野田佳彦代表は5月30日、党本部で定例会見を行い、選択的夫婦別姓法案審議入り――などについて発言しました。
「今日から衆議院の法務委員会において選択的夫婦別姓に関する野党の3案が審議にすることになりました。1996年の法制審議会への答申以来、制度の実現を待ち続けている方もたくさんいらっしゃいます」と冒頭で述べた野田代表は、28年ぶりに審議入りした選択的夫婦別姓法案について限られた会期だがしっかりと議論を行い、結論を出せるようにしていくとの意向を示しました。
また自民党がまだ考え方をまとめていない状況にあることについて「極めて無責任だ」と指摘し、限られた会期の範囲内で結論を得るように議論を主導していく考えを示しました。
野田佳彦代表記者会見
2025年5月30日(金)10時31分~10時51分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
■質疑
- 選択的夫婦別姓法案について
- 年金改革法案について(1)
- 終盤国会の対応について(1)
- 政府備蓄米に関する玉木氏の発言について
- 鎌田議員に関する報道について
- 年金改革法案について(2)
- 企業・団体献金禁止法案について
- 参院通常選挙に向けた取組について(1)
- 終盤国会の対応について(2)
- 参院通常選挙に向けた取組について(2)
- 福岡県議補選について
■冒頭発言
○選択的夫婦別姓法案の審議入りに当たって
【代表】
おはようございます。
きょうから衆議院の法務委員会におきまして選択的夫婦別姓に関する野党の3案が審議入りすることになりました。96年の法制審の答申以来、制度の実現を待ち続けている方もたくさんいらっしゃいますので、しっかりといい議論をして、そして、結論を出せるようにしたいと思います。
なお、自民党については、まだ考え方をまとめていないというのは、これは極めて無責任だと思いますが、いずれにしても、限られた会期の範囲内でありますが、結論を得るように議論を主導していきたいと思います。
■質疑
○選択的夫婦別姓法案について
【NHK】
冒頭の選択的夫婦別姓について伺いたい。おととい国民民主党が法案を提出した。中身を見ると、制度を導入するという大本のところなど、同じ点も多々あるかと思うが、この法案をどう評価しているか。また、たぶん1党だけでは立民の法案も成立が見込めないが、国民民主党を含め他党との協力をどう進めていくか。この辺りのところのお考えを伺いたい。
【代表】
1党だけではやはり現状では法案を通すことは厳しいと思いますが、せっかく我々はベストだと思って案を出していますので、なるべく多くの党のご賛同をいただけるように、審議のみならず、やはり幅広く声をかけていくという努力をしていかなければいけないと思います。
国民民主党の案も、戸籍の筆頭のところ、そこに特徴があって、根幹は変わらないと思っていますので、その意味での意見のすり合わせ等ができればいいなというふうに思います。
○年金改革法案について(1)
【NHK】
別件で、年金の関連法案について伺いたい。先ほどの理事会で、委員長の職権ではあるが採決日程が決まったと聞いている。ほかの野党からはもう少し審議をすべきだという声もあるが、この国会で修正案を通すことの意義について、改めてどのように考えているか伺いたい。
【代表】
私が聞いているところだと、まだ時間が不十分ということで採決に反対をされたのは国民民主党と共産党ということだと聞いていますし、維新とかれいわは審議は尽くしたというお立場だったと思うので、党によって評価が違いますが、6月22日までの限られた会期の中で、この大事な年金、重要広範議案について結論を出すという意味においては、衆議院においてはやはりこの時期がぎりぎりの段階だと思いますので、私は万やむを得ない対応だったと思います。
【NHK】
やむを得ない理由として、やはり修正案に盛り込んだ基礎年金の引上げというのが、将来世代、就職氷河期、あるいは、それ以降の世代に与える影響が大きいというところもあるかと思うが、その辺りは。
【代表】
そのとおりであって、一番大事な部分は、いわゆる基礎年金の底上げの部分。就職氷河期世代も含め、現役世代、若者の将来の年金受給額が、放っておくと3割減になる可能性がありますので、そこに歯止めをかけていくということ。逆に、3割戻していくと。多くの世代にとってプラスになるようにするためには、その最低限の修正をさせていただきました。
ほかの論点があることは間違いありませんが、党首会談でも、これからも幅広く協議をしていくように与党にも伝えておりますので、それで補っていくことによって、この国会では、まずやらなければいけないことに解決の道を見出すということではないかと思います。
【産経新聞】
まず、年金制度改革法案に関連して伺いたい。この法案をめぐっては、将来的に国庫負担の増加が見込まれることや、厚生年金の流用といったような声もあり、世の中に不満の声もある。その中で、立憲民主党に説明責任を求める声が高まっているが、今回の改正の正当性を参院選でどのように訴えていくお考えか伺いたい。
【代表】
元々政府案として出すべきものが遅かった。その中で、「あんこの入っていないあんパン」と表現しましたが、あんこを盛り込むために我々が修正協議をある種要請したというところから始まっていますが、何とかあんこを入れることができたと思います。
誤解が多いのは、今、「厚生年金の流用」という言葉を使われましたが、厚生年金の活用をこれまでもやってきているんですよね。厚生年金、そして、国民年金の受給者、それぞれやはり基礎年金が底上げされるということによって厚生年金も国民年金も底上げされることになりますので、そのことはぜひご理解をいただけるようにしてもらわなければいけないと思いますし、将来国費の負担が(追加で)出てくるのではないかというのは、これは2050年代の話に最大2兆円という可能性があるということですが、これはしっかりとした財政の見通しをもっとより確かなものにしてから出さなければいけない話であって、2兆円になるかどうかもこれもわからない話ですよね。
私が総理のときに国庫負担を3分の1から2分の1にしていますが、13.4兆円をずっと2050年代まで続けていくことになっています。その中で、日本の経済情勢とか財政力を考えて、もしかすると2兆円の国費の負担が出るかもしれないという話なので、まだそこまで財源を今のうちに決めるということは困難ではないかと思いますし、より確かな予測の中でしっかりとした責任ある対応をすべきだということだと思います。
○終盤国会の対応について(1)
【産経新聞】
別件で、内閣不信任案について伺いたい。小沢一郎衆院議員が28日に大阪市内で行った会見で、不信任案について、野党が過半数あるのに出さないのは国民にばかにされる、自民党の腐敗政治を潰すことに最大の野党の使命があるなどと述べ、提出を支持する発言をされたが、改めて内閣不信任案の提出に関するお考えを伺いたい。
【代表】
それぞれいろいろなご意見があることを参考にさせていただきたいと思います。適時適切に判断をしていくということに尽きると思っています。
○政府備蓄米に関する玉木氏の発言について
【産経新聞】
最後、また別件で、備蓄米の放出をめぐり、国民民主党の玉木雄一郎代表が農水委員会で、備蓄米について、1年たったら家畜の餌に出すようなものと表現し、世論では批判の声が高まっている。この発言に対する野田代表のお考えを伺いたい。
【代表】
これから食として本当に食べようという人たちがいらっしゃるときに、適切な表現ではないと思うんですよね。最近、毒入りのあんことか、餌とか、食べ物に関する発言としてはちょっと行き過ぎているのではないかというのが続いているなという印象を持ちます。
○鎌田議員に関する報道について
【フリーランス】
参議院の水野さんに続いて、鎌田さんのパワハラの記事が出た。これは事実だが、こういったことで立憲民主党のイメージがものすごく悪くなっている。鎌田さんについては昔からああいった人だということはあるが、本人に説明させる義務があると思うが、どうですか。
【代表】
きのう幹事長がお会いしたりしておりますので、今、幹事長に対応を任せています。
【フリーランス】
それがはっきりしないと。とにかく、今、立憲パワハラ党と言われているが。
【代表】
パワハラがあったかどうかということも含め、幹事長が今、本人から話を聞くなどの対応をしています。
【フリーランス】
とにかく秘書を人間扱いしていないということが非常に問題になっている。そんなにやたらに首を切れるのは、かつてのトランプしかない。ユー・アー・ファイアードですね。ですから、そこのところはきちんと説明してください。国民は疑問を持っていますから。
【代表】
ご指摘は受け止めますが、今、幹事長で対応させていただいているということであります。秘書さんが、9人ですか、辞めたとかということは、報道では出ていましたが、例えば一つ一つの行為がそれがパワハラに当たるのかどうか、これはよく確認しなければいけないだろうというふうには思います。
【フリーランス】
それを発表してください、きちんと。
【代表】
対応を任せているところです。
○年金改革法案について(2)
【毎日新聞】
年金法案の関係に話が戻るが、先ほど協議の場を持っていくことが大事だということを代表もおっしゃっていたが、この場を設ける時期というのは、すぐにでも設けたほうがいいとお考えか。
【代表】
いや、まだ審議中ですからね。これから参議院もありますからね。すぐにでもと言われても、こういう審議をやっている最中にはできないと思います。
【毎日新聞】
どちらにしても、この法案が通ったとしても、今回の修正法案に含まれていない、閣法に含まれている、いろいろ立憲民主党としても課題として捉えている部分もたくさんあるかと思う。そういったことを協議でやっていかなければならないと思うが、それでも、すぐに設けるべきと今はちょっと言えないような状況か。
【代表】
審議中ですから、審議をやっている最中にすぐほかの審議の場という話は、すぐには行けないと思います。ただし、国会、むしろ終わってしまうかもしれませんが、その後にもしっかりやっていこうという話です。
【毎日新聞】
もう一点。今回の年金に絡んで、自公立3党で会談をし、衆院通過5月末というのが見えてきている段階だが、維新や国民民主も3党で様々な課題について協議をしている中で、自公立の協議はかなりスムーズに話が進んだ印象がある。これについて代表はどのように捉えているか。
【代表】
スムーズというか、元々この法案が出てきたのが遅かったですから。遅かったし、お尻が決まっているので、ある意味、急いでそのスケジュール感を持って進めなければいけなかったということに尽きると思います。
【毎日新聞】
スピード感を持って大連立の弾みという捉え方をする向きもあるかと思うが、これについてはどのように考えるか。
【代表】
全く的外れだと思います。
○企業・団体献金禁止法案について
【日本経済新聞】
企業・団体献金禁止法案の扱いについて伺いたい。大串代表代行が今週26日・月曜日の記者会見で、参議院の審議日程のことを考えると今週中に結論を出さなければいけないとお話しされていた。きょう金曜日の時点で委員会が開かれ採決といった見込みはなく、この国会で何らか法案を通しての結論を出す見込みも立っていない状況にはあるが、今後どのようにこの結論に向けて動いていくお考えか。
【代表】
我々の案は示していました。一方で、自民党も、責任ある立場の方がちょっと大臣になってしまいましたが、いわゆる公開を旨とする考え方を提示していました。その仲立ちをしようとする国民と公明党の案なるものが、考え方は一定程度口頭では示されていましたが、法案で出すようにということを言い続けてきているのですが、いまだに出てくる見込みがないとするならば、今ある、出ている法案について結論を出していくという、もうその時期だろうと思います。
【日本経済新聞】
今後、今出ている2法案に関しての採決という部分に関しても、まだ筆頭同士のやり取りでは芳しい反応がないという状況だが。
【代表】
でも、やりましょうと、結論はやはり出すということだと思うので、本当は昨年の暮れまでに決めるべきことだったし、それが年度末、ことしの3月までと延長されましたが、国会の会期を考えると、もうそろそろ限度だと思います。
○参院通常選挙に向けた取組について(1)
【中国新聞】
参院選のことで伺いたい。山口選挙区だが、先週、党の戸倉氏が無所属で立候補を表明した。この場には県連代表の平岡氏も同席して支援を表明されるという形になったが、これをもって立憲民主党としては独自の公認候補の擁立を山口では断念したということでよろしいか。
【代表】
自主投票ということを決めたということですので、自主投票ということは、新たにどなたかを擁立することはないということを決めたということです。
【中国新聞】
山口で公認候補の擁立に意欲を示されていたわけだが、こうした形になったことへの受け止めを伺いたい。
【代表】
結果的には自主投票にならざるを得なくなったということは残念に思います。
【中国新聞】
最後だが、今回の戸倉氏の擁立をめぐり、党に公認申請を出すという決議を県連で行う際の決め方であるとか、その後の諸々の県連の運営に対して、所属の方々から不満が出ていて、離党される方も出ている。また、支持母体の連合山口との連携というか意思疎通というか、その辺への支障なども懸念する声も出ている。この辺りをどのように受け止めているか。
【代表】
県連のいろいろな動きについて、あるいは、ご支援いただいてきた連合の皆さんとの関係など、しっかりとチェックするように大串選対委員長には指示をしたところであります。
○終盤国会の対応について(2)
【朝日新聞】
不信任に関連して伺いたい。日本維新の会や国民民主党からは、野党第1党の責任を果たすためにも出すべきだといった、野田さんの背中を押すような声が相次いでいるが、この点についてはどう率直にお感じになっているか。
【代表】
いろいろ背中を押していただいているなということを体感しながらも、従来から申し上げているとおり、適時適切な判断をしていきたいと思います。総合的に判断をしていきたいと思います。
【朝日新聞】
その点で、党内もだが、野党からそういった声が相次いでいる背景には、立憲の支持率や、例えば衆院選も含めたダブル選挙の準備が整っていないのではないかといった見方もあり、そうした声も踏まえてそういう声が出ている面もあるが、選挙対策とか支持率とか、そういったところは野田さんの頭の中で不信任にどう影響しているのか伺いたい。
【代表】
信任できない政権だったら信任しないというためのアクションを起こすということに尽きると思います。
【朝日新聞】
野田さんは1月に、報道各社、弊社も含め、インタビューの中で、カードを切るときは解散を覚悟するときであると、竹光ではないというような表現をされている。そうした認識、危機感というのは、今もお考えは変わりないか。
【代表】
はい。それはもうかつて申し上げたとおりであります。そういうことも含め、るるお話しする、説明する話ではないと思っています。
○参院通常選挙に向けた取組について(2)
【中国新聞】
先ほどの件で一点聞き忘れたが、山口選挙区の件で、戸倉さんは自主投票ということを言われたが、党から推薦等が出ることもないという理解でよろしいか。
【代表】
自主投票は自主投票です。
○福岡県議補選について
【フリーランス】
6月8日に福岡県議の補選が行われ、原因は立憲民主党の議員の不祥事で除名処分に。
【代表】
5月ですか。
【フリーランス】
6月。もしかしたらご存じないですか。
【代表】
県議補選で、うちの。
【フリーランス】
原因は立憲民主党の県議の不祥事で、除名処分になり辞任されてということだ。6月は福岡ではないが東京で都議選が行われ、7月には参院選が行われる、そういう重要なときに、地方とはいえ、そういったかなり大きな、地方のほうでは深刻な問題が起こって補選が行われる。党にとってはいい影響はないと思うが、こういうことについて、党本部で隅々まではなかなか、目を光らせても、それぞれの議員が自由に活動しているというところはあると思うが、こういうことについてはどういうふうにお感じになっているか。
【代表】
すみません、その詳細を把握しておりませんでした。ちょっとよく調べてみます。
(以上)