立憲民主党など野党は2月28日、旧統一教会問題に関する第41回目となる国対ヒアリングを実施しました。今回は、宗教を背景とした児童虐待について、当事者、支援弁護団の弁護士からヒアリングを実施。関係省庁からも話を聞きました。

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 田中広太朗弁護士は、同日発足した「エホバの証人問題支援弁護団」について説明。田中弁護士は、厚生労働省が昨年末に作成した宗教を背景とした児童虐待の対策をまとめた指針とQ&Aについて触れ、Q&Aに「医師が必要と判断した治療行為(輸血等)を行わせない」とあるが、「親が子どもの輸血を拒否する指導がなされているとの相談が来ている」と説明しました。また、児童虐待は家庭内で起こるというのが前提になっているが、宗教団体などの団体としての第三者を想定していないと指摘しました。

 また「鞭で打つ」こともQ&Aで身体的虐待として挙げられていることから、「かつて非常に苛烈だった時期と同じような状況で現在行われているかどうか不明」と述べた上で、「今後二度と繰り返されないように対応することは非常に重要」「解決されないまま家族との関係を破壊され何十年も経っている人たちが非常に多くいるので、社会は関心を向けていただきたい」と話しました。

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 元エホバの証人3世の夏野ななさん(仮名)は、「社会性を養うことを奪ったり、家族の絆を壊すなど、離れた後も生き辛くさせるのがとても大きく、問題になりづらい」と語りました。また虐待防止法の法改正も含め検討していただきたいと話しました。

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 元2世の団作さん(仮名)は、輸血拒否によって子どもが亡くなったり、危険な状態に陥ったり、障害を残したりなどの重大な事案になったケースをしっかり調査し、個人情報に配慮した上で公表してもらいたいと語りました。また、妊婦が輸血拒否をして亡くなるケースもあるとして、胎内の子どもへの影響を危惧しました。

 ※今回のヒアリングは、被害者保護の観点から、団作さんについては顔出し不可(モザイクのかかった写真・映像も不可)・音声はそのまま、夏野ななさんは顔出し可・音声もそのまま。またヒアリングのライブ配信や録画の配信は不可としています。