野田佳彦代表は11月8日、国会内で定例会見を開き、次期国政選挙に向け同日から「候補者公募」を行うと表明しました。

 また、来年の参院選だけでなく、衆院選についても「常在戦場」だとの認識を示し、「公募」だけでなく「政治塾」を開催する意向も表明しました。

 さらに、特別国会に向けては、石破内閣不信任決議案を提出した野党各党と「政治改革」「国会改革」をめぐり会談したと述べ、次期臨時国会の冒頭には「野党案」を議員立法として提出し、「自民党・公明党に実現を迫る」と力を込めました。

 昨日7日に重徳和彦政務調査会長が発表した「能登復興・物価高克服のための緊急総合対策」については、補正予算案審議の際に「議論の俎上(そじょう)に載せる」と述べるとともに、自民党案のように「赤字国債の発行を前提としない骨の引き締まった内容」だと強調。自民党の補正予算案からの修正を「勝ち取る」と力を込めました。


野田佳彦代表記者会見

2024年11月8日(金)10時30分~11時06分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/l35flCOG6uQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○参院選に向け「候補者公募」「政治塾の開講準備」を開始

【代表】
 まず、衆議院選挙が終わったばかりでありますが、来年の参議院選挙は極めて重要な選挙だと位置づけておりますので、早速その準備に入っていきたいと思います。
 まず取り組むことは、候補者の公募を行っていきたいと思います。この公募は、もちろん参議院の候補者の発掘もありますが、常在戦場である衆議院選挙も、これもいつあるかわからないわけですので、両方含んで公募をしていきたいと思います。
 加えて、さきの衆議院選挙でも公募や政治塾から15人を超える候補者を擁立することができましたので、政治塾のほうも、これもスタートをするように準備に入っていきたいと思います。
 それから、この選挙絡みで言うと、参議院選挙に向けた総合選挙対策本部を来週中にも開催させていただきたいと思います。
 こうした取組を強化して、来年の参議院選挙で大きく飛躍できるように頑張っていきたいと思います。

○政治改革・国会改革等に関する方針を各党に提示

【代表】
 これまで、順番で言うと、維新、共産、国民、そして社民党と、党首会談をずっと一巡してまいりましたが、11日から特別国会が始まりますが、それぞれの党に対して、どういう政治改革・国会改革を考えているか具体的にお示しすべく、皆様にペーパーをお配りさせていただきました。こういう改革をやっていきたいと。例えば企業・団体献金の廃止であるとか、政策活動費の廃止とか、政治資金パーティーなどについて、項目を掲げさせていただきました。
 これを各党にお配りして、ぜひ特別国会の初日のときには、これを参考に、ご協力いただけるかどうかご判断をいただきたいという投げかけを、幹事長を中心にペーパーをお配りしながら改めてご要請をさせていただいているということであります。
 このペーパーにある、いわゆる抜本的な政治改革、政治資金規正法改正案というものが、これから野党案をまとめていく上でのベースにしていきたいと思います。既に維新や共産についてはこれは共通点のあるものでありますし、国民民主党も、ほかの党が皆さんが共通してこれをやっていこうということならば企業・団体献金廃止についても賛同いただける旨を、発言を党首がされておりましたので、投げかけていきたいと思いますし、特別国会が終わったら、この野党案をつくるべく精力的に取組をしていきたいと思いますし、臨時国会が始まった暁には野党案を議員立法として提出し、政治改革特別委員会で議論の俎上にのせていき、自民党・公明党に実現を迫ると。そういう形に持っていきたいと思っているところであります。

○経済対策「能登復興・物価高克服のための緊急総合対策」を発表

【代表】
 経済対策については、きのう政調会長から発表がございました。これからも精力的に、これも補正予算案審議のときにはぜひ議論の俎上にのせられるようにしていきたいと思います。
 特徴的には、やはり能登の復旧・復興については、近藤(和也)さんが戻ってこられましたので、一番被災地や被災者の声をよく聞いている人なので、たぶん一番、案としては実効性のあるものだと思います。
 それから、「103万円の壁」も重要でありますが、我々は「130万円の壁」、かつてプログラム法(案)をつくったりして、重要な、重大な関心を持ってまいりましたので、その具体的な設計などを伴った内容の経済対策とさせていただきました。
 規模感からすると、規模ありきの13兆円という自民党に比べれば、かなり的を絞った、赤字国債の発行を前提としない、そういう骨太の、引き締まった内容の案だと思います。これもぜひ予算委員会の中で議論の俎上にのせて、修正を勝ち取るべく頑張っていきたいと思います。


■質疑

○旧文通費改革について(1)

【東京新聞】
 冒頭のご発言にもあった政治改革のうち、旧文通費についてお尋ねしたい。先日、野田代表は国民の玉木代表と、年内にも政治改革の各論点について野党案をまとめることで合意されたと思うが、これは旧文通費の使途公開などを義務づける法改正を臨時国会中に行いたいと、そういうご意思ということでよろしいか。

【代表】
 これまでも法案を出していました。今回も、また当然のことながら、その実現をしていきたいと思います。
 野党はみんなまとまっていると思います。問題は、できなかったのは、自民党が「うん」となかなか言わなかったことだと思いますので、迫っていきたいと思います。

【東京新聞】
 関連して。この問題は数ある政治改革の論点の中でも比較的古くから話題になっており、かつ、与野党の隔たりも比較的少ないとされてきたが、目に見える前進がまだない状況だ。今、自民党のせいでというお話もあったが、改めて、議論が停滞してきた最大の要因は具体的にどんなところにあったと思われるか。

【代表】
 全て自民党です。

【東京新聞】
 自民党が使途の公開に消極的であったと。

【代表】
 関心を持ちながら、やるやると見せながら、なかなか物事が進まないのが自民党だと思っていますので、野党が一丸となって迫っていきたいと思います。
 我々も歳費法の改正等でずっと法案を出していましたので、出している以上は実現をさせていきたいと思います。

○政治改革等に関する方針の各党への提示について(1)

【NHK】
 冒頭発言のことで伺いたい。このペーパーを基に国会の初日にご協力をいただけるかどうかご判断いただきたいとおっしゃったが、このご協力というのは首班指名も入っているのか。それとも、政治改革などに向けたことについてなのか。

【代表】
 こういうことをやりたいからご協力(を検討していただきたいと)の意味では、もちろん首班指名でもご検討いただければ、その参考になればということで、本当は2回目お会いして改めてと思っていましたが、なかなかお会いできない事情もいろいろ出てきていますので、(そういった)政党もありますし、だから、このペーパーをもってご説明して、ぜひご検討くださいと。
 ただ、それは別に首班指名だけではなく、これからの野党連携の中で、特に臨時国会をにらんだ中で、案をつくる土台としてこういうことを考えているという意味からも、その種の議論のキックオフという意味からもご提案をさせていただいているということです。

【NHK】
 重ねて、確認になってしまうが、一巡したということだったが、ペーパーをお配りしているのは、さきの臨時国会で一緒に不信任案を提出した党と、同じ会派を組む社民党という、これまで党首会談を重ねてきた党か。

【代表】
 基本的には共同で不信任案を提出した党であるということと、社民党さんは同じ会派なので、同じように、こういう考え方を改めて説明させていただきました。あと、有志の会の皆さんも、非常にこの政治改革には熱心な皆さんがいらっしゃるので、その皆様にもペーパーはお配りしています。

○「熟議と公開」の国会審議に向けて(1)

【NHK】
 別件で質問したい。来週、特別国会も始まるが、石破総理との党首会談も控えていると思う。党首会談にどのように臨みたいか、何を話したいか、言える範囲で教えていただきたい。

【代表】
 おそらく、きのうも選挙の総括などで、党内の意見調整等々で大変だったと思うのです。
 やはり、これから国会の風景が変わることについては、あまり今まで意識されていなかったように思います。国対委員長同士の会談でも例えばドント方式で委員会の割り振りとかいったときに驚いた感じだったということなので、たぶん自民党執行部としては、国会にどうやって向き合っていくか、野党とどうやって向き合っていくか、心の整理がついていなかったと思うのですが、改めて、今回は常任委員会・特別委員会等の人事の問題も今大きな話題になってまいりましたが、きちっとやはり野党第1党と向き合おうよということは申し上げていきたいと思います。
 特に焦点となる政治改革は、前回の通常国会は、これは厳しく総括してもらわなければいけないのは、岸田政権は最後、自民党と公明党だけで法改正をしているのです。維新を巻き込もうとはしましたが、最後は自公だけでしたよね。でも、やはり当面のライバルになる野党第1党と向き合って、そこで合意をするというのが政治改革のあるべき姿だと思いますので、その原点をぜひ確認をしてもらいたいと思います。
 我々も当然野党案を出すけれども、与党と折り合って前進するものだと思っていますからね。そういう議論をきちっと向き合ってやりましょうということを申し上げたいと思います。

【読売新聞】
 今、国会の風景が変わるというようなお話もあったが、昨日の外国特派員協会の会見では、緊張感のある政治の実現を訴えた一方で、国会審議を停滞・分断させることは目的としていないというお話もされた。今、国会のポストの話、委員会のポストの話もあったが、野党の責任というのも重くなると思う。今後、党としては国会審議にどのような姿勢で臨まれるか。

【代表】
 与野党の勢力が伯仲してきたということは、国会改革を進める上ではいい環境が整ったと思っていまして、与党が決めたら、あるいは事前審査で決めたら、そうしたら、もうほとんど下請けのように国会は淡々と審議をして採決に至るということだけだったと思うのですよね。そうではなく、やはり国会審議、表の舞台で議論をして、それを例えば修正も大いにやるとか、あるいは議員立法も同時に議論するなど、ある種、これこそ国会審議だということができるようにする改革を進めていきたいと思いますので、それはむしろ国政の停滞ではなく国会審議の活性化につながると。
 きのうもどこかで申し上げましたが、ドイツなどは野党第1党が予算委員長を取るんです。これは慣例になっていて、その上で、与野党で共同で政府案に対して修正をするということをずっとやってきていますよね。同じようなことも日本でできるのではないかと。予算だけではなく、その他の委員会審議でも。
 この辺の意識は、これから割り振りが決まりますが、委員長とか筆頭理事になる人たちには徹底していきたいと思います。「熟議と公開」、これを旨とする国会改革を徹底していきたいと思います。

○旧文通費改革について(2)

【毎日新聞】
 政治改革について伺いたい。旧文通費の使途公開について、昨日、社民党との党首会談の後に小川幹事長が記者団に、できれば来年1月から全党公開するくらいの意気込みで取り組もうというようなことを発言されたかと思うが、これはある程度スケジュール感を意識しての考えなのか。それとも、勢いというか意気込みという意味合いでの時期の設定というか、時期の公表だったのか。これについて伺いたい。

【代表】
 いつまでも信なくば立たずという状況が続いたら、国内外大きな課題があるときに政策推進できませんから、私はやはり年内にでも令和の政治改革は決着をつけなければいけないと思うのです。その中で旧文通費の話も、長年にわたって議論してきましたが、これも決着をつけると。
 決着をつけるということは、来年からスタートするということを見込んでいなければいけないではないですか。だから、政治改革推進本部中心に、どういう形で整理をしていくのかを、そろそろ我々も準備に入っていくということを同時にやっていきたいという趣旨で幹事長はおっしゃったと思います。

【毎日新聞】
 この後、野党として案をまとめていく際には、ある程度、来年の1月からもうスタートするということも念頭に置いた上でまとめていくお考えということでよろしいか。

【代表】
 ほかの党で、もうチャレンジしているところもありますよね。そういうものを見ながら、我々もより有効的にそれができるようにしていきたいと、準備をしていきたいと思います。

○政治塾の開講準備について

【「FACTA」】
 数年前は「まさか」の「トラ」が「またトラ」になったわけだが、冒頭でおっしゃった野田政治塾、「また野田」政治塾というか、そういうのを今月から、要するに参議院に向けた募集をと、そういうお考えなのか。6月に泉さんがやられて、短期間だったが、そこから15人も誕生したというのはやはり大きかったと思うが、具体的に「また野田」政治塾が始まるのかどうか伺いたい。

【代表】
 政治塾、しっかり始めたいと思います。

【「FACTA」】
 いつからか。もう始めるのか。

【代表】
 早い段階で。公募と政治塾は早くスタートしたいと思います。

○「熟議と公開」の国会審議に向けて(2)

【「FACTA」】
 この紙で伺いたいのは、特に国会改革だが、既に予算委員会を含めて大きな動きがあると。やはり目に見える形でいうと党首討論をやるべきだろうと。190対150であれば30分以上は議論ができるはずだし、たぶんほかのところも増えるからいいと思うが、このウエートづけ。いろいろなことが書いてあるが、これが一番簡単に実現可能ではないかと私には思える。これについてはどれくらいのウエートづけで、やはり国会の風景が変わると思うので、通常国会を含めて、臨時国会から。

【代表】
 いや、もう臨時国会からでも実現すると。

【「FACTA」】
 これが一丁目一番地ということでいいか。

【代表】
 一丁目一番地って、いろいろみんな大事な項目だと思いますが、私はやはり党首討論はもっともっとやっていくべきだと思います。この間たまたまできましたが、それまではほとんどなかったですね。大いにやっていきたいと思っております。

【テレビ朝日】
 きのう野党側が予算委員長を初めとする委員長ポストを半数近く務めることで与野党合意した。これについての受け止めをお願いしたい。

【代表】
 どの委員会のポストを取れるかどうかは、最終的には各派協議会で、今、大詰めだと思います。その中で、例えば予算とか政治改革とか、あるいは憲法審査会とか、そういうところなどを取っていけたら、あるいは法務委員会とかですね、取っていけたら、いろいろな、非常にびっくりする、いい動きが出てくるのではないかと思います。そういうものを生かして国会審議を活性化していきたいと思います。

○「年収の壁」引上げに関する議論について(1)

【テレビ朝日】
 別件で恐縮だが、国民民主党が求めている「年収の壁」の引上げについて伺いたい。国民民主党が求めるように103万円から178万円に引き上げた場合、7兆円から8兆円の減収が見込まれる。この財源について、きのう玉木代表が、財源は政府・与党が決めていくことであって、我々としては178万円への引上げを求めていくと発言された。具体案を示さずに政府・与党に要請していく、要求していくということについて、野田代表のお考えをお願いしたい。

【代表】
 国民民主がどうお考えになっているかというのは、私自身わからないし、玉木代表に聞いていただければと思いますが、「103万円の壁」、それを取り払っていくためにチャレンジをしていること自体、その方向性については我々もよく理解できるし、賛同しています。その後のやり方、制度設計については、それは我々はちょっとその推移を見守るしかないなと思います。

【朝日新聞】
 今の「103万円の壁」と「130万円の壁」に関連して伺いたい。国民民主党は「103万円の壁」にかなり注力した案を出しており、今、界隈でもかなり「103万円の壁」が話題になっているが、きのう発表された立憲の経済対策を拝見すると、どちらかというと「130万円の壁」にかなり重きを置いた内容のように見受けられた。あえて130万円のほうに力を入れる理由というか、国民民主党の案との差別化も含めて、どういうところが売りなのかを改めてお願いしたい。

【代表】
 あえて差別化しようとしてきたわけではありません。従来から、就業調整に関わるところでは、いわゆる103万円よりも社会保険料に関わる130万円のほうが影響が大きいのではないかという問題意識はずっと党として持ってきたし、かつて、そのためにプログラム法もつくって法案を提出したこともありましたので、その今までの流れに沿った中で具体的な設計をしていきましょうということで今回の補正予算案の中でまとめてきたということで、あえて差別化ではなく、従来から持っている問題意識の深掘りをしているということであります。

【朝日新聞】
 その中で130万円を強く打ち出しているのは、やはりそちらの壁のほうがかなり減収幅が大きくて深刻だというご認識なのか。

【代表】
 実態としての影響というのが大きいのではないかと思っていますので、この分野については我々はもっともっとやはり深掘りして提案をしていかなければいけないと思っています。

○旧文通費改革について(3)

【朝日新聞】
 別件で伺いたい。旧文通費の関係で、野田代表は代表就任直後に民放のテレビ出演の中で、ご自身の文通費の使途については10月分からできれば公開したいという趣旨の発言をされていたと思う。これはどのように対応されていくかお願いしたい。

【代表】
 10月分については試行的に今月中のどこかで公表させていただきたいと思いますので、今、準備をしています。10月分については、これはやってきました、公表をすべく。
 ただ、あくまで試行的なもので、これが党の皆さんにこれでやってほしいということではありません。私の試行的な挑戦でありまして、党としてはきちっと政治改革推進本部の中で精緻に準備をしてもらってから、皆さんで共有してからスタートできるようにしたいと思います。

○「熟議と公開」の国会審議に向けて(3)

【朝日新聞】
 もう一点、また国会人事の関係で伺いたい。今、具体的な人事の調整が進んでいると思うが、予算委員長に加え、政治改革特別委員長や憲法審査会長も野党側で担うという報道も出ている。それぞれ、なかなか具体的な人名はあれだと思うが、どういった能力を持っているというか、どういったことに長けた方にお願いして、どういうことを期待したいか。

【代表】
 まだ確定していないので、今ちょうど真っ最中の各派協議会で割り振りがきちっと決まった暁に、報道ベースではいろいろお名前が出ていますが、具体的な人選に入っていきたいと思います。
 それはやはり、委員会運営とか、あるいは国会運営に、ある種、習熟している人でなくてはいけないだろうと思いますし、加えて、やはり先ほど言ったように、新しい「熟議と公開」という中で手腕を発揮できる、そういう人たちを選んでいきたいと思います。割とこれは重要な人事になるだろうと思います。

○政治改革等に関する方針の各党への提示について(2)

【共同通信】
 2点伺いたい。お配りくださったこの紙だが、立憲民主党としての政治資金規正法再改正に向けた立民案という位置づけの理解でよろしいか。

【代表】
 立民案って、元々選挙の公約でも掲げてきていましたので、それをベースにしています。
 加えて、他党も、これまで一緒に不信任案を提出した多くの党はご賛同いただいていると思うし、国民民主の皆様はあと企業・団体献金(廃止)のところだけだと思いますが、ほかの党が全部横並びで行くならばとおっしゃっているので、立民案で、選挙公約で言ってきましたが、これをたたき台に野党案になっていける可能性があると思いますので、ただ、最後はちょっと詰めていかないといけないので、特別国会が終わった後にそういう協議をしていきたいと思います。

○裏金議員への政倫審出席要求について

【共同通信】
 もう一点伺いたい。きのう民放のテレビ番組出演の際に、政治倫理審査会について言及があったかと思う。旧安倍派の先生方、説明責任を更に果たしてほしいということで、一回出てきたけれどももう一度、本当のことを言っていなかったという方については予算委員会で証人喚問をするなりというふうに、具体的に言及があったかと思うが、その辺り、改めて代表の考えを伺いたい。

【代表】
 まず、これは臨時国会を次やるときに、ある種もう国対間では合意をしていますが、政倫審を開いて、そこでやはりこれまで出てこなかった人たちに対して弁明をしてもらうように要求していきたいと思います。ちょっと人数は精査しなければいけませんが、落選された方もいらっしゃいますので。ただ、改選前は、選挙の前では衆参合わせて七十余人が、要求したけれども出てきていませんよね。引き続き、やはり出るべく要求をしていくということです。
 加えて、出てきたけれども、出た人が9人いましたが、その中で、どう見ても後から出てきた事実からすると本当のことを言っていたのではないのではないかと思われる人たちもいらっしゃいますので、そういう皆さんについてはやはり予算委員会で証人喚問という可能性も、これは十分あるのではないかと思います。

【共同通信】
 確認だが、参議院のほうは効力が続いていて、衆議院のほうは解散をもって効力が切れてしまってはいるが、改めて政倫審の議決をするなりして求めていくと。

【代表】
 国対委員長間では政倫審を開くということについては合意をしていますので、今言ったように、一回衆議院が終わっていますが、もう一回これを要求して実現をしていきたいと思います。

○衆参の候補者公募について

【時事通信】
 ちょっと細かい確認で恐縮だが、衆参の候補者の公募というのは、本日からというわけではないのか。

【大串代表代行・選対委員長】
 本日からです。

【代表】
 本日からだそうです。

【時事通信】
 本日公募を始めたと。

【代表】
 実施する人が言っているから間違いありません。

【共同通信】
 どういう方に公募に来ていただきたいか教えていただきたい。

【代表】
 それはやはり、この日本をよくしていこうと思って、しかも、この立憲民主党の考えている趣旨にご賛同いただいているという方ならば、どんどんと応募してほしいなと思います。

○「年収の壁」引上げに関する議論について(2)

【産経新聞】
 国民民主党が本日から行う自公との政策協議について伺いたい。先日、立憲民主党と国民民主党との間で党首会談をした際に、立憲民主党の側からは「103万円の壁」の実現に向けて後押ししていきたいというようなお話があった。本日の国民民主党と自公の政策協議の中では「103万円の壁」も項目に入るということだが、立憲民主党として、その実現に向けた後押し、協力というのは、どのようなことを行っていきたいとお考えか。

【代表】
 いわゆるエールを送るということであって、ご相談があれば、もちろん自分たちの考え方をお示しすることもあるかもしれませんが、自民党との政策協議に我々は参加しているわけではありませんので、それは直接的に何か申し上げる立場ではありません。「103万円の壁」を突破するために、ぜひ頑張ってくださいということだと思います。

○「能登復興・物価高克服のための緊急総合対策」について

【産経新聞】
 一方、昨日、御党の経済対策を発表されたが、その実現に向けては、今後の臨時国会などでどのように取り組んでいきたいとお考えか。

【代表】
 もし予算委員会の長を取ることができたならば、我々の案も議員立法として提出して、その案について政府案と共にやはり協議をしてもらいながら、修正を勝ち取れるように頑張っていきたいと思いますし、特に能登の復旧・復興については、たぶん他党の案よりはるかに、一番精緻だと思っていますので、そういうことなどの実現をぜひ図っていきたいと思います。

○政治改革等に関する方針の各党への提示について(3)

【フリーランス】
 本気の政治改革案を維新などにぶつけて、その状況を確認したいが、維新からは最終的な回答はまだないと。馬場代表は、この政治改革案の本気度によっては野田さんと決選投票で書く可能性があると会見でおっしゃったが、その回答はまだないという理解でよろしいか。

【代表】
 改めてペーパーを幹事長を通じてお配りして、更なるご判断を仰ごうということであって、それ以上どうかということではありません。あくまで各党のご判断だと思います。

【フリーランス】
 れいわも首班指名で鍵を握っていると思うが、山本代表は選挙が終わった直後に消費税5%減税を旗印にすれば野田さんと書くとおっしゃっているが、れいわ山本代表との面談の予定はないのか。

【代表】
 いや、個別の政策協議をしながらご支援をお願いしますというやり方ではなく、あくまで、いわゆる政治と金の問題を基本として内閣不信任案を出した党にまずお願いをするというところからスタートして、あわせて、政治改革に関心を持っていらっしゃる有志の会にご提案をしたということでしたので、その他の政策協議をしながらということは今は考えていません。

【フリーランス】
 社民党ともお会いになっているわけで、次はれいわという順番かなと思ったが。

【代表】
 社民党は同じ会派でしたし、いわゆる内閣不信任案提出の意味では同じチームでしたので、そういう枠組みの中でお話をさせていただきました。

【フリーランス】
 立民も給付付き税額控除という、実質的な消費減税に当たると思うが、その辺を山本代表と党首会談で詰めて、首班指名で野田さんと書いていただくという、こういう話合いは有意義だと思うが。

【代表】
 減税というか、逆進性対策として消費税の還付法案というのを我々は公約で出しています。それを税制改正をやってからでは間に合わないので、今回の経済対策の中では先んじて給付という形にしています。というやり方なので、それと山本さんのおっしゃっていることと整合的かどうかは、これはちょっと何とも言えませんですよね。

○「年収の壁」引上げに関する議論について(3)

【フリーランス】
 11月3日の産経新聞が、「103万円の壁」について、103万円を超えての働き損は誤解だという見出しの記事を出し、それと同じような趣旨の主張を米山隆一さんが、X、ツイッター上で盛んにされ、要は103万円を1万円超えても所得税で取られるのは500円に過ぎないと。9500円は手取りで残ると。「103万円の壁」というのは本人ではなく扶養する側、親の控除が外れることによるものだと指摘されているが、だったら、扶養者の控除の分を補填すれば済む話で、7兆円もの膨大な税収減を伴わなくても、手取りを増やす、「103万円の壁」を見直す政策は可能だと思う。それは米山隆一さんがまさに的確におっしゃっていて、それなのに玉木代表は、党首会談の後に、党内で意見を統一してほしいと、反対する意見はいかがなものかという疑問提示をしている。この姿勢は問題ではないかと思うが、活発な議論を通してよりよい案にするというのがあるべき姿だと思うが、野田代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 それぞれ言論の自由がありますから、メッセージを出すこと自体をどうのと抑えることはできないと思いますが、ただ、103万円の問題についても、基礎控除がずっと抑えられたままだったことなどについては、やはりこれは問題もあったと思うので、それについて方向性は、我々も突破していこうということについては共有をしているというのが党の姿勢であるということを踏まえて、野党批判と映るのではなく、その範囲の中で言論の自由をやってほしいという要請は幹事長から今させていただいております。

【フリーランス】
 ということは、活発な議論を通じて、よりよい案にしていくと。

【代表】
 そういうことですね。そういう趣旨でご理解をいただきながらやっていければと思います。

【フリーランス】
 1割くらいの物価上昇率分の所得税の壁を上げるというのは、より説得力があると思うが、それプラス扶養者の税額控除の額を引き上げて、あるいは補填すれば、もうそれで解決してしまうような気がするが、そういう議論もこれからしていくと。

【代表】
 いろいろなお考えがあると思いますが、チャレンジしていること自体を否定するものではありませんし、どういう政策協議になるかは注視していきたいと思います。
 でも、それ以上に、先ほど申し上げたとおり、130万円のほうが影響が大きいと思っていますので、それに対する対策としての深掘りを我々は自分たちの役目としてやっていきたいと思います。

○政官関係について

【「FACTA」】
 予算委員長は安住さんになると。

【代表】
 まだ決まっていません。

【「FACTA」】
 要は一番びっくりしているのは霞が関で、これまでの事前審査制から、お互いそれなりの資料を持って、立憲の側にも係長ではなく課長あたりが自民党と同じような資料を持っていって説明するような世界があってほしいと私は思うが、ともすれば立憲は何か霞が関と距離があるというか、はっきり言って嫌われている面がある。代表として、この結果を受けて再度総理を目指すわけだが、仰天している霞が関に、これから臨時国会も始まるわけだが、どういうメッセージを。やはり、ややいじめがあったと思う、野党ヒアリングには。ああいうものも含めて、どう変えていくのか、メッセージをいただきたい。

【代表】
 ヒアリングのあり方については、従来からいろいろご指摘もあったので、改善・工夫をしてきているつもりであります。
 国内外に大きな課題があるときに、敵対する関係ではなく、やはり一緒に協力していくという関係に持っていきたいと思うのですね。ましてや今回、国会の風景が変わっていく中で、やはりきちっとして協力してもらうところは協力してもらうと。そういう関係性に持っていきたいと思います。

(以上)