野田佳彦代表は11月22日、国会内で定例会見を開き、本日から第2期「りっけん政治塾」の塾生募集を開始したと報告しました。

 前回6月から8月にかけて開講した第1期政治塾では、約500人が参加。その中から2人の塾生に先の衆院選に挑戦してもらったと述べました。

 野田代表は、来年の参院選が迫っているとし「今回も政権交代を実現するため、一緒に立ち上がっていただける方の参加を期待をしたい」と力を込めました。

 また、「立候補を考えている方だけではなく、立憲民主党の考えを聞いてみたいと思われる方にもぜひ参加してほしい」と述べました。


野田佳彦代表記者会見

2024年11月22日(金)13時00分~13時40分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/rlCS_u9p2ws


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「りっけん政治塾(第2期)」受講生募集を開始

【代表】
 お手元に資料をお配りしているかと思いますが、第2期の「りっけん政治塾」を開講することとなりました。本日から塾生の募集を開始いたしました。
 泉前代表の発案で、党本部として初めての試みで、ことしの6月から7月にかけて開講いたしました。その際には約500人の方にご参加をいただいております。その中から2人の方が手を挙げていただいて、さきの衆議院選挙に挑戦をしていただきました。残念ながら惜敗されましたが、来年の参議院選挙も迫っておりますので、今回も政権交代を実現するために一緒に立ち上がっていただける方が一人でも参加していただけるように期待したいと思います。
 12月14日・土曜日がスタートで、初回は私が講師を務めさせていただき、その他の会も、小川幹事長、重徳政調会長、枝野最高顧問、こうした皆さんに講師をお願いしているところでございます。
 立候補しようとされている方だけではなく、広く立憲民主党の考えを聞いてみたいと思われる方にはぜひご参加をいただきたいと思います。


■質疑

○経済対策について(1)

【読売新聞】
 きょう、この後、政府が総合経済対策を閣議決定する予定だ。これについて、内容について、評価や受け止めをお願いしたい。

【代表】
 具体的には補正予算という形で数字が出てきてからはもっとつぶさに評価することができると思いますが、まずは、我々が注目している能登への支援がきちっと十分なものなのかどうかとか、物価高対策、これがしっかりとしているのかどうか。そういう観点からチェックをしていきたいと思いますが、現時点のあらあらの文章で見る限りにおいては、例えば物価高対策については、政府の案は住民税非課税世帯への給付ということで、ワーキングプア層への支援が不十分ではないのかというような印象を持っています。
 また、先ほど申し上げたように、能登については、我々は近藤(和也)議員中心にしっかりとしたメニュー、自信作でございますので、それともよくこれは比べていきたいと思っているところであります。
 あと、規模感として、既に13.9兆というお話で、余りにもちょっとかさが、最初から規模ありきで進んできたように思いますので、その辺のチェックも、十分チェックしていきたいと思います。我々は7.4兆と、的を絞っていますので、そういう比較などもこれから政調会長を中心にチェックをしていきたいと考えています。

【読売新聞】
 関連して。「103万円の壁」について、自民・公明・国民民主で見直しについて合意があったが、これについてはどのように評価されているか。

【代表】
 「103万円の壁」を越えていこうと、撤廃していこうという動き自体、その方向性については我々も理解をしていますので、今後の動きを注視していきたいと思います。

○党首討論の重要性について

【読売新聞】
 別件で、もう一問質問したい。昨晩東京都内で講演され、その中で、党首討論の重要性について民主党政権時代のことも踏まえながら話されていたと思う。党の改革案の中にも党首討論の定例化を掲げていると思うが、改めて党首討論の場の重要性や党首討論のあり方について教えていただきたい。

【代表】
 私は、例えばきのうの講演でも申し上げましたが、平場で膠着状態に陥っているようなテーマなどを、党首(間)でしっかりと皆さんの見ている前で議論をして、そして一致点を探していくという意味においては、党首討論はとても意味があると思っていますので、もっともっと活用すべきだという視点からきのうは講演でお話しさせていただきました。
 今回も、ある種与野党が伯仲している場面でありますので、逆に言うと、大きなテーマについて議論してお互いに方向性を確認するような議論というのはあってしかるべきだと思うので、これはよく国対などでも検討していただければと思います。

○経済対策について(2)

【NHK】
 先ほどの経済対策に関連して。先ほどもあったように、立憲民主党でも独自の経済政策をまとめていると思う。改めてになるが、独自の政策を実現するために国会にどのように臨みたいか。また、協議にどのように臨みたいか。お考えを改めてお願いしたい。

【代表】
 これは今、鋭意協議中でありますが、野党の皆さんにもまずはご理解をいただいて、一緒に実現するように働きかけを、今、政調会長にしていただいているところであります。それをちょっと推移を見守りながら、何とか皆の力で実現をしていけるようにしたいと思います。自信を持ってつくった対策でございますので、それぞれ中身はいろいろありますが、ぜひ実現したいと思っています。

○政治改革について(1)

【NHK】
 別件になるが、自民党がきのう政治改革案をまとめた。政策活動費については議員に対する渡し切りによる支出として政策活動費を法律上廃止するとした一方で、企業・団体献金の禁止には触れていない。自民党案に対する受け止めをお願いしたい。

【代表】
 まず、政策活動費はきっぱりと廃止ではないんですよね。いろいろまた書いているんですよ、条件を。それは何か新たなまたブラックボックスをつくるのではないかという懸念を持っているということです。まず印象としては持ちました。
 それから、政策活動費については、1993年から94年に、平成の政治改革の頃に議論をしたときの宿題であるはずなので、その宿題について全く議論の俎上にのせないというところには極めて私は疑問を持っています。ここは全然認識がまだ違うんだなと思います。
 あと、今ご指摘にはなかったのですが、第三者機関が、どうやら何かブラックボックスの中のところのチェック役みたいで、矮小化しているのではないかと、その役割を。もっと幅広く政治資金の入りと出をきちっとチェックするような位置づけにすべきではないかと思いますので、これもちょっと位置づけが矮小化し過ぎているという印象を持っています。

【NHK】
 確認で。末節なことかもしれないが、宿題とされたのを、政策活動費とおっしゃったが。

【代表】
 ごめんなさい、企業・団体献金。失礼しました。

【NHK】
 これに関連して、自民党が野党側に協議を呼びかけているということだが、こうした協議に応じる考えはいかがか。

【代表】
 公開するという前提に立つならば、その呼びかけ自体を否定するものではありません。
 ただ、あくまで、しっかりと国会の中で、特にこの政治改革に関しては政治改革特別委員会、この委員会の中で我々は野党案を提示して審議をしようと思っていますので、ぜひ、自民党が考え方をまとめたならば、自民党案なり、あるいは自公案なり与党案なり、お互いに出し合って堂々と議論をして、修正するところは修正をするという議論に持っていくべきではないか。自民党案・与党案を出さないで何か決めようとするのだったら、これはやはり姿が見えにくいので、公開からほど遠いことになってしまうのではないかという懸念を持っています。

【共同通信】
 今、野党案についての言及があったかと思うが、その調整状況、どのように進んでいるか。

【代表】
 調整中です。政治改革推進本部長を中心に、野党としての考え方をまとめようというプロセスに今あるというところです。

【共同通信】
 交渉の過程のことを伺って大変恐縮だが、具体的には、維新、国民民主党、一歩前進しているとか、どのような感触をお持ちか。

【代表】
 プロセスにあるとしか言いようがありません。

○経済対策について(3)

【共同通信】
 もう一点、追加で伺いたい。経済対策について、国民民主党が今回の協議に関与して公約実現へ一歩進んだ形となったが、立憲民主党はちょっと関与ができていない状況だ。これについての受け止めと、政策実現に向けて政府・与党に今後どう働きかけていくか、お考えを伺いたい。

【代表】
 立憲が関与できていないというのは、事前協議には我々は参加していませんから、関与していません。できていないのではなく、していません。
 「熟議と公開」の下でしっかりと自分たちの考え方を整理してまとめて実現できるように、例えば予算だったら、経済対策は予算に関わることですので、組替えをするとか修正できるかなどというのは、国会の中で議論していきたいと思います。

○政治改革について(2)

【朝日新聞】
 先ほども質問にあった政治改革に関連して。自民党が呼びかけている与野党協議だが、きのう公明党の中央幹事会後の記者会見で、立憲はこれまで「公開と熟議」が原則で、国会前の議論は難しい状況だったが、状況が変わったので政党間協議がスタートできる見込みになったと、公明党の記者会見でこういう発言があった。実際立憲としてはどういうふうに状況が変わったのか。

【代表】
 状況が変わったとは思っていません。公開の場で意見交換とか連絡を取り合う、考え方を聞くくらいは、それは国会前の準備としてはあるかもしれませんが、そこで何か協議してまとめるとか決めるという会には参加をしているつもりはないということです。従来どおり「熟議と公開」の下で、国会の中で、そのプロセスで決めていきたいと思います。

【朝日新聞】
 来週以降、仮に参加するにしても、その点が担保されていない限りは、そのテーブルにのることはできないということか。

【代表】
 まず公開なのかどうかで、そこはよく確認を今しているところだと思います。

【朝日新聞】
 代表がイメージされている公開というのは、どういうものをイメージされているのか。

【代表】
 私は、本来は政党間協議も、国会の中でのいわゆる各党会議みたいなやつは議事録が残るような形であるとかオープンな形でやるというのが原則だと思っていますが、国会の外でやるとしても、同じように、その種の担保があるかどうかというのをよく見ていきたいと思います。

【朝日新聞】
 政治改革に関連して。政治資金パーティーの禁止について伺いたいが、きのう自民党が出した案の中では外国人のパーティー券購入の禁止をうたっている。この点についてどう考えるか伺いたい。

【代表】
 我々も外国の法人とか外国人の方に買ってもらうというのは前から問題意識として持っていて、制限できるようにしなければいけないという問題意識はずっと持っていますので、これを具体的にどうやるかというのはなかなか詰めた議論が必要だと思いますが、方向感としてそれを否定するものではありません。

【朝日新聞】
 さきの国会では政治資金パーティーそのものを全面禁止する法案を出していたと思うが、そこから比べるとかなり差があると思う。立憲民主党としては、今回の協議、これ以降の協議の中でも、あくまでも全面禁止を求めていくというスタンスは変わりないか。

【代表】
 いや、選挙中から、全面禁止ではなく、個人として買っていただく分についてはパーティー(券)の購入をしていただくということは否定をしていません。企業・団体に買ってもらう形のパーティーについては廃止すべきではないかというスタンスであります。

【朝日新聞】
 であるならば、通常国会までは全面禁止を求めていたのが、企業・団体に限った禁止になったというのは、どういう考え方の整理の下にそうなったのか。

【代表】
企業・団体献金は廃止する。一方で、個人献金については、これは大いに奨励をしていこうと、そのための税制改正などもやっていこうという流れですので、逆に言うと、個人に買ってもらうということを否定するというのは論理の一貫性がないのではないかという意味からです。

【補足】
本日の野田代表定例会見でのご説明について

 本日の野田代表会見において、政治資金パーティーの開催禁止をお尋ね頂いた際、全面禁止から企業・団体のみ禁止に方針を変更したかのように伝わる部分がありました。

 自民党の派閥の政治資金パーティーに関する裏金事件を受け、政治資金パーティーについては開催を禁止する法案を第213回通常国会に提出しましたが、法案は与党の多数により否決されたことから、総選挙の政権政策では、政治資金パーティーについては、「まず、企業・団体や外国人による政治資金パーティー券の購入を禁止します。政治資金パーティー収入の公開規制を強化します。オンラインパーティーも政治資金パーティーに位置づけます」としました。

 これは、政治資金パーティーの開催禁止は目標として掲げつつ、多くの野党と協力して、より厳しい規制に向けて政治資金規正法の再改正を迫るため、資金力の力で左右されやすい企業・団体による購入の禁止など、「まず」やるべき改正項目を絞り込むことにしたものです。

 したがって、全面禁止を目標としつつ、まずは現実的な一歩として、企業・団体によるパーティー券購入を禁止する趣旨を述べたもので、本日の会見では、前提とする目標を十分ご説明しておりませんでした。その点、補足としてご連絡します。

立憲民主党政治改革推進本部
事務局長 落合貴之

【毎日新聞】
 政治改革に関連して伺いたい。先ほど野党案についてもお話があったかと思うが、与野党協議が始まり、その協議の中身だったり公開のあり方だったり、まだ見えない部分はあるが、代表のイメージされている野党案というのは、考えに共感できる野党で出す、つまり、その数だったりとか大きさというものはどういったものをイメージされているか。

【代表】
 できるだけ多くの野党にご賛同いただいて、まとめて出したほうが、自民党・公明党にその実現を迫るという意味では迫力がありますので、それがベストだと思いますが、でも、せっかく委員会があって、たたき台となる法案がないというのでは議論が進まないし、それこそ協議会で外側でやって物事が決まるというやり方では国民の前に議論の経過が見えませんので、可能な限り全体と思っていますが、全部がそろわなくても私は野党案はつくって委員会に提示して議論の俎上にのせるべきだと思っています。

【毎日新聞】
 現状、企業・団体献金でいうと国民民主党は慎重な姿勢というか慎重な言い方のところが続いているかと思うが、ここへの向き合い方は現状どのように考えているか。

【代表】
 反対とは言っていませんからね。可能性はあると思います。皆がそろえばとか、いろいろお話しされていますが、全面否定ではないということですので、あるいは、抜け穴があっては駄目とか言っているので、では、抜け穴を塞ぐためにアイデアをかしてほしいというようなことなども含めて、ぜひご一緒に法案に参画してほしいと思います。

○日本維新の会代表選について

【毎日新聞】
 別件で、もう一点伺いたい。日本維新の会の代表選に出馬されている吉村大阪府知事が、参院選に向けた1人区のあり方について、予備選の必要性だったりを発言されている。これについて野田代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 他党の、どなたが代表になるかまだわからない中で、あまり特定の方のコメントだけを取り上げては申し上げにくいのですが、たぶん有力な方のお話としては、1人に絞っていったほうがいいというお考えですので、そのことについては、方向性については認識が一致すると。やはり自民、あるいは公明党の組んだ1人区で野党が勝っていくためには、どうしても候補者を絞って戦うべきだと思いますので、方向感については一致すると思います。
 予備選というやり方を具体的にどうするか、これはなかなか難しいと思いますが、方向感が一緒だと思いますので、いいご提言をしていただいているなと受け止めています。

【毎日新聞】
 現状のお考えで構わないが、絞り方は、野田代表は協議で行うべきと考えるか、それに限らないと考えるか。

【代表】
 予備選というか、あるいは、お互いが合意した世論調査とか、いろいろなアイデアはあるのではないでしょうか。それはしっかりと、相手方のトップが決まったら、そういうことも含めてご相談をしていきたいと思います。

○首脳会議における首相の振る舞いについて

【TBS】
 石破総理の外交上の振る舞いについて伺いたい。APEC、G20サミットに出席したが、その際の振る舞いについて、外交上改善の余地があったのではないかという声が上がっている。首相経験者として、外交のシーンで留意した点なども含めて、ご見解を伺いたい。

【代表】
 国内でもそうですが、やはり自分の挙措動作というのは、誰がどのように見ているかわからないので、緊張感を持って常にいなければいけないと思います。だから、具体的にどの振る舞いがとは申し上げにくいのですが、ただ、全体的に、お疲れなのかわかりませんが、覇気のない感じがずっとありましたね。その覇気のないところが、いろいろなところの切り取りでは外交上の云々と言われるような姿に見えてしまったのではないかと思います。
 個別の一つ一つは申し上げられませんが、私も注意しなければいけない立場にかつていたときにベランダでタバコを吸っているのを撮られたこともありますし、常に気をつけなければいけないと思います。

【TBS】
 一部では、ほかの政党の方にもお聞きしたが、チームで支えるというところがなかなかなかったのではないかという意見もあった。というのも、写真撮影に遅れたり、チームで支えていくとすれば、実際にそういう促し、冒頭でこのような形で挨拶されたらどうですかとか、そういうチームで支えるというところが欠けていたのではないかという意見もあった。そういったところで、例を挙げると座ったまま握手したりとか、そういったところが、実際に総理経験者として、こういうことは無礼に当たるとか、何かそういった今回の石破総理の振る舞いに対して具体的にお聞きしたい。

【代表】
 具体的な話で、今お話しいただいた中で間違いなくよくないというのは、集合写真に遅れたこと。これはたぶん皆さんに迷惑をかけたと思います。どんな理由があったって、やはり遅刻してはいけないんですよ。世界の首脳が集まっている、皆さん忙しい人たちのところに。たぶん若干待ったりしたはずですよ、皆。これは必ず、間違いなくご迷惑をかけているので、パンクチュアルでなければいけない。
 我々もかつて、いや、私は遅刻していないけれども、ほかの中で遅刻常習犯みたいな人がいると、皆が迷惑でしたから。
 迷惑をかけたことは間違いないので、それはチームの問題なのかどうかわかりませんが、日本の外交としては猛省しなければいけないと思います。

○「りっけん政治塾」について(1)

【時事通信】
 「りっけん政治塾」について伺いたい。政治塾、これは衆院選に向けてというか、参院選に向けてというか、どちらも含めてということなのか。

【代表】
 当面参議院を考えていますが、衆もいつあるかわかりませんので、結局両にらみになると思います。

【時事通信】
 どれくらいの方にご参加いただきたいといった、そういった目標のようなものはあるか。

【代表】
 できるだけ多くの方にと思いますが、前回500人だったので、おそらくそれ以上の方にはご参加いただけるのではないかと期待をしています。

○政治的立ち位置と衆院選の結果について

【産経新聞】
 少し細かく刻んで質問していきたい。まず、抽象的な質問になるが、野田代表ご自身はご自分のことを保守政治家と自認されているのか、されていないのか。また、その理由について伺いたい。

【代表】
 あまりそうやって画(くわく)して考えていませんでしたが、中道政党の今リーダーですから、中道だと思っています。

【産経新聞】
 世間一般からは野田代表について保守的なイメージを持たれているが、そういったイメージを持たれているということは認識されている、自覚されているか。

【代表】
 そうですね、そういうイメージは持っていただいているのではないかと思いますし、例えば地元の応援団を見ても、そういう色分けで見ると保守的な人たちのご支持もたくさんいただいているということは事実だと思いますので、それを否定するつもりではありません。

【産経新聞】
 そういった中で、先日取りまとめた衆院選の総括で、「保守層の取り込みや、無党派層からの安定した支持を得た出口調査等の結果が出ており、『真ん中層』を取り込むという前回選挙からの課題への対策は、一定の成果につながった」としているが、そういった野田代表ご自身が有権者から持たれている保守的なというイメージがこの結果にはどのように作用したとお考えか。

【代表】
 そこはなかなか難しいですけどね。数字で分析しにくいところで、そういう新しい支持層を獲得できたのか、逆にコアな支持層が減らなかったのかなど、総合的に判断をしなければいけないだろうと思います。

【産経新聞】
 一方で、政策的には、例えば安保法制の違憲部分の見直しとか、憲法については論憲、女性宮家の創設とか、曖昧な言い方になるが、いわゆる保守の政策とはちょっと離れたような政策も盛り込まれている。どういった部分の政策が保守層の人たちに響いたとお考えか。

【代表】
 いや、それはちょっとわかりませんね。どの政策が保守層にということを意識して言っているわけではありませんが、ただ、例えば外交では日米同盟が基軸であるということなど、現実的な主張もしておりましたので、受ける受けないではなく現実的な政策を訴えたつもりですので、そのことがもしかすると評価につながったならば、そういうことなのかなと思うところです。特に意識して発信したわけではありません。

○外交・安全保障政策について

【フリーランス】
 臨時国会が始まるが、補正予算の中で防衛予算についての精査というか見直しについてはどのように考えていらっしゃるか。それと、選挙の公約でも掲げていたが、辺野古の基地建設の中止については、どのように政府に対して求めていくのか。まず、この点について伺いたい。

【代表】
 防衛予算は常に精査をというか、例えば2023年度でも1300億円を使い残したりしたわけでありますし、防衛増税についても、前の執行部にいた中枢の人が増税する必要はないとまで自民党内でおっしゃっていたくらいですから、常にこれはよく精査していきたいと思います。
 それから、辺野古については、これは従来どおり、しっかりと、いわゆる沖縄の負担軽減という観点から沖縄県民の皆さんの声もよく聞きながらの対応をしていくということだと思います。

【フリーランス】
 防衛予算の内訳、例えば去年の補正予算ではスタンド・オフ・ミサイルの整備や弾薬の早期確保というところでかなりの額も費やされているわけだが、こういった具体的な項目について、この点については精査を徹底していきたいというような内容は。

【代表】
 まだ補正予算は出てきていないので、項目も数字も。だからコメントしようがありませんが、その出てきたものについてはよくチェックしていきたいと思います。

【フリーランス】
 ことしは日本被団協のノーベル平和賞もあった。2017年のICANの受賞と続けて。核兵器禁止条約の批准や国際会議へのオブザーバー参加を求めるというご発言もあるわけだが、これについては臨時国会で石破政権に対して強く求めていく考えはあるか。

【代表】
 12月10日にノーベル平和賞の授賞式だと思います。タイミング的にも取り上げるべきテーマだと思っていますので、核兵器禁止条約の3月の締約国会議にでもオブザーバー参加すべきであるということは、代表質問なり予算委員会なりで、自分の出番のところで主張していきたいと思います。

【フリーランス】
 もう一点だが、先日、国連の女性差別撤廃委員会の最終見解で、選択的夫婦別姓や皇室典範の問題などが、マスコミでも多く取り上げられたが、日本政府に対して勧告が出た。沖縄の米軍基地の軍人による性暴力事件や、旧日本軍慰安婦の問題は2015年の日韓合意では未解決であるといったような勧告も出ているが、こういった国連が出した人権勧告をどのように履行していくか。例えば国内人権機関の設置みたいなこともずっと選挙公約の中には掲げているわけだが、こういった国際的な人権問題に対してどのように取り組んでいくか。臨時国会とか通常国会に向けて何か取り組んでいきたいというお考えはあるか。

【代表】
 これは臨時国会とか通常国会という形の国会の中で限るかどうかは別として、人権外交というのは大きな柱だと思っていますし、人権外交を推進する上では国内の人権に関わる問題についても常に敏感でなくてはいけないという立場でありますので、あまり国会、臨時国会とか通常国会という枠ではなく、常に意識は持っていきたいと思います。

○「名古屋市長選」「参院選・都議選に向けた取組」について

【日本経済新聞】
 まず、名古屋市長選挙に関連して伺いたい。立憲も推薦を出している大塚さんと、減税日本や日本保守党が推薦している広沢さん、接戦が伝えられている。相手方の広沢さんは、市民税の減税の継続など、そういったところで、負担の軽減みたいなところで支持を広げているように見える。衆院選の国民民主党などもそうだと思うが、負担減とか消費税の減税とか、そういったところをわかりやすく伝えることでワンイシューな形で支持を広げる勢力が目立つように感じるが、参議院選や都議選に向けてどう対応していくか、お考えを伺いたい。

【代表】
 それは減税と言えば聞こえはいいですし、ご負担をお願いするよりは、それは有権者の支持が得られやすいと思う人たちもいるかもしれませんが、ケースによりますよ、自治体の問題と国の問題とまた違ったりしますが、逆に将来の世代に対して負担を押しつける形になるのではないかと、逆にそちらの面で敏感な人たちもいますので、どんな形にせよ税についてはきちっと論理的に説明をしていくということが大事だと思います。
 減税だから人気があるというと、必ずしもそうではないのではないか。名古屋についても、そのワンポイント・イシューだけで、今、流れができているのかどうか。これはよく分析をしなければいけないだろうと思いますが、我々は大塚さん、ご要請もあったので推薦をさせていただきましたので、投開票日まで一生懸命応援をしていきたいと考えています。

【日本経済新聞】
 減税に限らないが、SNSの選挙戦を踏まえて、どうわかりやすい公約をつくっていくか。その点については、参議院選挙や都議選に向けて、どう臨んでいきたいか伺いたい。

【代表】
 これは大いに、わかりやすいメッセージ。いい政策、中身は詰めても、メッセージの出し方がわかりにくいと伝わらないものですから、特にここはよく我々は反省点として持ちながら、参議院選挙ではわかりやすくメッセージを出す、発信できるように努力をしていきたいと思います。

○政治改革について(3)

【日本経済新聞】
 もう一点、別件で伺いたい。先ほど出た企業・団体献金に関連して伺いたい。10日ほど前に、国民民主党が賛成するのであればというところで、立憲が主張している企業・団体献金の法案で政治団体を除くというところをなくしてもいいという趣旨の発言をテレビ番組でされていたかと思うが、国民民主党が賛成するかにかかわらず、その条文についての考えを改めて伺いたい。

【代表】
 大いに、いろいろな党の意見を成就させるためには、意見を聞いていきたいということであります。抜け穴というならば、その穴がなくなるようにするというのは当たり前のことで、実効性のあるものにするにはどうしたらいいかというところで、どうやって合意をできるかという議論はしていきたいという趣旨で申し上げさせていただいています。

【日本経済新聞】
 ということは、合意に向けては、まだ削除は選択肢としては残されていると。

【代表】
 政治団体の中でも、その定義の仕方とかいろいろあるではないですか。それが納得できましたというものならばそれは前進するわけなので、その詰めた議論をぜひ一緒にしたいと思います。

○選挙活動のあり方に関する議論について

【フリーランス】
 斎藤知事が再選した兵庫県知事選について、政治と金の問題にも絡む重大な問題を含んでいると思うのでお聞きしたいが、21日の朝日新聞は、「立花氏、当選を目指さず立候補」という見出しで専門家のコメントを紹介し、2馬力の選挙戦はフェアとは言えぬという指摘がある。立花氏は本人の当選を目指さず斎藤氏を応援すると言って、ほかの候補陣営よりも2倍の選挙カー、選挙ビラ等の選挙戦が展開できたということで、1陣営だけ2馬力、倍の選挙ができたと。これは明らかに不公平な選挙ではないかと選挙プランナーの三浦博史さんが指摘している。あわせて、公選法に本人の当選を目的としない立候補は認めないように明記すべきだと指摘しているが、この問題提起について受け止めをお願いしたい。

【代表】
 ご本人が問題提起したのですか。

【フリーランス】
 いや、兵庫県知事選に対して、選挙プランナーの三浦博史さんがコメントしている。フェアではないと。

【代表】
 そういう意見ももちろんあるだろうと思いますが、投票率が非常に高い中で、そういう民意の中で選ばれた選挙ですので、その結果については私はやはり重たく受け止めなければいけないと思いますが、その中で、今ご指摘いただいたようなことも含めて、これはなかなか難しい問題でありますが、例えば選挙の当選目的ではない立候補というのは、今回だけではなく、いろいろなケースがあるのです、実は。例えば同姓同名の人が地方選挙や首長選挙に出るなども含めて、これはよく冷静な議論をすべきではないかと。
 このことだけではなく、もうちょっと広げながら、公選法のあり方については丁寧な議論をしたほうがいいのではないかと思いますし、SNSに関連しても、今回負けたほうの後援会が、今、問題提起を、司法の判断を求めていますが、そういう動きなどもよく注視していきたいと思います。

【フリーランス】
 その民意というのは、公正なルール、公平性が担保された状態での選挙での民意だと思うが、今回は明らかにゆがめられた選挙、2馬力の選挙戦ということだが、1台の車だけ2馬力で、ほかの車は1馬力で競争したら、不公平な状態での結果なので、これは公選法違反の疑いが強い、脱法行為ではないかと。こんな選挙がまかり通ったら、お金がある陣営がどんどんそういう候補、ダミー候補というか応援候補を立てれば有利になってしまう。こういう状態はすぐにでも国会で公選法を改正すべきではないかという趣旨でお聞きしているが。

【代表】
 すぐにでもというべきなのか、冷静に丁寧にと考えるべきなのか、ただ、議論の余地は十分にあると思います。

【フリーランス】
 今後どういう議論を。党内のヒアリングとか、立花氏を参考人招致するとか。

【代表】
 そこまで特定の方をどうのというようなクイックレスポンスをすることはないのですが、よく、冷静な、丁寧に、いろいろな声も判断材料としながら考えていきたいと思います。

○「りっけん政治塾」について(2)

【「FACTA」】
 野田「りっけん政治塾」について伺いたい。元総理の野田さんの政治塾だから当然人気が出るのだろうと私は想定して、要綱を読んだら、政治の最優先課題は何かと400字の小論文で、ただ、その後、抽選でと書いてある。リアルを含めて最大何人くらい集めるつもりなのか。先ほどのご発言では、別に参議院の選挙もあるでしょうけれども、やはり広く来てほしいと。年代も含めて。その辺は、野田さんの政治塾なのだから、どういうふうに思っているか。それの割には、これを見ると1回しか出てこないが、その辺はどういうことになるのか。やはり次に総理を目指している方の塾なのだから、泉さんとはもう違うと私は思うが、その辺のことを伺いたい。

【代表】
 今、事務的な話を聞きましたが、一定の選考はして、抽選ではないと。

【「FACTA」】
 抽選と書いてあるが。

【司会(事務局)】
 抽選はしません。一定の選考はします。人数規模について制限はありません。

【「FACTA」】
 何とか要項に、抽選と募集要項に書いていないか。

【司会(事務局)】
 書いていないです。

【「FACTA」】
 消しちゃったのかな。

【奥野役員室長】
 一つの会場に入れるとか入れないとか、そういう問題は出てくると思うのですけれども。

【「FACTA」】
 それはいいが、どういうルールで。では、抽選で行くのではなく、選考なのですね。

【代表】
 抽選ではないと。選考ということですので。
 規模感は、どうしてもその会場の都合、党本部とかでやる場合だと一定の、オンラインでも含めてでしょうけれども、そういう制限はあるかもしれませんが、でも、大いに参加者が増えることは望ましいと思うし、先ほどは参議院とか、あるいは場合によっては衆議院と申し上げましたが、広くそういう関係性が出てきたならば、地方議員選挙なども含めて、あるいは、そのほかのボランティアとしての応援団としても、やはり大事な人材確保だと思っています。

○各界からのヒアリングについて

【「FACTA」】
 私はある種の国会でのニューノーマルと、この頃それで取材をしているが、新しい新業態ですね。きょうの国対ヒアリングを見ていたら、奥野先生も出ておられたが、いわゆる財界、日本商工会議所の幹部がそこにいた。国対ヒアリングで財界の幹部が、どちらかというと陳情のような意見を言うというか、そういう形で来ているのはあまり今までなかったように思う。(事務局の)関田さんに聞いたら、やはり来ていないのではないかと言っていたが。その辺のことを含め、野田さんは元総理だが、いわゆる経団連とか関経連とか日商を含め、そういう幹部とも普通に議論して、やはり問われているのは政権担当能力があるのかというのを認めてもらわないといけないわけだが、総理時代はたくさんつくられたと思うが、そういうのがみんな目詰まりしたと思うが、今まで目詰まりしていたいろいろなパイプをどんな方に広げていこうとお考えになっているのか伺いたい。

【代表】
 やはり我々は国民政党ですからね。特定の支持団体だけではなく、特定の支持層だけではなく、幅広い団体や個人から意見を聞いて政策を練っていくという形にしたいと思いますので、きょうは商工会議所の皆さんからのヒアリングでしたが、実際に私だって奥野さんだって本庄さんだって地元では中小企業・小規模事業者の皆さんのご支援はいっぱいいただいているわけで、そういうある種皆さんの声でもあるので、しっかり受け止めていかなければいけないと思います。ということで、これからもどんどんと幅広く聞いていきたいと思います。

(以上)