参院本会議で12月13日、旧統一教会の被害者救済の法案をめぐり、自民・公明、国民民主の3党提出の「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律案(被害者救済法修正案)」の賛成討論を牧山ひろえ議員が行いました。討論後、賛成多数で本法案は成立しました。
牧山議員は、賛成討論にあたり、本法案が法律トラブルの相談窓口である法テラスを通じた民事訴訟の支援体制を強化する内容で、個人が訴訟等を起こすことを前提とした本法案のリスクについて述べました。「個人で戦うには到底太刀打ちできない組織」「実名で抗議すれば命さえも危険にさらされる」などの被害者の声を引用し、「民事は当事者主義が原則だが、社会的力関係にこれほど大きな差異があるケースにまで原則に固執するのは、『あしき当事者主義』」と指摘しました。
また、衆院で法案の附則の検討事項に、施行後3年を目途として財産保全の在り方も含め、検討を加える旨を定めるなどの修正が行われたことで可決し、参院に送付されたことについて、牧山議員は「施行後3年を目途として」とは、3年が経過したころを意味するのでは意味がないとして、法務委員会において会派で指摘したことを述べました。その後、全会派から賛同があり、本法案の附帯決議に「具体的に検討するべき課題が生じた場合においては、3年を待たずに、宗教の事由に十分配慮しつつ、解散命令請求等に係る対象宗教法人に関する財産保全の在り方を含め検討を行うこと」が含まれたとしました。そのうえで、現行の民事保全手続等では十分な救済が図られない場合は、私たちが提起している包括保全も含め、財産保全の方法について直ちに検討していただきたい」と主張しました。
最後にあらためて、本法案の重要性は理解をするものの、立憲民主党と維新の会が提出し、衆院で否決された解散命令請求等がなされた宗教法人による財産の隠匿や散逸を防ぐための財産保全法案について、排他的に対立するものではなく、実効性を高めるものであるとし、両案成立を働きかけたが、受け入れられなかったことが「極めて残念」と述べました。一方で、本法案成立が、被害者救済のゴールではなく、スタートだとして、「われわれ国会および政府が立場の違いを超えて、しっかり向き合い、被害者の救済に取り組んでいくことが重要」「私どもはその覚悟がある」と力を込めました。