衆院予算委員会で2月26日、集中審議が行われ、野田佳彦、近藤和也、山田勝彦各議員が質疑を行いました。

■野田佳彦議員

 野田議員は「今回の裏金疑惑では立法府に属するメンバー80名が裏金を受け取っており、立法府の存在意義が問われている。法を作る者が法を犯せば、民主主義の危機を招く」と事態の深刻さを指摘しました。30年前のリクルート事件を契機に作られた「政治改革大綱」に言及し、同大綱に違反して岸田総理が総理になっても派閥を離脱しなかった理由を問いました。
 岸田総理は、30年前の政治改革について「派閥のあり様が変わったが、資金、人事が派閥から切り離されなかった点」を反省すべきと述べました。

 野田議員は、政治大綱と大臣規範に違反して、岸田総理が総理就任後に頻繁に政治資金パーティを開催してきた理由を問いました。岸田総理は「『国民の疑惑を招きかねない』とは言えないと判断したため」と答えました。野田議員は、2022年6月に開催された広島での総理就任の祝賀会について、「主催が任意団体だから政治資金収支報告書に記入しなかった」との岸田総理の答弁を挙げ、「政治資金パーティー、企業団体献金をいくら禁止しても、任意団体がやりましたと言って寄付をもらえば、事実上許されてしまう」と指摘し、「抜け穴づくりの先頭に立つのか」と岸田総理を批判しました。

 岸田総理が自民党政治刷新本部長を務めていることについて、野田議員は「大臣規範は守らない。政治大綱も守らない。そんな人が政治改革の先頭に立てるのか」と、岸田総理に本部長を辞めるよう求めました。

 野田議員は、政治倫理審査会について、出席者が裏金議員51名のうち5名に過ぎないこと、非公開で行われることを指摘し、「誰もいないところでつぶやいたことが説明責任を果たしたことになるのか」として、あらためて「完全公開」を求めました。岸田総理は「適切に国会で判断すること」と述べました。これに対して、野田議員は「公明党も公開することに賛成している。非公開は自民党だけ。自民党に公開するように指示をすべきだ」と岸田総理に迫りました。

 野田議員は、政治資金収支報告書を「使途不明」のオンパレードで修正している裏金議員がいることを指摘し、「説明できないお金が残っていたら納税の姿勢を示さないと国民の不信をぬぐえない」と述べ、岸田総理に納税の指示を出すよう求めました。しかし、岸田総理は「政治資金か議員個人のお金か把握していない。課税については法律に従って対応すべき」と述べるにとどまりました。

 野田議員は、自民党の政治とカネ問題に関して、自民党の動きが「遅くて、的はずれだ」「議論が進まないのは自民党のせい」と批判し、政治改革について「早く与野党協議をして進めるべきだ」と訴えました。

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■近藤和也議員

 令和6年能登半島地震の被災地が選挙区の近藤議員は、立憲民主党が21日に政府に対し行った「『令和6年能登半島地震』に関する第3次申し入れ」を踏まえて質問。発災から2カ月が経ったが、いまだに集落につながる唯一の道路が開通していない地域があるとして、復興に向け「スピードアップしてほしいというのが被災者の声だ」と強調。その上で、東日本大震災などの教訓を活かし、復興基金を設置すべきと岸田総理に要求しましたが、明確な答弁はありませんでした。

 また近藤議員は、岸田総理が表明した「能登地域6市町への交付金制度」を疑問視。同制度は、高齢者等のいる世帯等に限定し、能登6市町を対象にしているため、液状化の被害などがあった内灘町などは「対象ではないのか」と近藤議員はくり返しただしましたが、岸田総理から明確な答弁はありませんでした。近藤議員は、「(年齢や所得状況など)細かい要件」を設けることは、「現場も混乱し、むしろスピードアップに反する」と指摘しました。

 さらに近藤議員は、被災された方が能登地域で今後も暮らしていくために、公費解体の対象を半壊以下の家屋にも対象拡大すべきと求めました。しかし岸田総理の答弁は「ゼロ回答に近い」として近藤議員は、「高齢化という点では能登は最先端であり、今回の震災を乗り越えれば全国の方々の希望になる」と訴えました。

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■山田勝彦議員

 山田議員はまず、離島支援法の対象となる島の支援対策について、政府の見解を求めました。山田議員は、令和4年度の離島振興予算が約370億円と、20年前に比べて約70%も削減されていることを指摘した上で、「全国の島民の願いは離島航路の低料金化だ」と述べました。例としてフランスでは離島航路のすべての往来が鉄道運賃並みの料金設定であることを挙げ、日本は国土連続性交付金の導入により、町民限定で離島航路のJR運賃並みの低料金化が実現しているが、島内消費を促すために観光客も対象にするべきだと、岸田総理に提案しました。岸田総理は「観光客の往来は自然文化等を生かした観光コンテンツ作り支援などを通じて離島への来訪を促し、離島の活性化に取り組んでいる」「離島振興事業費が特に落ち込んだのは民主党政権時代。自民党が政権に復帰した平成24年度以降の事業費は回復し安定的に推移している」と答弁しました。山田議員は「つまり離島航路の低料金化を島民以外は対象にする気がないという答弁に聞き取れた」と返し、離島振興予算削減が主に民主党政権下で行われたかのような発言については「20年間の大半は自民党政権下で行われた。まったくもって総理の指摘は当たらない」と指摘しましたが、岸田総理は「令和4年度は当初予算に補正予算124億円が加わり490億円となる。自民党政権に入り予算が下がっているといった指摘は当たらない」と答えました。

 次に、島の物価高対策について質問。本土に比べ物価が10%から30%高いとされる島の物価対策として、ヨーロッパの多くが取り入れている島の消費税減税を実現するべきと岸田総理に提案しました。岸田総理は「離島振興法に基づく公共事業の補助率のかさ上げ、離島活性化交付金、所得税や法人税の割増償却を講じている。消費税は事業者が離島地域とそれ以外の地域での取引を区分して経理する必要性や事務当局の事務コストが発生し、特例を設けることは現実的に困難」と答えました。山田議員は「自民党に献金する力のある大企業にはさまざまな優遇税制が実行されている」「提案に反対するだけではなく、島のための具体的な物価高対策を実行してほしい」と訴えました。

 山田議員はその他、「食料安全保障」「食料・農業・農村基本法」に関する質問も行いました。

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