岡田克也幹事長は9月17日、国会内で記者会見を開き、持回り常幹で次期衆院選に向け4名の公認候補予定者を決定したことを報告するとともに、自民党の総裁選や統一協会との関係について発言しました。

 自民党総裁選挙の候補者が裏金問題について、「新たな事実」が出てこない限り、党として再調査しない旨の発言をしていることについて、自民党として「けじめ」を付けるべき問題だと指摘。安倍派の会計責任者が裁判で、「事務局長4人で決めた」旨の発言をしているとして、これは「新たな事実が出てきたということにあたるのではないか」「少なくともその疑いがある」と強調しました。その上で、自民党は党として再調査すべきであり、それがなされないのであれば、予算委員会で証人喚問し、事実を明らかにする責任が国会にあると述べました。

 また、2013年の参院選の直前に、当時の自民党総裁であった安倍晋三元総理と旧統一教会の会長らが自民党本部で面談していたとの報道の受けとめを問われた岡田幹事長は、「組織的な付き合いはない」としてきたこの間の説明が「破綻している」と指摘。旧統一教会との関係を「過去のもの」にするのではなく、党として再調査し、総裁選候補者も「はっきりと事実を述べてもらいたい」と述べました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年9月17日(火)14時01分〜14時22分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/-wZUc5xpnks


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○執行役員会を開催

【幹事長】
 おそらく、きょうが最後の幹事長としての会見になると思います。
 先ほど執行役員会を開催いたしました。泉代表は出席しておりません。そこで決まったことを、まず、ご報告したいと思います。
 まず、前回執行役員会で決めて常任幹事会持ち回りを行いました木戸口さんの公認の内定ということであります。
 それに加えて、今回新たに公認候補者(内定)4名を決定したところであります。
 まず、福島第4区、齋藤裕喜さん。男性です。これで福島県は候補者が全部そろったということになります。
 それから、愛知県第14区、大嶽理恵さん。市会議員2期、県会議員3期という、女性の方です。労働組合JAMの組織内ということであります。
 それから、兵庫県第9区の橋本慧悟さん。ここは現在無所属である安倍派元幹部の西村さんの選挙区です。橋本さんは現在県議会議員で、前回初めて出てトップ当選をした方であります。(明石市の)前市長とは非常に協力関係ができている人ということになります。
 それから、衆議院福岡県第7区、亀田晃尚さん。
 以上4名が執行役員会では承認されましたので、きょう中に持ち回りをしたいと思っております。常任幹事会です。持ち回りが終了した段階で皆さんのほうにはその旨が連絡が行くようにしたいと考えております。
 執行役員会は以上です。

○党代表選について

【幹事長】
 それ以外にということですが、我が党の代表選挙については、特に中身は申し上げません。
 ただ、4人で非常にいい議論ができているなと思っております。あとは東京での演説会を残すのみとなりましたが、いろいろな論点も、それぞれ候補者の意見がわかって、判断の材料として整ってきたのかなと思っております。

○自民党総裁選について

【幹事長】
 自民党のほうの総裁選挙につきましては、我々もよくわからないことが多いのですが、メディアの皆さんがそれぞれ調査をして、その結果が報告されています。
 ただ、ちょっと私わからないのは、例えば共同の調査がけさの新聞に出ていますが、自民党支持者の方1048人に調査をかけたということで、高市さん、石破さん、小泉さんの順番であったということが公表されています。その中で、投票資格がある人ということで、全体で約22%の人が投票資格があるというふうに答えられていて、その中で順番は、小泉さんがトップ、高市さん、石破さんの順番であると、そういう記事になっております。
 それは調査された結果、そのとおりだというふうに思いますが、投票資格がある方のサンプル数は220人ということなので、その220人に対して先ほど言ったような小泉・高市・石破という順番が出ているということで、サンプル数、1000が最低だと思いますが、220という限られた数字の中での順番だということは頭に置いておかなければいけないのではないかと思います。
 共同さんのように、支持者、自民党支持者で1000のサンプルでやっておられるわけですが、ほかの調査は、多くは、自民党支持者以外の(方も含めた)全体でサンプル1000でやっておられるところですと、その中でおそらく自民党支持者の数はその4割前後、つまりサンプルは400くらいになっているわけですね。そこからまた党員資格のある人まで深掘りして聞いたとすると、そのまた2割ということで、ほとんど統計的に有意な結果にならないわけで、そういうことをやはり頭の中に置いてこの数字を見ないと、なかなか正確に把握することにはならないのかなと個人的には思っております。
 いずれにしても、自民党で誰が2人残り、そして、議員も加わった結果、誰が当選するのか。新総裁、つまり総理大臣になるのかということは、我が党にとっても非常に関心のあるところですので、各メディアの調査結果なども見ながら慎重に見極めていきたいと考えているところであります。
 それから、総裁選挙を見ていまして、けじめの問題。裏金のですね。これについて、新たに調査をする必要があるかということについては、ほぼ全員の候補者の方が、もう一旦党として行っているというふうにお答えになっていると思います。
 ただ、皆さん言っておられるのは、新たな事実が出てこない限りというふうに言っておられるわけです。しかし、新たな事実はもう既に出てきていて、例えば安倍派の幹部4人が、キックバックを復活するかどうかについて問われて、4人で一旦集まったがそのときには決まらなかったと、自分は関知しないということをそれぞれ答えられているわけですね。この場でも申し上げましたが、でも、事務局長の裁判で事務局長は4人で決めましたというふうに言っておられるわけで、裁判での発言は非常に重いわけですから、それは新たな事実が出てきたということに当たるのではないかと。あるいは、少なくともその疑いがあるということなので、総裁候補の皆さんの発言をそのまま受け止めれば、新しい事実が出てきたのでもう一回再調査するという結論になるのだと思いますが、果たして、その裁判で事務局長が述べたことは新たな事実に当たらないということなのか、それとも、当たるからきちっとやるということなのか、そこを明確にしていただきたいなと思っております。
 私は、当然新たな調査を党としてすべきだし、それがなされないのであれば、予算委員会に証人喚問してきちんと事実を明らかにする責任が国会としてあるということを申し上げておきたいと思います。

○幹事長としての2年間を振り返って

【幹事長】
 さて、幹事長を2年余り務めてまいりました。そもそも、参議院選挙の後、泉さんのほうから党の立て直しに協力してくれと言われてお引き受けしたものであります。
 いろいろなことに取り組んできたと思います。
 まず、最初に気になったのは財政で、やはり透明な運営ということが必要だと。我が党は幹事長の決裁権限は300万円というふうに決まっておりますので、300万円以上の決裁は全て精査いたしました。それから、それ以下のものも必要に応じて目を通して、そして、疑問のあるところは正すということで、透明化は非常に進んだと思います。その間、外部の業者に発注していたもので断ち切ったものも幾つかあります。
 無駄をそぎ落としたという気はいたしますが、非常に残念だったのは、歳入、収入を増やすということができなかったということです。我が党は、政党交付金と立法調査費、ほとんどこの二つで、あとは党員の党費ということで、党員の党費を除けば税金で成り立っている政党であります。もう少し寄附を募りたかった。個人の寄附。パーティーもやろうとしましたが、昨年の党大会でパーティーをやるというふうに一旦は決めたのですが、ぐずぐずしている間にパーティーの問題が出てきましたので、結局やらずに進んでしまいました。やはり独自の歳入をどういう形で得ていくかということは宿題として残ったなと思います。
 あと、党職員の皆さん。いろいろ分かれたり、あるいは合併したりした政党ですので、いろいろな人事制度が一元化されていなかったという中で、党職員全員のヒアリング、これを手分けして行った上で、そういった職員の皆さんの様々な意見が反映されるような仕組みを、人材局をつくって組み立てることができたと思っております。
 新たな採用者も私の間に9名採用することができました。これからも積極的に若手を採用していく必要があると思っております。
 それから、先ほどの財政のところで言うのを忘れましたが、政策活動費を使わないと決めたのも、やはり透明性を高めるという観点から決めたわけですが、その後、政策活動費が大きな焦点になりました。止めておいて、使わないと決めておいてよかったなと、後で思ったところであります。
 一番力を入れたのは、候補者の擁立、育成ということであります。
 改めて数えてみたのですが、私が選挙区、特に週末を利用して選挙区を回った回数、延べですが、149。それから、朝夕の駅立ち、これは1都3県が中心になりますが、87。それに補選で応援に入った回数が29ですので、例えば千葉5区などは10回以上入っていますが、いずれにしても、それを全部含めると270近い回数になります。
 私の時間のかなりを使ったし、体力の限りを尽くした感じはいたしますが、多い人は3回、4回と行っているわけですが、やはり行く度に成長している姿を見ることは非常にうれしかったし、そういう人たちが必ず次の選挙で結果を出してくれると確信をしているところです。衆議院選挙も近いと言われる中で、幹事長ではなくなりますが、衆議院選挙に向けての応援はしっかりと私自身の責任としてやり遂げていきたいと考えているところです。


■質疑

○衆院総選挙に向けた取組について

【NHK】
 冒頭の候補者擁立のところで、特に兵庫9区のことについて伺いたい。いわゆる裏金が指摘されている議員で、知名度の高いところだと思う。ここに擁立した候補者への期待と、裏金問題についての、まだ解決されていないと思うが、そのことをこの擁立とリンクしてどう有権者に判断してほしいという、そういう思いがあればお願いしたい。

【幹事長】
 ここは先ほど言った4人の幹部の一人なのですね。政倫審に出てきて、たしか私の記憶では、4人で一旦集まったと、でも、その後自分は経産大臣になったので全く関与していないというふうに言われました。明らかに事務局長の裁判における発言とそごを来しているわけです。本来であれば予算委員会に証人喚問される、あるいは自民党自身がきちっとそのそごについて説明する責任がある。非常に注目される選挙区です。
 出す以上、勝てる可能性のある候補者をということで、調整を続けてまいりましたが、県議会トップ当選という、前市長と非常につながりの深い人ということで、候補者を擁立できたことは非常によかったと思います。

○自民党総裁選 政策活動費について

【NHK】
 自民党総裁選に関連して、政策活動費のことについて、ちょっとこれまでの自民党内の意見とは違ったような話が出てきているが、それについての受け止めはいかがか。

【幹事長】
 驚きですね、これは。
 幹事長、茂木さんは、この問題は(国会での)議論の最後に出てきた話だと言っていますが、それはとんでもない、事実に反する発言で、私は2月の岸田総理との予算委員会のやり取りで政策活動費を持ち出しています。もう年末から政策活動費が非常に重要であるということはこの場でも申し上げてきて、我々の党としての政治改革の重要な柱と位置づけてきました。国会でも、私だけではなく、その後、多くの議員も取り上げてきました。議論になっていなかったなんていうことはあり得ない発言だと思いますね。
 そして、総理は、これは政治活動の自由とのバランスの問題だというような言い方をして、むきになって発言していましたが、おそらくそれは党としてそういう方針で挑まれたのだと思います。その党の中心は幹事長ですから、当然、茂木幹事長も廃止には強く反対しておられたというふうに考えざるを得ません。それが何か、最後に出てきて、それまでは問題になっていなかったような言い方をするというのは、全く事実に反するし、そういう人物が政権政党の幹事長をやっていたということは、私にはちょっと理解に苦しむところです。
 それから、小泉さんも、やはり党の期待を集める中堅・若手の代表としての議員であれば、今頃になって言うのではなく、党改革の議論の中でなぜ声を上げなかったのかと思います。そこも非常に残念。
 これで、でも、ほとんどの候補者の方が廃止と言っていますので、それならば次の国会で廃止を全会一致で、一発で法律を通してしまえばいいのだと思います。

○旧統一教会問題 安倍氏と教団幹部の面談報道について

【NHK】
 別件になるが、けさ一部報道で、自民党と旧統一教会の関係の密接さがうかがわれるような報道があった。これについて、もし受け止めがあれば伺いたい。

【幹事長】
 これも、組織的なつき合いはないと、関わりはないというふうに言ってきましたが、自民党総裁室で総裁を初め幹部と旧統一教会側の最高幹部が会ったという写真が出てきたわけですから、全く今の説明が事実に反するということが明らかになったと思います。
 この問題も過去のものというような今の自由民主党の説明が破綻しているということで、再度しっかりと説明を求めたいと思います。選挙にも相当、今までも力をかりていたのではないかと思います。そういうことも含めて、党としての責任を果たしてもらいたい。総裁候補の皆さんもはっきりと事実を述べてもらいたいと思っています。

(以上)