参院本会議で12月13日、「国立大学法人法の一部を改正する法律案」に対して、古賀千景議員が反対討論を行いました。
冒頭、松野官房長官、西村経産大臣、高木衆議院国対委員長、萩生田自民党政調会長、世耕参議院幹事長と政府与党の幹部が揃って裏金疑惑が報じられたことに触れ、「やましいことがないのであれば、正々堂々と説明責任を果たし、事実をしっかりと述べた上で自ら責任を取るのが筋」と批判しました。
古賀議員は、本法案について「法案作成プロセスが不透明な上、改正内容も学問の自由や大学の自治を揺るがしかねない。非常に問題が多い」と指摘しました。
昨日、高橋文科委員長が与野党の筆頭理事の合意なしに、委員会開催を職権で決め採決も強行したこと、与野党ともに十分な質疑時間には達していないこと、一方的かつ強引な委員会運営等を指摘し、「大変遺憾」「強く抗議」すると述べました。
古賀議員は、本法律案をこのまま拙速に成立させることに反対する理由として以下の点を列挙しました。
(1)不透明な法案作成プロセスをあげ、本法案において新設される「運営方針会議」を設置する大学について、これまで繰り返されてきた政府側の説明とは大きく異なる方針転換がなされ対象が拡大されたことを指摘しました。
(2)拙速な法案成立に向けた動きとして、十分な議論が尽くされないまま、本法案を拙速に成立させようとする政府・与党の姿勢に対して「大変問題」と懸念を表明しました。
(3)運営方針委員の任命における文部科学大臣の承認について、古賀議員は「現場の教職員や学生を含む、多くの大学関係者や国民からは、学問の自由や大学の自治を揺るがしかねないとの懸念が数多く示されている」と述べました。
「政府には、日本学術会議の会員任命拒否問題という、悪しき前例がある」と強い懸念を表しました。
(4)改正案の問題点として教職員や学生の意見を反映させる仕組みの不在も挙げました。
政府は、学外のステークホルダーとの関係の重要性を指摘している点について、古賀議員は「むしろ大学にとって最も重要なステークホルダーは、現場の教職員や学生」と指摘し、「誰よりも大学の教育研究活動の充実を真剣に考えている、現場の教職員や学生の意見を大学の意思決定に反映させるボトムアップの仕組みこそ、真に必要なもの」と訴えました。
最後に古賀議員は「私たちには、現在と将来の世代に対する責任がある」「将来にわたって学問の自由や大学の自治を尊重していくためにも、本法案を廃案にすべき」と強く訴えました。