参院本会議で6月7日、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」に対する代表質問が行われ、塩村あやか参院議員が登壇しました。

 冒頭、塩村議員は、性犯罪が「魂の殺人」と言われている理由について、「性暴力が、被害者の権利を著しく侵害し、被害者の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであるから。特にそれが、こどもに向けられたものであるならば、その影響は計り知れず、断じて許されるものではない」と述べ、「わが国を含め、世界で約200の国と地域が締約国となっている『児童の権利に関する条約』にも、『あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する』と明記されている」と指摘しました。

 塩村議員は、旧ジャニーズ事務所の元社長による性加害問題を含め、わが国の人権問題について国連機関から勧告を受けている状況を指摘し、政府の見解を問いました。林官房長官は「必要に応じて適切に対応していく」と述べました。

 塩村議員は、立憲民主党の「子どもたちを性犯罪被害から守るための基本的考え方」(1)子どもに関わる全ての職種を対象として対策を行うこと(2)再犯防止の観点から、過去に子どもに対するわいせつ行為をした者を、原則として、二度と子どもに関わる職に就かせないようにすること――と説明し、この考え方に照らすと、政府案は「子どもたちを本当に性被害から守ることができるのか」と懸念を表しました。 

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 以下、政府案の問題点を指摘しました。

(1)あらゆる事項を内閣府令やガイドラインで定めるとされ、事実上の白紙委任となっている点、策定に当たっては、性被害当事者やこどもの意見も取り入れるべきこと

(2)学習塾、スポーツクラブ等が(義務化ではなく)認定制度の対象となっている点等

(3)個人事業主を認定制度の対象に含める必要性

(4)確認対象とする性犯罪歴の範囲について、下着泥棒やストーカー規制法違反等を確認対象に含めることについて等

(5)犯罪事実確認書の交付と個人情報保護法との関係等

(6)教育現場におけるいわゆる「歯止め規定」の削除、男女が共に包括的性教育を学ぶ必要性

(7)悪質ホスト問題で顕著である、マインドコントロールによる若年女性の性被害について

 最後に塩村議員は「日本のこども・若者が性搾取や性暴力により未来を奪われることがないよう尽くしていく責務は、この議場にいる全員にある」と訴えて質問を終わりました。

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20240607日本版DBS(塩村あやか).pdf