衆院予算委員会で11月21日、「令和5年度一般会計補正予算」について基本的質疑が行われ、泉健太代表が政府の経済対策の問題点をただし、立憲民主党の緊急経済対策の実効性を訴えました。

 泉代表は、政府の経済対策が掲げる「減税」について、本来であれば国民が喜ぶはずであるのに支持率が低下していると述べ、「国民はすぐに選挙対策と見破った」と指摘しました。

 また、今年の食品の値上げ品目数をパネルで示しながら、「毎月約1000品目値上げしている状況なのに、総理は何もしなかった。すぐに動けば今年中に給付が可能だった」と政府の対応の出遅れを批判しました。
 岸田総理は「物価高騰対策、昨年来、再々にわたってさまざまな措置を繰り返し行ってきた」と答弁しましたが、泉代表は「総理の主張と国民の感覚にずれがある」と改めて指摘しました。

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 泉代表は「いくつもの措置があるのに、なぜ所得減税を選んだのか」「増税イメージを払拭するくらいしか思い浮かばない」と述べて、「即効性で言えば給付の方が早い」と、立憲民主党の基本的な考え方を説明しました。
 岸田総理は、政府はさまざまな給付を行ってきたと答弁しましたが、泉代表は、給付の対象が狭い、遅い点等、政府の問題点を指摘しました。

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 泉代表は、立憲民主党の経済対策に盛り込んでいる「インフレ手当3万円給付」について、対象は全世帯の6割、ワーキングプア層も含まれ広い等、立憲民主党対策の実効性を訴えました。

 また、総理が主張する「デフレ脱却」について、泉代表は「消費者物価指数は連続上がり続け、これだけ物価があがっていてデフレだと国民は思っているのか」と指摘し、必要を超えた大規模な財政出動はかえって「さらなる物価高を招くのではないか」と懸念を述べました。

 泉代表は、立憲民主党の考え方として、「今必要なのは、生活費で足りない分の補てん」「経済対策の規模については、物価をことさらに上げないために必要なところにお金を届け、ばらまきはしない」「インボイスを廃止し、中小企業を応援する」「トリガー条項の凍結を解除をする」「介護職職員等の給与を月1万円増額する」と述べて、「自分の給料の額面が上がる以上に現場で働く国民の給料を上げる」べき等、立憲民主党が提案した緊急経済対策の実現を訴えました。

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 予算委員会の質疑終了後に記者団の質問に答えた泉代表は、「経済対策は遅い。動いているように見えてやったふりと言うものが多いと実感した。経済対策については、われわれと方向性が違っている。(補正予算の)規模は17兆円前半だが、基金は膨らみ、予備費も巨額で何に使うか分からない。総理と国民感覚とのズレがより明確になった」と、厳しく指摘しました。

 さらに、アベノミクスの影響からいまだに脱却できていないとして、「国民が抱えている経済状況とズレが生じている。これだけ物価の上昇が続いている局面を、いまだにデフレ脱却と言い続ける矛盾が明らかになった」と述べました。