泉健太代表は4月12日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)日米首脳会談(2)衆院補欠選挙(3)政治改革特別委員会の設置――等について発言しました。

 日米首脳会談について泉代表は、「(岸田総理の訪米には)敬意を表する。わが国にとって日米関係は非常に重要であり、全力で対米関係を作っていくことは当然のこと。岸田総理の米上下両院での演説は良く作られていた。日本外交の総合力が発揮されたのではないか」と評価する一方で、懸念点として、「防衛分野において日米間の『指揮・統制のシームレスな統合』とあるが、日本国の外交・安保戦略、自衛隊の独自性が確保されるのか」「防衛費の拡充が急すぎること」「日本政府として米国政府にしっかりとものを言う姿勢を持てるのか」などを挙げました。

 衆院補欠選挙について、「いよいよ来週から3つの補欠選挙がスタートする。特に東京15区について、各候補は自らの立ち位置(自民党の裏金についての是非、自民党から推薦を受けるのかどうか)を明確にしてもらいたい。この補欠選挙は、これまでの自民党の裏金問題に対する対応の是非、政治改革に向けての国民の意思が問われる」と述べました。

 政治改革特別委員会の設置について泉代表は、「そもそもこの特別委員会が設置されるまでに、自民党による裏金問題の真相解明、国民が納得する処分がなされていれば、この特別委員会で真相解明などをする必要はなかった」と突き放しました。


泉健太代表記者会見

2024年4月12日(金)10時30分~11時21分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/boa-acamsE0


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○日米首脳会談について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、今、岸田総理、日米首脳会談や共同声明ということで外交をされてまいりました。このことについては敬意を表します。
 我が国にとってアメリカとの関係は非常に重要でありますし、これは総理が誰であっても我が国として全力でアメリカとの関係について体制をつくっていくというのは当然のことでありますので、私も総理のスピーチなどを、上下両院での演説などを見ていて、よくつくられたスピーチだなと思いました。
 一方でというか、総理の余計な発言は除いてもよかったかなと思いますね。それは例えば、「日本の国会では、これほどすてきな拍手を受けたことがない」と。それはそうでしょうと。それは自業自得ですからね。総理自身が国内政治において国民を無視し、そして、自民党自身の腐った状態を変えられないわけですから、それは国会で拍手を受けるわけがないわけでありまして、ここは自ら反省をしてもらいたいという話です。
 あと、奥さんの裕子さんを選ばれたのは間違いではないと思いますが、だからといって総理の決断全てが正しいと自ら言っては駄目でして、総理の決断は全然正しくないわけですから、そこは分けて考えてもらわなければいけないと思います。
 そういう余計な総理のエピソードというかスピーチを除けば、日本外交としての、これは首相官邸ですとか外務省ですとか大使館、その総合力ということであると思います。そういったものは私は発揮されたのではないかと考えています。
 懸念点としては、まず一つは、日米の特に防衛分野においては今後統合がより一層進んでいくということで、指揮統制の「シームレスな統合」という表現が使われていましたが、この指揮統制のシームレスということでいうと、一方では日本国の外交・安全保障戦略、あるいは自衛隊の独自性、自主的な判断、まさに自衛隊自身の指揮統制ということについてはきちんと確保されるのかということの懸念。これはかなり大きいものがありますので、引き続き、もちろん連携は必要だけれども、日本としての主張なり日本としての判断というものが主体的に行えるのかどうか、そこはこれからもチェックをしていかねばならないと考えています。
 また、2点目は、総理も触れられていましたが、やはりこの防衛費の拡充・増額ということについて、余りにも急過ぎるということの懸念です。従来から話をしているように、NATOでも防衛費GDP比2%というのは10年かけても3分の1の国しか達成できていないものでありますから、ここを日本は5年でやろうとしているというのはかなり無理がかかっているということであります。もちろん自衛隊の現場に対するさまざまな無理、混乱というのもあるでしょうし、国家予算そのものも、これは子育て支援だとか、あるいは教育だとか、他分野に予算をつけなければならない、農業もそうですが、そういうものが随分と防衛費偏重になっているということが今後数年間もまだ続いていきますから、そういったものの懸念というものがあります。
 三つ目は、やはり今、国際社会、価値観が多様化していますので、民主主義先進国のみで世界をリードできるわけではないという状況の中で、ガザへの対応ですとか、あるいは地球温暖化対策に対する対応ですとか、そういうものでアメリカと日本がただ常に同じ行動を取ればよいということではなく、日本のまさに外交の独自性、こういうことも発揮するということがあるべきだと考えますから、加えて言えば日米地位協定ですとかPFASの問題もそうですが、日本政府としてアメリカに物を言うときには物を言うという姿勢をしっかりと持っていくということが重要であろうと考えております。

○衆院補選に向けた取組について

【代表】
 いよいよ来週から衆議院補欠選挙、三つスタートするということになります。さまざまな判断もしていく中で、私も三つの選挙区のどこかには初日入ろうと思っていますし、それ以前にもまた各地の応援にも入ろうと思っております。
 特に東京15区は、改めてですが、他の候補がどの立ち位置でこの選挙戦に臨むのかというのはぜひ明確にしていただきたいですね。今の自民党に対して、この裏金に対して、是か非か。自民党をサポートするのか、しないのか。推薦を受けるのか、受けないのか。こういうことについて、はっきり主張していただきたい。そこを曖昧にしたまま反与党候補のような振る舞いで選挙戦をやり過ごして、そして、勝った後に結局野党とは違うスタンスで、自民党に対して物を言わないということでは、これは話にならないと思っております。
 この選挙というのは、このタイミングで行われる補欠選挙というのは、これまでの自民党の裏金問題に対する対応の是非が問われる、そして、政治改革に向けての国民の皆様の意思が問われるという選挙になることは間違いありません。その意味で、私たちはこの三つの補欠選挙で、まず裏金問題に国民が審判を下すということ。そして、来るべき政治改革特別委員会においての議論も含めて、今後はやはり自民党の議員たちが喜ぶような政治改革案にしてはいけないということを、国民の声で、選挙区の有権者の皆さんの声で示していただくと。これがとにかく重要であると考えておりますので、そういった戦いに向けて我々も進んでいきたいと思っております。

○裏金問題 政治改革特別委員会について

【代表】
 政治改革特別委員会ですね。
 この政治改革特別委員会が追及になじまないとか、そぐわないですか、自民党からそういう発言があったりしているようですが、これはそもそも、この特別委員会が設置される前までにきちんとした真相の解明が行われて、そして、きちんとした国民が納得する処分が行われていれば、政治改革特別委員会というのは何も今更真相追求・究明をするということは必要ないわけなのですが、とにかく自民党の側が、こうした裏金問題の真相の解明、また処分、ぐだぐだですから、そうなったらこの特別委員会にも持ち込まれざるを得ないですね。
 この環境をつくっているのは自民党だということを彼らには言ってやりたい。そういうことだと考えております。


■質疑

○民法改正案 共同親権めぐる議論について

【日本テレビ】
 共同親権の導入をめぐる民法改正案について伺いたい。たった今、衆議院の法務委員会で議論がされていて、きょうにも採決される見込みということだが、これは自民・公明・立憲民主党・日本維新の会で修正案が議論されると聞いているが、その立憲民主党内でもさまざまな議論があったと聞いている。その修正案についての代表の評価を伺いたい。

【代表】
 この共同親権の問題は、本当にその家庭一つ一つというか、その当事者一例一例によって事情が随分異なる課題です。中には本当にうまく共同親権でやっていけるケースもあれば、今から共同親権となると相当な困難が生じるのではないかと、そういう懸念を持つケースもたくさんあって、慎重に慎重に私たちは、一律単に共同親権ということではなく、子どもの福祉、今養育をしている家庭におけるその養育の安定性や継続性、こういうことも考えねばならないということで、立憲民主党は慎重にこの議論に対応してきました。
 委員会でも枝野前代表を初めさまざま議論をさせていただいて、例えば、以前夫婦であったもう片方の親に対して何をどこまで確認せねばならないのか。その子どもの養育をめぐってですね。進学ですとか、医療ですとか、さまざまな点がある。そういうことについての確認ですとかをさせていただいて、そして、我々として与党に対して論点を示して修正を要求してまいりました。
 例えば、修正の項目ということについては、離婚後の父母双方が親権者となる場合における監護者の定めの義務づけとか、父母双方の合意がない場合には共同親権は認めないこととか、そして、もし親権者を変更するとなる場合の厳格化。やはりここに継続性・安定性をきちんと確保しようだとか、あるいは、裁判所が意見聴取をそれぞれからするわけですね、両方の親と子どもとするわけなのですが、そこにおいて本当に真意というものが聴取できるように、それぞれの意思の考慮ということが丁寧に行われるようにということを言ってまいりました。
 また、共同親権が原則でないということの明確化。これは政府も原則ではないと言っているのですが、そこが明確にできるのであれば、しっかりと文言として明確にしてもらいたいというようなことですね。
 そういったことを含めて我々として修正を求めて、そして、与党の側からも打ち返しがあって、三つ大きくあるのですが、この修正、附則の中に、監護に関する定めの広報啓発。特に「子の監護について必要な事項を定めることの重要性についての父母の理解と関心を深める」ということで、この「重要性についての父母の理解と関心を深める」ということについての附則を一つ設けたということです。
 もう一つは、国民にしっかりとこうした改正の中身の周知です。先ほど言ったように、どこまでが単独の親で判断できるのか、どこまでが両方の親の判断を求めねばならないのかというところの、「急迫の事情」があった場合には単独で判断できるというのがあるのですが、その「急迫の事情」とはどういうものなのかとか、「監護及び教育に関する日常の行為」などについて周知を図る。これが2点目です。
 そして、今後検討ということで、「父母の双方の真意」によって親権者が定められるかどうかという、この「真意」という言葉を明確にこの附則の中に入れることで、より慎重に判断をしていくというようなところを盛り込ませていただきました。
 そういったことを我々からは要求をして、今まさに最終最後の議論になっているというような状況でありまして、こうしたものが、今、直近、答弁がどういうふうになっているかというのもあるのですが、我々としてはここの部分については一定の合意が図られてきているという状況にあると考えています。

○裏金問題 政治改革の議論について(1)

【共同通信】
 政治改革特別委員会について冒頭言及いただいたが、実態解明を持ち込まざるを得ないということだった。自民党は真相解明に後ろ向きだが、これをどのように進めていきたいと思うか、代表の考えをお願いしたい。

【代表】
 何かですね、例えば茂木幹事長が浜田国対委員長と共に公明党の石井幹事長と佐藤国対委員長と4者で会談をしたと。その中で茂木さんはこう言っているんですね。39人の処分を決定したことを報告し、「多くの処分者を出して、党として重く受け止めている」。「多くの処分者を出して」と。いやいやと。八十数名裏金議員がいて、いつの間にか39に数が減った形で、それが申し訳ないという話になっているのですね。どんどんやはり幕引きを図ろうとしている、隠そうとしているという流れですよね。
 こういう姿勢をぜひ国民の皆様には知っていただいて、自民党は今、処分すべき人間を処分せず、そして、数を少なく見せて幕引きを図ろうとしているということですから、それではいけないということはやはり我々これから始まる特別委員会でも言わなければいけませんし、当然総理に出席を求めるというのは当たり前のことではないかと思います。総理がまた政治改革についてどのような考えを示すかということも含めて、総理にはやはり出席を求めていきたいと考えています。

【共同通信】
 一方で、同時にこの政治改革の議論を進めていかなければならないと思う。この両輪をどのように進めていかれたいか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 これはどのようにといったってね、我々からすれば、先ほど言ったように政治改革特別委員会の前までに真相の解明と処分、これは自民党が行うことであって、別に我々が遅らせたわけでも何でもないですから。あくまで自民党がずるずると引っ張り、そして幕引きを図ってきて今に至っているだけなので、こんな状態で裏金問題の決着がついたということにはならないので、持ち込まれるとしたら、それは全て自民党のせいですよ。
 そういうことは認識してもらいたいですし、かといって、政治改革案そのものの議論は当然ながらこれは我々としては十分にやっていくべきことだと思っていますので、それだけのやはり質疑の時間を確保してもらいたいということです。

【共同通信】
 これだけ真相解明に後ろ向きな自民党なので、政治改革についても、あまり野党からは期待できないようなところがあるかと思う。一方で、野党においては政治改革案がかなり共通している部分があるかと思うが、どのように自民党と対峙していかれたいかお願いしたい。

【代表】
 当然各党自民党と対峙するでしょうと期待をしていますし、実際そうなるのではないかと思っています。
 ただ、公明党さんの案ですかね、少し見たのですが、ちょっと自民党さんに配慮しているところがあるのではないかと思うところもあって、政策活動費なんかは、公明党さんもこれはやっていないわけですから、もう全廃すべきですよね。そこが、政策活動費については政党に収支報告書と共に提出させることで公開を義務づけるという形だと、これはなくすという話ではないので、そういうところはもう一段国民の側に立って中身を変えていっていただいていいのではないかと思います。
 そうしたことも含めて、自民党以外は裏金問題は許さないし、再発は防止すべきだし、政治家、特に自民党のこの裏金議員たちがほっとするような政治改革案では駄目だし、茂木方式も岸田方式も許さないものにしなければならないということだと皆思っているはずですから、できる限り共通点を増やして自民党にぶつけていきたいと考えています。

【フリーランス】
 まず政治改革特別委員会に関して、政倫審と車の両輪というような形でおっしゃっているかと思うが、今、幾つか公明党の話も出たが、なかなか政倫審のほうでの、例えば森喜朗さんの参考人といった話で、公明党一人が野党側につくというのは、1月くらいから模索されてきたかと思うが、ちょっと難しいのではないかと思う。その中で、政治資金規正法を改正する法律が当初会期内で成立しないということも、自民党側から見ても骨抜きになるかもしれないが、ないかとは思うが、この政倫審と特別委員会の車の両輪の件に関して、どういった方針で来週から臨んでいかれるか。

【代表】
 これは、僕ら野党は今、少数なんですよね。ずっと衆議院も参議院も、政倫審を動かすべきだ、弁明は全員すべきだと言ってきて今の状態ということは、自民党の強烈な反対、審議拒否があるということですよ。自民党の審議拒否があるんだということですよね。
 ここはもう毎日、皆さん、報道してください。毎日報道していただきたい。もう国会をサボり続けているということですよ。だって、本来、国民の皆さんは弁明を求めていますよね。真相究明を求めていますし、そして、正しい公正な処分を求めていますよ。これは全部自民党に対して求めていることであって、それを果たしていないのは野党ではないですから。
 ですから、毎日我々も求めていますが、本当にそういう実際の、政倫審を開かない、弁明を求めても議員が参加をしない、森元首相も参加をしないということが、日々押し問答のように繰り返されていますので、我々としては引き続き、それはもう押し問答を続けるしかないんです。ただ、それに応えようとしていない自民党がいるということで、この大きな、巨大な自民党という存在が、まさに裏金問題の究明と政治改革を妨げているということは、ぜひ皆さんに毎日報道していただきたい。
 そうでしか、世論の力でしかやはり自民党を動かすことが今できない状況になっているくらいに、本当に今の自民党が多数の国会に我々ももう辟易しているということですね。
 できる限り、これからも求めていきますよ。

【フリーランス】
 自民党内政局とちょっとあえて絡めるが、東京15区に関しておっしゃった中で、小池百合子さんの名前は東京15区とかで代表はおっしゃっていないが、これから補選がどうなるかわからないが、終わって、連休になって、9月自民党総裁選挙に向けて、間に解散・総選挙があってといった中で、自民党内政局に関しては今どのくらい関心を持たれているか。

【代表】
 いや、こんなものね、自民党から今に至っても声が上がらないというのがもう信じ難いですよね。これだけ裏金議員がいて、そうではない議員たちから党内に対して怨嗟の声みたいなものは上がっても、国民に向けて、政治改革が必要だと、こんな自民党では駄目だと、自ら自民党を抜けて新しい政治改革の勢力をつくるんだというくらいのことはあっていいのではないですか。
 我々、そういう気持ち、決意、覚悟がある議員たちがいるのだったら、ぜひそれは話をしたいですよね。なのだけれども、皆もう、小泉総理の郵政以降、党に歯向かったら公認を外されて行き場所がなくなる、そればっかりですよ。ですから、裏金に手を染めていない議員たちまで黙っている。全然改革の声が上がらない。
 これはもう組織的に劣化をしている、機能停止している、改革の歯車が動かない、そんな自民党になっているということの表れですよね。

【フリーランス】
 今の件で、代表が初めておっしゃったことがあると思うが、自民党の現職の中で、もし一緒にやりたいと言った人がいたら、話をしたいと。

【代表】
 裏金議員では駄目ですよ。

【フリーランス】
 例えば前回の政権交代では与謝野さんや鈴木宗男さんといった方々もいたが、きょう現在自民党の現職の人が話をしに来て、次の総選挙も含めて話をしに来たら、ちょっと話をしたいと。

【代表】
 それは我々、いつの局面でも、その政党を抜けると、そして実は我々と一緒にやりたいという声があれば、私が直接聞くかどうかは別にして、それは十分話を聞くに値しますよ。

○「衆院長崎3区補選」「国境離島みんながJR運賃並法案」について

【フリーランス】
 長崎3区に関してだが、今のところ立憲と維新の新人の2人だけの立候補になるのではないかと言われている。立憲対維新の一騎打ちというのは初めてかと思うが、長崎3区に行かれて、万博の話で批判するだとか、そういった形になる場合があるのかということと、時間があれば、離島航路の法案を10時に出されたかと思うが、そこを絡めてお話しいただきたい。

【代表】
 まず、実は補欠選挙において、ある種の立憲対維新ということで、当時民進党でしたが、私自身がそういう戦いをしたことがあって、要は自民党の候補者が出ない選挙を私は補欠選挙で戦っているのですね。そのときは維新さんは出ていたので、事実上そういう戦いの構図みたいなものは過去もあったわけですよね。
 これは自民党がやはり候補者を出せない環境であったということであって、我々も維新さんと選挙戦で戦うという意識は持っていません。地元有権者の皆様にこの裏金問題で辞職をした長崎3区の選挙区で政治改革を訴えるという選挙になると思っていますので、そしてまた、今お話のあった離島対策ですとか農業政策について我々の山田勝彦総支部長が選挙戦に入れば訴えるという選挙であって、他の候補と戦うというイメージはあまり持っていません。ですから、何かしらそこの差異化を特段表現をして選挙戦を戦うということはまずないだろうなということが一つです。
 離島航路については、これは山田勝彦衆議院議員がかねてから取り組んできていたわけですが、海の国道と言いながら、陸の国道であればわざわざ毎回毎回通行料金を払うわけではないのですが、海の場合は船に乗るためのお金を払わなければいけない。これは島の住民の皆さんには島カード(島民カード)という形で割引があるのだけれども、それでもお金を払っているわけですし、島民以外の方はそれよりも高い料金を払わなければいけないということになると、やはり島の中の経済の弱体化に逆に言うとつながっていったりするところもありますので、我々としてこの離島航路の負担軽減を図っていく、そういうような法案になっています。
 こうしたことで、離島に流入してくる、新たに離島に観光やさまざまな仕事も含めて入ってくる方々のいわゆる船の料金も安くするということで、島の中の活性化にもつながっていくのではないかと考えています。

○裏金問題 政治改革の議論について(2)

【NHK】
 政治改革に戻り、少し重なるかもしれないが、改革案について、自民党はまだ改革案を示しておらず、公明党と事前協議を行うとしている。まず、この改革に対する自民党の姿勢を改めてどのように捉えているかという点と、公明党を含め、代表はかねてから野党案を自民党にのませるとおっしゃっているが、そのためにどのような協議を行って何を実現していくとお考えかお願いしたい。

【代表】
 これは公明党さん、むちゃくちゃ今大事な役割になっていますよね。ずっと同じ穴のムジナと思われたくないというふうに言ってきた公明党を、自民党はまず取り込もうとしているわけですよ。ここで公明党がどれだけ踏ん張れるのか。また、先ほど言ったように、自民党にとってほっとするような政治改革案を出してくるのか、こないのか。ここを問われますよ。決して自民党の議員たちがほっとするような改革案にさせてはいけないという強い意思を持って公明党が協議に臨めるかが懸かっています。
 ただ、もう現時点で、先ほど言ったように公明党さんの案が自民党に対して少し優しいようなところもありますから、改めてですが、国民の皆様の評価を得られるのかどうかというのは、各社も世論調査をしていただくと思うので、ぜひ、自民党の案が出てくれば、やはりこの自民党の案が皆さんが納得するものかどうかという調査をしていただきたいし、公明党とまとまったのであれば、その自民党と公明党の案なるものも、ぜひ国民の皆様に世論調査をしていただいて、やはり国民が納得いくようなものかどうかということはぜひ我々も知りたいところであります。
 私たちからすれば、ここまで真相究明だとか処分に後ろ向きな自民党でしたから、およそ期待できるものは出てこないだろうというふうに想定はしておかなければいけないので、改めて私たちの案自身も、立憲民主党の案も国民の皆様により提示をして、どういった評価をいただけるかということについてもやっていきたいなと。そして、我々は世論を背に改革を迫っていくと。そういう構図で戦っていきたいですね。

○安全保障政策について(1)

【フリーランス】
 冒頭のお話で、日米首脳会談、それから昨日の岸田首相の議会での演説についてお話があった。その中で、全体的に評価もされながら、確かに日米のいろいろな分野、「グローバル・パートナー」という言い方だが、いろいろな連携は必要だろうというようなお話だったと思う。ただ、そのチェックは必要であるということで、今、国会の中で、例えば統合作戦司令部に関する防衛省の設置法の改正や、地方自治法の改正、先日辺野古の大浦湾の埋め立ての代執行が強行されてしまったわけだが、そういった法案についても今、国会で審議されていると思う。それから、防衛装備品の共同開発も、結局、与党協議、それから閣議決定のみで日英伊の共同開発が進んでしまっているわけだが、それに加えてアメリカとも防衛産業の連携の協議が必要であるということが共同声明でも盛り込まれていると思う。こういった動きについては具体的にどのような対応が終盤国会の中で必要だとお考えかお願いしたい。

【代表】
 これは防衛3文書の議論のときにも私たちはやはり可能な限りの情報開示を求めてきました。それは当然機微に触れるものについて無理やり国会に出せということではないわけですが、それでも、秘密会も含めて、いかにして、民主国家であって、この日米の共同宣言でも触れられたように、当然ながら我々は自由と民主主義の国家で、まさにその価値を大切にして日々を送っているわけですから、アメリカであればもっと議会に対して情報が公開されるわけであります。軍事・防衛の情報がですね。そういうことを日本でもきちんとやろうではないかと思いますので、情報の開示を求めていくということ。
 そして、予算委員会を初め、あらゆる委員会において、我々として政府に対して、これまでやってきた共同開発のことも含めて、論戦の中で答弁を一つ一つ得ていくということ。そういうことも取り組んでいきたいと考えています。

【フリーランス】
 地方自治法のことについても質問で触れたが、それについては特に。辺野古、大浦湾の埋立てなども代執行が強行されてしまったわけだが。

【代表】
 今のお話でいくと、例えば地方自治法において何をどう質問するかというところまでいくと、我が党の議員それぞれの質問の中での話になりますので、党からこれをこういう形で質問しなさいということまでではないと考えていますが、そういうこともあり得るとは思います。

【フリーランス】
 ということは、情報開示も含め、地方自治と国のあり方とか、与党内の、武器の共同開発のことで触れたが、そういった協議の仕方、国会に対する対応だとか、そういうのはやはりもっと国会の中でつまびらかに責任を問うていくというか、そういった歯止めがやはり必要だとお考えというふう理解してよろしいか。

【代表】
 はい。

○梅谷議員について(1)

【新潟日報】
 梅谷議員が旧新潟6区のご自身の選挙区内の有権者に日本酒を配っていた問題についてお聞きしたい。今週9日に新潟地検に告発状が提出され、幹事長の会見でも伺ったが、まず、そのことについての代表としての受け止めを伺いたい。改めて何か幹事長に指示したことがあるか、加えてお願いしたい。

【代表】
 改めての指示というのはございません。
 現時点で、さまざまに動きもあるというふうに聞いています。それは報道だとかで私も知り得たことですが。そこで梅谷議員自身もコメントを発信したというふうにも聞いております。今は、そのコメントということにおいて議員本人も対応している、そしてまた、党においては幹事長が引き続き対応しているという状況だと認識しています。

【新潟日報】
 今回告発の提出者は、理由として、本人や党からの説明がなく全容解明がされていないことについて危機感を覚え憤りを感じて提出したとおっしゃっている。確かに、今回の調査、幹事長と本人がやられているということで伺っているが、時間が少しかかっているように見える。このことについてはどのように思われるか。

【代表】
 時間がかかっている、いないというのは、これは他のさまざまな要因もあるのではないかと思いますので、一概に言えないところではあると思います。
 どんなタイミングで、どのように対応するのかというところは、それぞれ、例えばそうした告発があったとすれば、その告発のことも踏まえてどういう対応をするのかということも考えていくことになるのではないかと思いますので、一義的にはこの梅谷議員ですとかの中で考えられることであり、党としては幹事長を中心に対応しているということになります。

【新潟日報】
 今回の告発がどうなるか、どのように警察のほうで対応するかという、出されたのは地検だが、どのような対応がされるかということを待つというか、その推移を見てという感じになるか。

【代表】
 それがどうなるかだけではないような気はしますね。
 まず、この梅谷議員が4月9日に掲載をしたということで、その中で、現状、捜査機関に対して自主的に(事実関係の)申告を行っているというようなこともあって、捜査機関の判断を待つ身であるという、この捜査機関の判断というところは一つ要素の中にあるのかなと、そのようには考えています。

【新潟日報】
 それで本人が判断した上で党としても対応するみたいな形なのか。

【代表】
 捜査機関の判断というものがあれば、そこでどちらが先なのかというのは、まだ、そうなってみなければわからない話ではあるかなと思います。

○小池都知事について

【フリーランス】
 東京15区にも関係するが、小池百合子さんの学歴問題がいろいろと言われているが、この前、都議会においては立民の関口健太郎都議の質問に対して都知事なんかが全然答えないということがある。先ほど泉さんは地方のほうにはあまり関与しないと言ったが、都議を通じてこの学歴のことを聞くようなことはあるか。

【代表】
 都議を通じて。いや、そこにどういう方法かというのは、ちょっとまだ私も具体的なものは聞いていないです。

○梅谷議員について(2)

【関西テレビ】
 先ほど質問があった梅谷議員のことについて聞きたい。あの問題が明るみに出てから、もう間もなく2カ月がたとうとしている。先日、先ほども質問あった刑事告発というものもあった。系列の新潟総合テレビの取材によると自民党員の元市議の方だそうだが、そういうのはともあれ、刑事告発が行われたという状況の中で、非常に時間が党内の調査も何もかかり過ぎていないかということと、これは岡田幹事長に聞いてもいつも同じような回答しか返ってこないという中で、いろいろ考えれば、自民党ですら岸田総理がリーダーシップというのか、結果はともかくとして総理が動くことによって事態が動いたということが実際あった。立憲民主党は代表のリーダーシップのようなもので、もう少し、例えばいつまでに調査結果を皆さんにお伝えしますとか、何かそういう発信はないものかと思って見ているが、その辺はいかがか。

【代表】
 ありがとうございます。
 まず、自民党のケースとの違いで言うと、東京地検がこの裏金問題の捜査をして、曲がりなりにもというか、かなり無理をしたと思うのですが、1月26日、国会の開会前までに、それは彼らなりの終結をするという形で一定の判断をしていますよね。ですから、先ほど話をしたように、梅谷議員のホームページに掲載された文書のように、その捜査機関の判断がなされた後であれば処分というのも一定考え得る環境ができるというふうには思っています。
 ただ、梅谷議員の場合には、その捜査機関の判断というものが現時点ではまだなされていないという状況なので、やはりその捜査機関の判断によって所属組織である党の中の処分というものは大きく左右される要因だと思いますので、そういうところを待っているということも私はあろうかと思います。

【関西テレビ】
 一方で、自民党の裏金問題のときには、まだ東京地検が捜査をしている段階でも野党は立憲民主党を初めとして自民党のいろいろな閣僚に対していろいろ尋ねていた。説明しろと。その姿勢と、捜査が終わらないと結論が出ないみたいな姿勢というのは、矛盾するのではないかという気がするが、その辺はいかがか。

【代表】
 梅谷議員がこれまで自身で語ったこともあれば、そして、周りからの例えば取材だとかでわかってきたこともあれば、そういうものは私はそれなりに状況として情報として積み重なってきていると考えていますし、それも党内には当然把握をされていることだと思うし、そういうものの中で、この捜査機関の判断が出ればやはり何らかのことはあり得るし、まず、それ以前においても、梅谷議員自身の例えば党内における役職だとかについて、あるいは所属委員会ということについても、やはりこの状況に鑑みて一定整理をしたということもありますので、加えて、おそらく捜査機関の判断があれば何らかの対処が必要になってくると考えています。

【関西テレビ】
 代表の目標として、いつまでに党としての対応を決めるというのは。今は言いにくいかもしれないが。

【代表】
 やはりシンプルに言えば、捜査機関の判断があれば速やかにということになります。

【関西テレビ】
 逆に、捜査機関の判断が終わらないと、御党としては何の判断もしようがないと。

【代表】
 例えば、党として既に先ほど言ったように委員会ですとか役職ということについては一定のことをさせてもらいましたが、捜査機関のこの判断によっては更に当然追加的なことはあり得るし、この捜査機関の判断がどうなるか、要は捜査機関として、いわゆる、白、黒、グレー、いろいろなことがあるのかもしれませんが、そういう中でどうなるのかということによって処分の重さが変わるのは、これは当然のことだと考えます。

【関西テレビ】
 例えば党として一定の判断を一回して、捜査の結果を受けて、またもう一判断、更に追加というやり方もできなくはないと思うが。

【代表】
 その意味で、党としては梅谷議員の党内における役職、そしてまた、党における所属委員会、そういったことについてはもう既にさせていただいているということです。

○「安全保障政策(2)」「NTT法改正案」等について

【フリーランス】
 まず、アメリカ議会での首相演説の内容だが、米軍と自衛隊の相互運用性強化、枠組み向上とおっしゃった。冒頭の話にもあったように、憲法との兼ね合いが大変気になるところだが、今まで大陸・半島有事に関してはアメリカは司令塔になるが派兵はしないと言っていた。そこが今度派兵に変わるのか、米軍、やはり自衛隊がちょっと人数が足りないのでお願いしますというような内容なのかなと思ったが、その辺はどう解釈されたか。

【代表】
 まずですね、誰も、紛争、戦争、有事、これを起こしたいというふうに思っていないと考えていますから、まずは抑止力としていかに機能させるかというところが当然の前提だと思います。大陸で何か起きたら、あるいは半島で、あるいは台湾でということで、起きたらああするこうするということの以前に、起こさせないために何ができるかということをそれぞれが知恵を絞って考えているというような状況だと思いますから、その努力は私は評価をするということであるかなと思います。
 もちろん、その中において、とはいえ、独立国家ですから、全て統合してしまったら、日本の自衛隊の指揮権だとかも、それは物量共に力関係でいってもアメリカのほうが大きいわけですから、全て統合されてアメリカの指示の下に自衛隊が動くということになってしまったら、これは独立国家ではなくなってしまいますから、そういったところには常に我々として意識を持っておかなければならないと、このように考えています。

【フリーランス】
 2点目の質問だが、同じくアメリカ議会で首相の演説の中にも言葉としてあった、監視社会。監視社会に抗っていくというような表現をされたのだと思う。一方で、マイナンバー法とか、顔認証のカメラがたくさんつくようになっている社会とか、セキュリティ・クリアランスも、経済安保と言いながらNTTの株は売却すると。国民は言っていることとやっていることが本当に整合性が取れるのだろうかと疑っているところだ。特にNTT株の売却については、以前ここでご質問したときに泉さんはちょっと懸念を示されたようなイメージを持ったが、結果、立憲民主党は賛成している。

【代表】
 今回の法案というのは全部が決まった法案ではないですけれどもね。NTT法の廃止が決まった法案ではないので。

【フリーランス】
 質疑のほうは各議員やっていただいていると思うが、泉さんとしては大丈夫だろうかと思われるか。

【代表】
 大丈夫だろうかという、注意、懸念。これは常に持つべきことだと思いますので、一つ一つの国会の審議の末に、何か想定していなかった大がかりな変化が起きてしまう、あるいは国益に反することが起きてしまってはいけないというのは当然のことですので、しっかりと監視をしていきたいです。

【フリーランス】
 3点目。先ほど出た地方自治法の改正に関する法案だが、何か4月4日に通るぞというような前情報が飛び、一時大騒ぎになった。徴兵とか農政とか健康行政とか、そういった面で最後に命を守ってくれる地方自治体の議員さんというのを皆さん頼りにされているわけだが、それが憲法改正の前振りみたいな形で私たちの力が無効化されていくのではないかというような懸念が地方議員から上がっている。この日程がどうなったのかという情報が一つ知りたいのと、こちらの改正案に関するお考えを伺いたい。

【代表】
 すみません、それは政調に聞いてください。国対にも関わるかもしれませんが、余りにちょっと個別のことになりますので。

【フリーランス】
 日程というのは、一時その情報は上がっていたのか。

【代表】
 いえ、ないです。

○裏金問題 自民党の党内処分について

【共同通信】
 つい先ほどの話で恐縮だが、塩谷さんが再審査請求をしたということを表明された。処分には事実誤認の部分が多々あるということで、事実に基づいた公平な審査を求めたいというふうに記者団に述べたということだ。受け止めをお願いしたい。

【代表】
 別に受け止めも何もないといえばないのですが、塩谷議員も大変残念ながら裏金議員の一人であり、派閥幹部ですから、それなりの責任は背負わなければいけないということは当然ながら、確かに、周りから見ていても、2728万円の萩生田議員に比べると随分金額が少ないにもかかわらずはるかに重い処分になっていますから、その公平性について異を唱える気持ちはわからないでもないし、何せ派閥の会計責任者が略式起訴を受けているはずの岸田総理そのものについても処分なしですから、塩谷さん自身も私の処分は国民と党員で判断いただきたいと言いたいでしょうね。だけど、塩谷さんは岸田さんに処分されてしまっているので、そこに異を唱えるというのは気持ちはよくわかりますよ。不公平ではないかと、総理に何の処分もないではないかということは、それは言いたいことでしょうね。

○自由・人権に関する政策について

【フリーランス】
 岸田首相の演説等を聞いていると、対外的には常々岸田首相は自由と民主主義とか人権の尊重みたいなことをおっしゃるが、国内を見渡すと、国連からも再三日本政府に対する勧告が出ているが、国内人権機関、独立した人権機関もないといった状況もあり、目立つところでは例えば自民党内だと杉田水脈議員の差別発言も人権侵犯認定されたにもかかわらずそのまま野放し状態がずっと続いている。自民党内で全くそれを何とかしようという動きが見えてこない。岸田首相のきのうの演説等を聞きながら、日本の人権状況についていろいろ問題視されていると思うが、代表のお考え、こういう政策が緊急に必要ではないかということがあればぜひお聞きしたい。

【代表】
 さすがに、同じようなことを私がその演説を聞いた同時に思っていたかというと、そういうことではないと思うのですが、確かに岸田総理の演説の中で人権ということは触れられていたし、自由、民主主義、法の支配ということもそうだし、おそらくどこかの国を想定してデジタルの監視の行き過ぎはいけないということも言っていたということもわかります。
 先ほどの質問でもありましたが、一方では、我が国も本当に監視ですとかが進んでしまっていないのか、自由が侵されていないのかというのは、特に立憲民主党の観点からいえば注意深くやはり一つ一つの施策を点検しなければいけない。
 もう一つ思うのは、やはり政府として、デジタルだ何だという中で、大がかりに処理できるものを作成しようとするあまり、導入しようとするあまり、逆に国民にとって手間がかかったり余計な経費がかかったり利便性が低下してしまうものの可能性がある。今回のマイナ保険証なんかでいうとそういうところがあって、マイナ保険証を持った人が実際に医療機関で使おうと思ったら今までの保険証よりもずっと手間がかかる。いちいち職員さんたちもいろいろな説明をしなければいけないし、指示をしなければいけないし、そういうことも含めて、たぶん業務効率は相当低下するのではないかというふうにも思います。
 そんなことも含めて、政府が何を目的に新しい制度を導入しようとしているのかということを国民の立場に立って国民目線で考えるのが立憲民主党の役割だと思っていますので、これからもそういうような観点からの指摘ですとか修正というのを図っていきたいと考えています。

(以上)