参院予算委員会で1月24日、令和6年能登半島地震等に関する集中審議が開かれ、杉尾秀哉、打越さく良の両議員が質疑に立ちました。
■杉尾秀哉参院議員
冒頭に杉尾議員は、末松信介参院予算委員長が自民党派閥の政治資金問題を受け、辞任表明をしたことについて、「極めて遺憾であり重大な問題」とし、岸田総理に見解を問いました。岸田総理は「自民党に対して国民から厳しい目が注がれていることを深刻に受け止め、国民にお詫びしたい。委員会の運営にも影響が出ることを重く受け止めなければならない」と答えました。
次に杉尾議員は、防災研究の第一人者である神戸大学の室﨑益輝名誉教授が、能登半島地震発災直後に国や県が震災を過小評価し、自衛隊派遣が遅れた上に、派遣規模も少数にとどまったことについて、人災の要素があると指摘した点について、岸田総理に見解をただしました。総理は「直後から情報収集に努め、人命救助、支援物資の輸送等も即座に取りかかり、地理的な制約の中で初動に遅れがあったとは言えない」と答えました。また、木原稔防衛大臣が14日に初めて現地視察(上空)を行ったことについて、「映像を通しただけではわからないこともある」と政府の姿勢を問題視しました。
杉尾議員はその他、「避難所の環境改善」「インフラ復旧の遅れ」「深刻なトイレ問題への対応」「北陸地方整備局『啓開計画』の未策定」等について政府へ質問をし、最後に能登半島の創造的復興をどのように考えるのかを総理に問いました。「まずは人命救助に専念し、避難所への物資の支援・環境改善と二次避難への促進などの取り組みを進めている。その上で生業・生活の再建にパッケージを用意したい」「地元の意向も踏まえ国としてバックアップしていきたい」と総理は述べました。
■打越さく良参院議員
打越議員は冒頭、岸田政権が昨年末に閣議決定した来年度予算案に関し、能登半島地震を受け、1月16日に国会審議をせずに使途を限定しない予備費を5000億円を積み増した決定を問題視。本来は迅速に本年度の第2次補正予算案を編成すべきとした上で、それが困難であればせめて予備費を積み増すという「奇策」ではなく、財政民主主義の観点から「復旧復興のための具体的な事業をきめ細やかに盛りこんだ」来年度の補正予算案を編成すべきだと強調しました。
また、国からの支援規模が分からないと被災自治体が「復旧復興の着工を躊躇してしまう」として、東日本大震災の際に創設された省庁を横断する事業に国が交付金を交付する「復興交付金」を提案しました。これに対し岸田総理は、「検討が必要である」と述べるにとどめました。
さらに打越議員は、地元の新潟市西区や石川県内灘町を視察したことも踏まえ、液状化の被害については災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の対象拡大や限度額の引き上げ、国交省の宅地液状化防止事業の柔軟な運用で対応することを提案しました。
その上で、視察で出会った被災者に総理に伝えたいことを聞いたところ、答えは「水、水、水」だったとして、「年度内の水道復旧」を求めました。