参院予算委員会では3月14日、集中審議が行われ、森本真治、岸真紀子各参院議員が質問に立ちました。

■森本真治議員

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 森本議員は(1)石破総理の商品券配布問題(2)核兵器廃絶(3)賃上げ(4)医療機関の賃上げ、経営危機の問題――等について質問しました。

(1)森本議員は「今国会の重要テーマは政治の信頼回復。国会として議論している」「野党も政治への信頼回復に責任をもって取り組まなければならない」と述べた上で、昨日から報道されている石破総理が自民党15議員に商品券10万円分を配布した件について質問しました。
 石破総理は、10万円は「私的な食事会」のお土産として配ったこと、「1年生15名。私、官房長官や官房副長官も同席し18名」が参加したこと、1人あたり1万5千円の食事代もすべてポケットマネーから出したこと等を明らかにしました。
 森本議員は「私費で払われたとのことだが、ポケットマネーとは信じがたい」と指摘し、昼の参院議事運営委員会の理事会の場で「官房機密費を使ってないのか」「総理は官房機密費を使えるのか」との問いに官房長官は答弁せずに「総理に聞いてくれと答え、否定しなかった」と説明し、改めて総理に問いました。
 石破総理は「私費。議員を40年間近くやっていると、それなりに自由に使えるお金がある」と発言しました。「法に抵触しない」と石破総理が述べていることに対して、森本議員は「自身の判断か。専門家の判断か」と確認しました。石破総理は「当然、専門家に常に確認しながらやっている。大勢の方々にいろんな思いを抱かせて申し訳ない。改めて弁護士に確認中」と答えました。

(2)核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を日本政府が見送ったことに関連して、現地の会議に参加した森本議員は「参加見送りに対して、被爆者をはじめ大きな失望の声が上がっている」と指摘し、「核の傘にある国がその後、どのような状況になっているのか」「拡大抑止の信頼性が損なわれるのも不参加の理由。検証の結果、オブザーバー参加の国々で核抑止力の信頼が揺らいだ実例はあったのか」と政府に問いただしました。
 また森本議員は「核兵器が使われてはいけない。核のタブーの強化が重要である。今回の締約国会議でも、なんでも反対ではなく、きわめて論理的に議論がなされている」「核なき世界。核のタブーについて広く国際社会に訴えていくしかない。この観点からも日本は国際社会から多くを求められている」と国際社会が日本に求める役割について言及しました。

■岸真紀子議員

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 岸議員は、(1)年金関連について(2)介護関連について――石破総理をはじめ、関係閣僚に対して質問しました。

 冒頭で岸議員は、石破総理が10万円の商品券を当選1回の議員15人それぞれに渡したことに言及し、「ポケットマネーで出したとしても、10万円という額は社会通念上のお土産の範疇を超えている。自民党という組織はお土産という概念に10万円という多額なお金が飛び交う世界なのか」と問いただしました。石破総理は政治活動ではなく慰労の意味で渡したなどと述べた上で、「お叱りは受けなければならないと思っている。ご指摘は大変申し訳なく、私の足らざるところでした」などと答弁しました。

 岸議員は、石破総理に対してしっかりと調査して予算委員会の理事会に報告するよう求めた上で、「クリーンな政治にしていこうと衆参、与野党で議論している。法的に問題が無いとしても社会通念上理解は得られない。怒りを超えてあきれられているのではないか」と突き放しました。

 年金制度改革案の提出が先送りにされるのではないかとして岸議員は、「与野党で今国会で特に重要な『重要広範議案』であると指定した。今日が提出の締め切りの目安だがいまだに提出されていない。一部報道では参院選があるから調整に時間がかかっているとも。年金制度は多くの国民の皆さんに関係するもので、『熟議と公開』の国会の場で議論していくことが大事だ」と石破総理に質問しました。石破総理は、「提出に向けて努力している。自民党に対しても提出に向けた調整を急ぐよう指示を出した。参院選があるから選挙目当てに見送るとかそんなことはない」と答えました。