衆院政治倫理審査会(政倫審)が2月29日に開催され、自民党の裏金問題について野田佳彦議員は岸田総理に対して、寺田学議員は武田良太議員に対して質疑を行いました。

◆岸田総理に対する野田佳彦議員の質疑

 冒頭、野田議員は「疑惑をもたれた議員の弁明をする場に内閣総理大臣が出席していることに強烈な違和感がある。悲しい気持ちを感じる」と述べました。

 岸田総理の「与野党の駆け引きの中で政倫審の見通しがたたなかった」との発言に対して、「与野党の駆け引き」ではなく、「自民党の中の身内同士の駆け引きがあった。開催、公開するかどうかをめぐって迷走した。自民党のガバナンスの問題。総理の指導力の問題だ」と指摘しました。
 岸田総理は、政倫審への出席は「本人の意思を尊重する」と規則に書かれているので、「指示や命令するものではない」と述べました。

 また、野田議員は「そろそろ党の処分も考える時期にきている」として総理の認識を問いました。「今、党として、このさまざまな実態把握に努めている。事実の状況も踏まえて、党として処分をはじめとする政治責任を判断する」と時期については言及しませんでした。

 岸田総理が2022年に7回もパーティを開催してきた件について、野田議員は、これまでの予算委員会のやり取りを見ても、「総理が全く反省していない」「異常」と批判しました。岸田総理は、「総理就任前からの勉強会を続けているだけ」とこれまでの答弁を繰り返しました。

 野田議員は、「2022年4月には3回もパーティを開催している。2月にウクライナ、20年ぶりの円安。遊覧船の沈没事故等大変な時期だった」と指摘し、「岸田総理には、内なる規範はないのか」と問いました。

 野田議員は、「内閣総理大臣としては政治資金パーティーをやらないと明言」するよう求めました。岸田総理は何度か問われる中でやっと「在任中はやることはないと考えている」と述べ、最終的には開催しない旨を答えました。

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◆武田議員に対する寺田学議員の質疑

 寺田議員は冒頭、同審査会の筆頭理事の立場から、長い時間と複数回にわたる交渉の末、公開での開催になったことに「大きく疑義をかけられたことに関して国民の前に直接説明ができないのかということ自体、政治に関わる者の一人として情けなく反省の気持ちを持っている」と発言。

 その上で、(1)二階派のパーティーの販売ノルマを決めていたのは誰か(2)二階派の幹部の収支報告書だけに記載ミスがあるのはなぜか――等について質問しました。

 武田議員は、ノルマについて「25年という歴史の中で伝統的に行われていたのか、誰が決めたのか、全て25年前から実務を担当している事務局長に委ねて起こった。われわれはその流れに従ってきたというのが正直なところ。刑事訴追を受けているために直接本人から聞くことはかなわない」と答弁。二階会長を含め事務局長以外は把握していないと述べました。

 5年間で1926万円、3年間で約1200万円程度収支報告書での虚偽記載があった武田議員をはじめ、今回二階派で毎年記載にミスがあり訂正があったのは、なぜか会長や会長代行、事務総長といった幹部経験者のみであることについては、「幹部だけで打ち合わせをすることは一切なく、裏金づくりなどは毛頭考えていない」とした上で、自身についてはあくまでも秘書の事務的なミスだと強調しました。

 寺田議員は、武田議員以外の二階派幹部についても本人からしかるべき場所で説明をするように求めました。

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