)

【共同通信】
 万博で関連して。きょう自見英子大臣が閣議後会見で、パビリオン出展を予定していたメキシコとエストニアが撤退するということを明らかにした。先ほどおっしゃったように整備費も1.9倍に膨れ上がっているという問題もある。弊社の世論調査も含め、開催には否定的な意見がやはり多いが、延期とか中止とか、その辺りの必要性についてどうお考えか。

【幹事長】
 ここまで来たときに、延期とか中止ということでは、これはやはり日本国として何しているのかと、信用問題にもなります。私は、予定どおり、しっかりやってもらいたいと思います。ただ、予定どおりというのは、予算も含めて予定どおりできちんと仕上げるということが、政府あるいは関係者の責任だと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【共同通信】
 別の話題だが、先週末、総理が年内の解散を見送るという報道が出て、その後、総理も事実上認めるような発言をした。これについての受け止めというか、解散しないというよりは、できない、先送りせざるを得なかったのかとか、その辺りも含めてご見解をお願いしたい。

【幹事長】
 私も事実関係をよく把握しておりません。むしろ皆さんのほうが詳しいかもしれません。解散見送りと一紙が書いたら、それはむしろ怪しいと思うべきだと思うのですね。ほとんど全てが見送りと書いたということは、一定のサインが官邸から明確な形で各紙に示されたのかなというふうに想像しますが、そうでないとああいうふうに書かないはずだと思うのですが、詳細は承知しておりません。
 総理もはっきりとは言っていません。したがって、絶対ないとは思っていません。かなり可能性が低くなったというふうには思っておりますが、最後の最後、油断しないようにしたいと思っています。

【共同通信】
 関連して。先日、泉代表が福岡県連大会で、150の選挙区で当然ながら小選挙区を狙いにいくという戦いをしておりますというふうに発言されている。これまで党の目標としては、擁立の目標は200議席を目指して頑張るというふうに、代表もことし5月くらいにおっしゃっていたと思うが、この衆院の見送りが濃厚になった、年内の解散の可能性が低くなったということも踏まえ、改めて擁立数の目標や獲得議席の目標をお願いしたい。

【幹事長】
 特に変わっていません。

○地方選挙の結果について(2)

【フリーランス】
 先ほど、ここ最近の地方の選挙について、無党派層が自民党に行っていないとおっしゃったが、例えば青梅では、自民党と公明党の推薦の現職は1万7000余り取っているが、2年前の衆議院選の比例では自民党だけでも2万余り票があり、公明党と合わせたら2万9000近くになるが、これに全然到達していない。2017年の衆議院選の比例を見ても、自民党は1万8000余り、1万9000近くだが、公明党は7000以上。2014年は、自民党は2万余り、公明党も今までと同じくらい取っている。かなり自民と公明の固定票が抜けているというような数字になっているが、無党派というよりも足元がいわば揺らいでいるのではないかという印象があるが、これについてどうお感じになっているか。それと、自民党・公明党支持層からの自民党離れということが、野党のほうにどういうふうに流れるのかというところをどう見ていらっしゃるか。

【幹事長】
 固定票とか無党派と言いますが、それは境目は非常に曖昧で、自民党固定票、もうこれは鉄板だというのが、どこまであるのかというのはわかりませんので。比例で自民党と言っている人がみんな自民党固定票というわけではなく、そのときに判断して無党派の人が自民党に入れている比例票もあるわけですから、あまり議論をするに足るだけのデータとは言えないと思います。
 それから、票が減っているということですが、それは投票率にもよるわけですから、一概に言えないのではないかと思っています。

○自民・杉田議員の発言について

【テレビ朝日】
 話題変わり、自民党の杉田議員の発言について話を伺いたい。杉田議員が出演したネット番組で、アイヌ文化振興事業団体の関係者の方に向け、公金チューチューとか、少しやゆをするような発言をしていた。以前もアイヌ民族の方や在日コリアンの方への発言等で注目を集めていたかと思うが、改めてこの点について幹事長の受け止めを教えていただきたい。

【幹事長】
 杉田議員自身、私は個々のことにコメントはいたしません。する必要もないと思います。
 ただ、杉田議員を比例で選んでいる自民党。どうするのか、よく自問自答していただきたいと思います。

【テレビ朝日】
 その自民党の党としての責任の所在というところについてはいかがお考えか。

【幹事長】
 ですから、自問自答すべきだと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(3)

【産経新聞】
 共産党について伺いたい。他党のことで恐縮だが、共産党が、自民・公明・維新・国民民主を念頭に、悪政4党連合などと言及している。これは以前から言及しているが、きょう玉木代表が連合の芳野会長との会談後の会見で、公党に対する名誉毀損だと、強い言葉で反発した。この悪政4党連合という表現も含め、幹事長はどのようにこの事態をご覧になっているかお聞きしたい。

【幹事長】
 ほかの党が何を言っているかは、いちいちコメントする必要はないと思います。玉木さんも、本当にそう思うなら、志位さんに言ったらいいんだと思うのですね。

【産経新聞】
 一点、関連して。こうした共産党に対して立憲民主党は挨拶回りで力合わせをするとお話しされていたと思うが、国民民主党の共産党への反発が強まる中で、共産との連携のあり方について、改めて幹事長の考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 共産党ということではなく、我々としては野党各党に対して、野党議席を最大化するために、連携し、力を合わせると。これが私たちの基本方針です。全く変わりません。

【産経新聞】
 確認だが、それは共産党も含めてという認識でよろしいか。

【幹事長】
 野党各党に対して、そういったことを申し上げております。

○大阪・関西万博について(3)

【フリーランス】
 万博建設費上振れに対して、身を切る改革を標榜している維新のツートップ、吉村知事・横山市長は縮小万博を政治決断しない。共に万博協会の副会長であるにもかかわらず、今までどおりの2度目の上振れを国民負担にしようとしている。この姿勢についてどうお考えか。

【幹事長】
 先ほど申し上げたとおりです。ですから、500億丸々というのは理解し難いこと。精査すると言われていたのです、この前まで。精査した結果、丸々認めることになりましたというならば、きちんと説明責任を果たしてもらいたいと思います。
 国民、そして大阪府・市の皆さんにとってはその倍、3分の1プラス3分の1の負担がかかってくるわけです。きちんと説明責任を果たすことが求められていると思います。

【フリーランス】
 350億円の大屋根リングについても無駄ではないかという声も強いが、吉村知事に聞いたら、これは日本の伝統的工法で、清水寺でも採用されている、釘を使わない工法だと意義を強調なさったが、であれば一部を残してほかは商店街のアーケードでもいいような気もするが、350億の大屋根リングさえ削減対象にしない、この維新の姿勢についてはどうお考えか。

【幹事長】
 具体的なことは私は申し上げませんが、いろいろな選択肢がまだ1月の段階であればあったと思います。それが、もういろいろなものが発注したり、できかけたりしてきて、それがしにくくなっていることは事実だと思います。だからこそ、(なぜ)もっと早く取りかからなかったのかと思います。
 もちろん、選挙も春にはあったので、そういうこともおもんぱかったのかもしれませんが、もっと早く対応していれば、いろいろな対応ができたはずだと思います。

【フリーランス】
 このままだと、維新は、身を切る改革を標榜する政党から、国民に身を切らせるばらまき政党に変貌するのではないかというような気もするが、岡田幹事長はどうご覧になっているか。

【幹事長】
 私が日曜日に産経新聞のインタビューに答えたとおりです。