小川淳也幹事長は5月13日、定例の記者会見を国会内で開催。(1)オードリー・タンさんとの「デジタル民主主義」に関する意見交換 (2)参院選挙に向けた取り組み(3)米国との関税交渉(4)石破総理の「闇献金」問題――等について発言しました。

 来日中の台湾のオードリー・タンさんと12日に意見を交わしたことについては、「新しい時代のデジタル民主主義について議論した。非常に有意義であり、得た知見を党内にぶつけるべく努力したい」と述べました。

 参院選挙に向けては、「週末に青森、岩手に行ってきたが、現職、新人それぞれ選挙対策が充実した形で進んでいることを確認した」と報告。12日の役員会では参院選選挙公約について討議したとして、「食料品の消費税ゼロを当面の軸としつつ、長期的な課題についてもしっかりとソリューション(解決・解答)を提供する。財源も意識した責任ある減税と、将来に向けた安心の両建てでしっかり信任を得られるようさらに議論を詰めていきたい」と述べました。

 米国と中国の両国間で相互に発動した関税率を115%ポイント引き下げることで合意したことを受け、「さて日本はどうするか。7月9日まで90日間の猶予を得ているが、イギリス、中国と足早に結論を得ている状況に鑑みると、日本も結論を急ぐべき」だと指摘しました。

 石破総理が支援者からのパーティー券収入などを政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあるとする問題をめぐっては、当事者の男性が12日に記者会見を開き、証人喚問にも応じるとも話していることに、「相当な思いだと受け止めた」と発言。一方で、物的証拠がないなかでの論争になっているとして「ニュートラルに双方の主張を聞きたい」と述べ、「身に覚えがない」とはぐらかしている石破総理に対して、仮に全く根拠がないのであれば重要な問題であり明確な対応を取ってもらいたいと注文を付けました。


小川淳也幹事長記者会見

2025年5月13日(火)10時30分~10時47分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/qL0QuGmYLNI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、定刻となりましたので、本日の幹事長記者会見を始めさせていただきたいと思います。冒頭、幹事長より発言をさせていただきます。

○オードリー・タン氏を招いての勉強会を開催

【幹事長】
 おはようございます。
 きょうは常任幹事会がございませんので、午前中、玉木さんと同時刻ですか、応答させていただきたいと思っています。
 まず、昨日、オードリー・タンさんをお迎えして、新しい時代のデジタル民主主義について討論・議論させていただきました。本当に世界に名立たる方をお迎えしての勉強会、非常に有意義でした。ご協力をいただいた皆様に感謝申し上げたいと思いますし、また、昨日得た知見を党内においてしっかり身につけるべく努力したいと思っております。

○地方行脚について

【幹事長】
 先週は青森・岩手に行ってまいりました。現職、新人、それぞれ選挙対策が充実した形で進んでいるということを確認したところでございます。
 今週末は滋賀・京都・大阪と行脚させていただきたいと思っています。

○参院選公約等について役員会で議論

【幹事長】
 第三に、昨日、役員会で様々参院選公約等について討議いたしました。食料品の消費税負担を引き下げる、ゼロにするということを当面の軸としつつ、より長期的な課題についてもしっかりとソリューションを提供するということで、財源も意識した責任ある減税、将来に向けた安心、この両建てで、しっかり信任をいただけるように更に議論を詰めていきたいと思っています。

○米国との通商交渉について

【幹事長】
 昨日、アメリカと中国との間で一定関税交渉が決着を見たようであります。割と早い結論だったという印象を受けています。
 さて、日本はどうするかでありますが、7月9日まで90日間の猶予を受けているのだと思いますが、イギリス・中国と足早に結論を得ている状況に鑑みますと、日本も結論を急ぐべきであると。7月ということを石破さんが仮におっしゃっているとすれば、遅きに失しているということを申し上げたいと思います。一刻も早く、妥結に向けて、全力を挙げていただきたいと思います。

○石破首相の闇献金疑惑について

【幹事長】
 最後に。昨日、石破さんが場合によっては裏金を受け取ったのではないかということについての、当事者の会見が行われたようであります。当事者の方は証人喚問にも応じる決意であり覚悟だということですから、相当な思いだと受け止めました。
 ただ、残念ながら物的証拠がない中での論争になっていますので、私どもとしてもニュートラルに双方の主張を聞きたいと思っていますが、石破さんは、身に覚えがない、つまり記憶にないということで、はぐらかしておられるのか。それとも、そのような事実はないとはっきりおっしゃっているのか。そこを明確にしていただきたい。
 仮に、そのような全く根拠のない難癖をつけられているということであれば、これは重大な問題ですから、法的措置を取るなり、しかるべき対応をすべきではないかと、逆にですね。身に覚えがない、記憶にないなどといった言いごまかしは、場合によっては事実なのではないかということを疑われてもしようがない。そういう意味で、非常に中途半端であると。きちんと明確な対応を、(事実では)ないならないで、取っていただきたい。そのことは申し上げたいと思います。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 それでは、ここからは質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてお願いします。

○経済対策について(1)

【NHK】
 物価高を受けた経済対策の関連で伺いたい。けさ自民・公明両党の幹部が会談し、対策の中身については財源も含め検討を進めていく方針を確認した。また、公明党のほうは減税や給付も含め検討すべきだと重ねて主張した。幹事長の受け止めや、改めて立憲民主党として減税などの経済対策の考え方を伺いたい。

【幹事長】
 まず、先週も申し上げましたが、二転三転、ぶれているという印象を持っています。そして、遅きに失しているという印象を持っています。
 中身を見ないと、全く論評のしようがありません。現段階においては、我がほうが、代表、そして昨日の辻元代表代行がおっしゃっている、「与党側・政府側は無策ではないのか」という批判が該当すると、当てはまるという認識です。

【NHK】
 改めて、立憲民主党として、食料品の。

【幹事長】
 先ほども申し上げましたが、まず短期的には、この物価高の下における国民生活に寄り添うということで、食料品にかかる消費減税、消費税率ゼロを軸とした応急的な緊急の措置を重んじたいと思っています。
 その上で、雇用や社会保障、さらには食料生産、環境、エネルギー、あらゆることで長期的な構造問題を抱えていますから、これに対するソリューションをしっかり提供することで、今の安心と、将来への希望、こうしたものを両立させる総体としての経済社会政策をしっかり訴えていきたいと思っているところです。

○石破首相の闇献金疑惑について

【共同通信】
 冒頭ご発言あった石破総理の不記載の疑惑について伺いたい。告発された元支援者の方が昨日の記者会見で参考人招致や証人喚問に応じる覚悟はあるとおっしゃっており、幹事長は先ほどニュートラルに見守っていきたいということだったが、立憲民主党としては現状、参考人招致等については慎重に検討をしている段階と、そういう捉え方でよろしいか。

【幹事長】
 一つの選択肢として可能性を含んでいますが、まだ明確に意思決定している状況にはありません。まずは、当座、石破さんの説明責任を求めたい。そういう立場であります。

○参院通常選挙に向けた取組について(1)

【産経新聞】
 夏の参院選の候補者調整について伺いたい。国民民主党との候補者調整について、滋賀選挙区において連合滋賀が国民民主党の候補者に推薦を出す方針を決めた。立憲民主党としては滋賀にも候補者を出しているが、今後党としてどのように対応するのか、お考えを伺いたい。

【幹事長】
 この週末、滋賀に参ります。そして、かねてから申し上げているように、1人区は一本化が望ましい。一本化に越したことはない。そういう考えに変わりはありません。
 ただ、両党間の関係を全体として申し上げると、局所的・局部的な選挙区調整のみでは非常に効果が限定的で、なおかつ、フェアとは言えないという意味において、ほかにもバッティングしている地域があります。それから、複数区においてはお互いにウイン・ウインでなければならないという、全体的な関係の中で、この滋賀の取扱いについては鋭意検討を進めたい。
 そんなに時間がないということは自覚しています。

【産経新聞】
 ほかにもバッティングしている地域があると言及があったが、1人区において国民民主党と競合している選挙区としては奈良と福井がある。これら二つの選挙区においても一本化が望ましい、一本化を進めていきたいとお考えか。

【幹事長】
 一本化が望ましいという考えに変わりはありません。
 具体的にどのように進めていけるか。これは国民民主党に限らず、維新、また、その他の野党を含めてになりますが、いよいよ時期が迫っているということを十分意識・自覚をして鋭意取り組みたい。そう思っています。

【朝日新聞】
 産経さんの質問に関連して伺いたい。野党間の候補者調整に関して、野田代表がけさ八王子でのぶら下がりで、維新との予備選や維新との調整について、幹事長と大串さんが今週詰めの協議を各党とやっていくと発言されていた。幹事長としてはいつ頃までに、どういうふうに交渉を進めたいか、改めてお願いしたい。

【幹事長】
 かねてから、連休明けは一つの節目だと申し上げてまいりました。これが5月の下旬に入ると連休明けとはもはや言い難い。そういう意味では、今週、遅くとも来週前半、この辺りが勝負だという認識です。

【朝日新聞】
 今週、来週の前半というのは、あくまでも維新との調整についてのめどか。

【幹事長】
 願わくは同じタイミングで、国民民主党さんにもちゃんと協議のテーブルに着いていただくということが望ましい。おそらく連合滋賀も今回苦渋のご決断だったと思いますが、そういうことを望んでおられ、国民民主党さんにも直接・間接に伝えているということを漏れ聞いておりますので、それが望ましい。国民民主党も合わせて、この連休明けのタイミングで、野党間のしっかり連携を図るんだという意思表示が外から見えるように。  ただ、現状まだそれは国民民主党さんに関しては距離があるという認識も一方にありますので、まずはできるところからやっていきたい。そう思っています。

【朝日新聞】
 関連で、最後に伺いたい。今お話を伺っていると、維新と国民民主党との調整がかなり眼中にあるのかなと感じたが、バッティングしている数だけを見ると共産党との競合が一番多いかと思う。この共産党との調整をどうされるか伺いたい。

【幹事長】
 まず、維新・国民を含め、いわゆる中道系の主要野党でしっかり足並みをそろえ、自民党・与党候補と互角ないしそれ以上の戦いをできる環境づくりというのが先決であると。
 その上で、特に昨年の衆議院選挙を振り返ってもそうなのですが、いよいよ激戦区・接戦区になりますと、共産党さんを含めた他の野党も含めて極力足並みをそろえられることが最も望ましい。そうしますと、支持団体たる連合さんにも、共産党さんを含めて選挙区調整は目をつぶると、容認するということを伝えていただいているわけですから、その幅の中で、あたう限りの努力を惜しまず全力を尽くしたいと思っています。

○経済対策について(2)

【NHK】
 先ほどの、けさの自民・公明両党の幹事長の会談で、秋に経済対策の裏づけとなる今年度の補正予算の編成を検討していくことで一致した。これについての受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 まず、秋に政権の枠組みがどうなっているかわかりませんから、非常に遅きに失しているということを申し上げましたが、無責任であると。直ちにやってくださいと。消費減税、やるならやりましょうと。参院選で問うまでもなく法案を出し、この国会中にやりましょうというぐらいの考えですから、遅きに失し、かつ、無責任であるということも申し上げたいと思います。

○参院通常選挙に向けた取組について(2)

【フリーランス】
 先ほどの質問に関連して。共産党との1人区一本化について、かつては「市民連合」が間に入り一本化が進んだと思うが、こういう「市民連合」仲介の一本化の動きについても並行して進めるという理解でよろしいか。

【幹事長】
 あらゆる市民団体の、様々な経験、人脈、影響力。必要とされる限りお力をおかりしたい。そう思っています。

【フリーランス】
 国民民主党が1人区一本化に消極的で、どんどん候補者を立てている状況について、依然として変わっていないと思うが、これは与党を利する行為だと思うが、どうご覧になっているか。

【幹事長】
 だからこそ、1人区の一本化の必要性について、かねてから申し述べてまいりました。いよいよ時期的に大詰めであるという認識です。

【フリーランス】
 「週刊ポスト」の5月23日号に、参院選後の政界再編ということで、増税派大連立対減税新党の対立ということで、減税派の総理候補としては玉木代表の名前を挙げているが、そもそも自民党と立民が大連立を組み増税で政権を担うみたいな話はあり得ないのではないかと思うが、そういう可能性はあるのか。そういう兆しというのは。

【幹事長】
 あり得ません。増税を前提に政権の枠組みを構想するということはあり得ません。

【フリーランス】
 いわばでっち上げ記事に近いと思うが、要は玉木代表を減税派の総理大臣候補として称賛し、参院選後の自公連立入りの機運醸成をするような記事だと思うが、こういう記事に対してどう対抗するのか、幹事長のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 ちょっと趣旨がよく、記事の趣旨がよくわかりませんが、いちいち個々個別の報道等に対して何らか申し述べるつもりはありません。
 我が党としては、再三申し上げますが、食料品の消費税負担をゼロにし、そして、長期的なこの国のあるべき姿を描くということをもって、正道、王道を歩みたい。玉木さんが仮に減税をおっしゃるのであれば、食料品ゼロ税率に文句を言っている場合ではないだろうということも含め、共通できる部分をできるだけ最大化するように努力したい。そう思っています。

【産経新聞】
 先ほどの朝日新聞さんの質問に関連して。国民民主党について、野党間の連携の協議のテーブルに着いてほしいとおっしゃったが、その協議のテーブルというのは、維新が提唱している予備選に国民民主党も含め参加することなのか。それとも、別の枠組みで、立憲民主党と国民民主党の単体の協議なのか。それともまた、3党で、予備選という形ではないが、候補者調整の協議というような。どのようなものをイメージされているか伺いたい。

【幹事長】
 何か、2社連携しているの。
 形態は問いません。大義は1人区の一本化。ある党は予備選と言い、それに限らず調整の必要性を唱えるのが我が党の立場であり、形態は具体的に限定するつもりはありません。あらゆる手段、あらゆる枠組み、あらゆる様々な背景や戦略の整理の上で、とにかく1人区を一本化するというのが大義であるという立場に立ちたいと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでございますか。よろしいでしょうか。それでは、本日の幹事長記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆様ご参集いただきましてありがとうございました。

【幹事長】
 ご協力ありがとうございました。

(以上)