立憲民主党は12月13日、党税制調査会で取りまとめた「2025(令和7)年度税制改正に関する主要提言」を加藤勝信財務大臣に申し入れました。申し入れには党税制調査会の大西健介会長、岸真紀子副会長、道下大樹事務局長、村田享子事務局長代理が参加し、提言を手交した後、加藤財務大臣と意見交換を行いました。
現在、日本の経済・社会は、未曽有のコロナ禍を乗り越え、約30年ぶりとなる物価高を経験するなど、大きな変動期にあり、この過程でさまざまな課題や矛盾が顕在化してきています。こうした状況に鑑み、国民の生活に直結する税制についても、適切に改革・アップデートするのが政治の責務です。
与党の過半数割れにより、税制の決定過程は大きく変容し、従来のように、事実上、与党内の密室の議論のみで税制が決められる時代は終焉を迎えました。立憲民主党は、政権を担い得る野党第一党として、国の根幹を成す税制の重要課題について、責任ある「現実的な解」を示し、「熟議と公開」の国会の下で、その実現を目指していきます。
今回の提言は、こうした基本的な認識・方針の下に取りまとめたもので、以下の11の大項目で構成されています。
1.「防衛増税」の撤回
2.いわゆる「103万円の壁」問題への対応
3.扶養控除の存続 ─ 児童手当の拡充に関して
4.公平・中立な退職所得課税改革
5.暮らしのリスクを低減する税制の拡充
6.働く現役世代を支える観点からの税制見直し
7.中小・小規模事業者等の活動基盤の整備
8.自動車関係諸税の簡素化・負担軽減、脱炭素化
9.再分配機能を強化する抜本的な税制改革
10.地方税財源の安定的な確保
11.納税環境の整備
参加議員からは、提言のうち特に、(1)いわゆる「103万円の壁」問題に関して、基礎控除の合理的な範囲での引き上げと地方の減収への対応、(2)40年間据え置かれている食事手当の非課税限度額の引き上げ、(3)簡素・中立・公平・透明、応能負担を原則とした税制改革の実現──などについて要望しました。
申し入れ後、記者団の取材に応じた大西税調会長は「今、与党だけでは過半数に届かない状況にあるので、これまでのように、与党内の密室の協議によって税制を決める時代は終わったのではないか。私たちは、『熟議と公開』の国会の場でいろいろなことを決めていくべきだと思っているので、しっかりと意見は言わせていただくが、協力して良い税制を作り上げていきたい、というお話をさせていただいた」と意見交換の内容を報告しました。