衆院予算委員会で4月14日、米国の関税措置をテーマに集中審議が行われ、野田佳彦代表が質疑に立ちました。
野田代表は米国の追加関税について「危機を感じている。春闘をやっている。物価高を超える賃上げを、官民あげて実現しようとしている最中に、先行きへの不透明感、実態経済へのさまざまな影響は賃上げの原資を取りあげてしまう。中小企業の雇用主のマインドは、冷たい水をあびてかなり冷え込んでいる。物価高を超えた賃上げに向けた、日本の経済の好循環のシナリオが根底から覆ってしまう」と強い危機感を示しました。
石破総理が「国難」と表現したことに関連して、野田代表は、総理の危機感の背景について質問しました。
石破総理は「冷戦が終わった後、共産主義は終焉したと勝利感に浸った。今は大きく変わってきた。中国の台頭は当時ここまでのことになるとは予想していなかった。経済、安全保障においても根本から状況が変わった。経済面、安保でも中国を念頭に置きながら、アメリカと共に世界にどのような役割を果たすか。アメリカと共に何ができるか、考えていかなえればならない」と答えました。
野田代表は「国難を突破するために、野党第一党として政府の後押しをする用意はある」と言明しました。そして、立憲民主党としても、雇用調整助成金の要件緩和等、具体的に提案することを改めて明らかにしました。

野田代表は「1回目の交渉が大きく前進することを期待したい。第2次トランプ政権にはイエスマンが揃っている。局面打開にはトップ同士の直談判が必要。総理は果敢にアメリカ大統領と交渉してほしい」と石破総理に求めました。
そして、野田代表は「関税はお互いに合意をして率を決めてきた経緯がある。勝手に変えるのは国際的なルール違反、WTO違反であるということが、毅然たる交渉の前提」、2019年に締結した日米貿易協定などをあげ、「追加関税を課さないことをトランプ大統領と確認している」と指摘。「日米貿易協定違反ではないかと問うべき。違反しているならば、権利義務関係をリセットする構えを示す」必要性について言及しました。
トランプ大統領の「理不尽な非関税障壁という考え方がおかしいときちっと言うべき」と石破総理に求めました。野田代表は、自動車だけでなく米についても「根拠のない数字が出てきたら、直ちに訂正してほしい」と強調しました。
さらに、野田代表は、G7やG20をあげて「アメリカアローンにならないように、日本はもっとアメリカを引っ張り込んでいく努力が必要」「保護主義の台頭に警鐘を鳴らし、自由貿易の旗を振る。大きな外交経済戦略を持つべき。その一つがまずはTPP、されにRCEP、これらを包括するなど、日本は自由貿易づくりの先頭に立つべき。日本だけの例外を求める小さなゴールではなく、大きな構えで先頭に立つことが必要」と強調しました。
特にTPPについては野田代表は、「日本が事務局を持ったらどうか。総会をやって自由貿易を守って行こうと提案したらどうか」と具体的なアクションを提案しました。