立憲民主党の環境・エネルギー総合調査会(会長:田嶋要衆院議員)は12月11日、「再生可能エネルギー施設の立地規制のあり方について(中間報告)」を取りまとめました。再生可能エネルギーの推進を基本としつつ、各地で多発するトラブルに対応するため、自治体主導のゾーニング制度導入など5つの具体策を提示しました。

【トラブルの現状と原因】
 FIT導入後、再生可能エネルギー発電施設は、各地で問題が発生しており、トラブルの原因として、①良好な自然環境での環境破壊、②光害・騒音・悪臭問題、③地域外資本による開発、④住民との対話不足―の4点があります。

【制度上の5つの問題点】
 背景には、①開発禁止地域が包括的に定められていない、②地域住民の意見が反映されない、③環境影響評価が不足、④対話プロセスが法定化されていない、⑤自治体の関与が限定的――という制度的欠陥があると考えられます。

【5つの対応策】
 トラブルに対応するため、5つの対応策を提示しました。
①自治体主導のゾーニング制度
 基礎自治体が「促進」「条件付き可能」「抑制」「禁止」の4区域を設定。違反には事業停止命令や刑事罰、原状回復命令を可能にする。
②地域の資本参加促進
 一定規模以上の事業は、事業資本の一定割合を地域が保有することを検討する。
③環境アセスメント対象拡大
 対象規模要件を引き下げ、評価項目に低周波音の健康影響や土砂災害リスクなどを追加する。
④対話プロセスの法定化
 構想段階からの住民参加を義務化するなど実質的な合意形成を促進する。
⑤自治体の関与強化
 事業実施前の自治体への届出を義務化するとともに、事業開始後も定期報告を義務付け、改善指導や立入検査を可能にすることで実効性を担保する。
これらの制度の導入により、再生可能エネルギーへの信頼を回復し、環境破壊型ではない地域主体の再生可能エネルギー最大限導入をめざすとしています。

 また、この中間報告に基づいて、政府に実効性ある対策を求める要請を行う予定です。

再生可能エネルギーの立地規制のあり方について(政策提言)5.pdf