衆院憲法審査会が4月10日、「憲法改正国民投票法を巡る諸問題」のうち「ネットの適正利用、特にフェイクニュース対策」をテーマに開かれ、立憲民主党の岡田悟、米山隆一、重徳和彦の各議員が党を代表して意見を述べました。 岡田議員は、SNS等における虚偽情報や個人の誹謗中傷が大規模に拡散され選挙結果を左右する現状について取り上げました。兵庫県の元幹部が斎藤知事のパワハラ疑惑などを公益通報したことをめぐり、岡田議員は、「告発者の方やこの問題を追及していた元県議会議員の方にまつわる虚偽情報、誹謗中傷がSNSや動画投稿サイト等を通じて広く拡散された」と指摘し、しかも「選挙で選ばれた公職にある者がフェイクニュースの情報源となった事実は、極めて深刻に受け止めなくてはなりません」と述べました。

こうした深刻な状況の中で憲法改正の国民投票を適切に実施するための方法について、岡田議員は、①拡散された虚偽情報について、SNS事業者から情報提供を受け、広報協議会が付随的情報提供を行う、②SNS等で金銭を支払って虚偽情報や誹謗中傷を拡散させる収益化問題は国民投票では罰則を設けて禁止する、③広報協議会とファクトチェック機関、SNS事業者との連携――などを検討すべきであると提案しました。
米山議員は、他党に質問しつつ、言論空間における健全性確立の必要性について主張しました。偽情報や誹謗中傷にあふれる現在のSNS上の言論空間において、「国論を二分する憲法改正の国民投票を行った場合、その賛否を問う活動をする人、市民の方々までもが標的にされ、激しい偽情報や誹謗中傷にさらされ、それによって投票結果が大きくゆがめられる事態が生じる可能性の方が高いと考えざるをえない」と指摘し、刑法や情報流通プラットフォーム対処法等の諸法令を改正、整備する重要性を訴えました。

重徳議員は、日本国民が現在使用しているSNSサービスのほとんどは外国のデジタルプラットフォーマーが提供している現状について懸念を示しました。例えば昨今、書籍は町の本屋で購入するよりネット販売が増加するなかで、「日本国民が読む書物の選択に特定の外国企業が過度に関わることは問題である。私は町の本屋さんを守りたいと思っている」と述べ、海外の法令なども参考にしながら、一定の法的措置の必要性を指摘しました。

