衆院本会議で4月2日、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」に対する趣旨説明が行われ、岡本あき子議員が代表質問を行いました。
岡本議員は冒頭、自民党の裏金問題をめぐり、昨日1日が消費税等の確定申告の期限だったことに触れ、「国民は増税、自民は脱税」、多く納税者の怒りが沸騰していると強調しました。国民の信頼を裏切った裏金議員の処分について、世論調査でも8割以上が「厳しい処分」を求めているとし、安倍派のキックバック復活に何らかの影響力を持っていた可能性が浮上した森元総理や安部派幹部に、あらためて国会の証人喚問に応じるよう強く求めました。
その上で、本改正案の財源について、裏金のごまかしと同様に、さまざまなごまかしがあるとし、岸田総理が「税ではなく国民保険料」と繰り返し、国民に負担が少ないかのようにみせる総理のごまかしの姿勢を批判しました。
まず、岸田総理が加入者1人あたりの保険料にこだわるのは、保険料を払っていない子どもまで分母に入れて計算していると指摘し、岸田総理に、すべての保険料負担者が自分の負担額がわかるように保険種類ごとにおおよその所得階層別の負担額を示してもらうよう求めました。
次に、岸田総理が今国会での施政方針演説などの場で、子ども未来戦略の「加速化プラン3.6兆円」規模について、「日本の子ども1人あたりの家族関係費出が対GDP比で16%、OECD(経済協力開発機構)トップのスウェーデンに達する水準」と発言したことを取り上げ、少子化が進むほど数字が高くなるといった国際比較に使われたことのない、こども家庭庁が独自に作った指標を用いているとして、「印象操作」だと政府の姿勢を問題視しました。
さらに岡本議員は、健康保険法の給付対象に「子育て」が入っていないにもかかわらず、健康保険法に位置付けるのは無理があると指摘した上で、健康保険法について「特別の給付目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかにかかわらず、憲法第84条に規定する租税に当たるというべきである」とした2006年の最高裁判決の例を挙げ、「子育て支援の負担金は、まさにこの判決に当てはまり、保険料ではなく、租税にあたるのではないか」と岸田総理に迫りました。
岸田総理は「少子化人口減少に歯止めをかけることにより医療保険制度の持続可能性を高め、その存立基盤に重要な受益ともなるもの。保険料の目的外使用との指摘は当たらない」「現行の医療保険制度においても給付と負担の関係はさまざまである中、反対給付性については保険料の一部を取り出して判断されるのではなく保険料全体として判断されるものであると考えている。このための支援金制度の導入により医療保険の保険料全体としての反対給付性が失われるものではなく、支援金は租税にはあたらない」と述べ、岡本議員からの指摘を否定しました。
子ども・子育て支援制度の中身については、立憲民主党が早期から求めていることが盛り込まれているとし、(1)伴奏型支援における「子育てケアマネージャー」の創設(2)誰でも通園制度に、0歳から2歳の医療ケア児や障がいがある子どもを含めたすべての子どもが通えることを保証(3)受け皿となる保育士廃止基準の抜本的な見直し――等、提案と速やかな実施について岸田総理に要望しました。
最後に岡本議員は、「若者にとっては物価高に負けない可処分所得のアップが何よりも重要。今回の法案では社会保険料負担のしわ寄せがじわじわと実感され、結局可処分所得が減るのではという不安を払拭することはできない。チルドレンファーストは、私たち立憲民主党が一貫して主張している。子ども・若者が、経済的に安定し、結婚や子どもをもつ・もたない、それぞれの希望を叶えられるよう支える」と訴え、質問を締めくくりました。
「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」岡本あき子20240402.pdf