参院本会議で「所得税法等改正案」について趣旨説明が行われ、熊谷裕人議員が(1)所得税の定額減税(2)賃上げ促進税制――等について質問しました。

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(1)所得税の定額減税

 熊谷議員は、政府が打ち出した定額減税について「26 年ぶりとなる半ば封印されていた古い手法。四半世紀以上も採用されてこなかった理由の一つには、事務負担が非常に煩雑であり、今回は、給付金も組み合わせることとしているため、制度全体としても非常に複雑なものとなっている。コロナ禍での特別定額給付金など、それなりに実績のある手法である給付金の方が負担が軽い」「打ち出した防衛増税に、国民から予想以上に反発があり、政府税制調査会の答申がサラリーマン増税だと多方面から指摘され、岸田総理が自身にまとわりついた増税イメージをなんとか払拭したいがために、複雑かつ負担がかかるものかを度外視した減税ありきの発想。筋の通った理念など全くない」と政府の姿勢を批判しました。

 (2)賃上げ促進税制 

 本法律案の賃上げ促進税制の強化について、熊谷議員は「政府はこの税制がこれまで企業に幅広く活用されてきたと自画自賛しているが、実際に企業が賃上げを行うインセンティブになったと断言することはできるのか」と疑問視しました。「物価高に対応するために賃金を上げたところ、図らずも本税制の要件を満たすことになったので、結果的に本税制の適用が可能になったというのが現実 かもしれない」と述べましたが、鈴木財務大臣はあくまでも「幅広い企業の賃上げに利用されている。一定の効果があった」と答弁しました。

 熊谷議員は、その他(3)戦略分野国内生産促進税制の創設(4)法人税(5)財源余力――等について質問しました。

 最後に熊谷議員は「今まさに所得税の確定申告期間」「多くの自民党議員は、政治資金収支報告書を修正しているものの支出については『不明』や領収証の裏付けがない修正報告のオンパレードで、確定申告している皆さんからは『納税がばからしくなる』といった不満の声が非常に高くなっている」と指摘し、「不明や領収証の裏付けがない修正について税務調査を行う」よう強く求めました。