立憲民主党は7月31日、「農林水産キャラバン2023」(座長・田名部匡代参院幹事長)の第2回目に北海道岩見沢市、美唄市などを訪問しました。このキャラバンは、全国各地の農業現場を訪問し、各地で得た地域の声を党の農林水産政策に反映させ、地域と一緒に新しい農林水産政策を作っていこうとするものです。第2回目の今回は元衆院議員の佐々木隆博名誉顧問、田名部座長、参院議員の徳永エリ副座長、衆院議員の神谷裕副座長が空知農民連合、北村豊正東センター、宝水ワイナリー、中村共同施設利用組合の方々から意見を聴くほか、施設の視察をしました。

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空知農民連合との意見交換

 最初に北海道岩見沢市の空知農業会館を訪れ、空知農民連合の農業者の皆さんと意見交換を行いました。冒頭、田名部座長は、政府が掲げる食料安全保障について取り上げ、「ロシアのウクライナ侵攻を見ていると当たり前に日本に食料が入ってくるかというとそうではない。いかに食料自給率を高めて食料安全保障を確立するか大きな分岐点だ」と危機感を示しました。政府が防衛費を上げても食料がなくなっては国を守れない、農林水産予算は増えていない等と指摘し、「皆さんと心合わせして共通の課題解決に取り組みたい」と呼びかけました。北海道が地元の徳永副座長は、「肥料、飼料等の生産コストが増大していて、経営が大変厳しい中、なるべく国で賄う環境を作って行かないといけない」と話しました。

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岩見沢市で活動する衆院議員2期目の神谷副座長は、農業基本法見直しに関する立憲民主党の考えを説明

 出席した農業者からは、主に2022年に改正された水田活用の直接支払交付金(水活交付金)が問題として取り上げられました。水活交付金は、水田で麦、大豆、飼料用米、米粉用米等の作物を生産する農業者に対して直接交付することにより、水田のフル活用を推進、食料自給率・自給力の向上を図るものです。しかし、改正により2022年から2026年の5年間に一度も水張りや水稲作付されない農地は、2027年度以降交付対象水田としない方針に厳格化されたことが空知農民連合の柴田昭委員長や北海道農民連盟の大久保明義委員長はじめ出席した現場の方々から問題視されました。

空知農民連合との意見交換資料.pdf

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北村豊正東センターでタブレットで施設を稼働させる説明を受ける

 空知農民連合との意見交換を終えた後、北村豊正東センター、宝水ワイナリー、中村共同施設利用組合を訪問し、稼働施設等を視察し、電気代高騰や施設の老朽化、飼料の高騰等の問題について切実な声を聴きました。

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映画「ぶどうのなみだ」のロケ地になった宝水ワイナリーを視察

 視察終了後に記者団からの取材に応じました。田名部座長は意見交換や視察を振り返り、「水田活用交付金が変更になったことについての現場の実態などについては、国に届けていかないといけない。飼料なども高騰していて支援策についてご要望がありましたので、しっかり対応していきたい」と述べました。徳永副座長は、「北海道は規模が大きいので、生産コストが増大すると負担がものすごく大きく、経営に直接響く。特に電気代の高騰が1番きつくどんどん支援が縮小していっているので、しっかりと支援するのが国の責務だ」と話しました。岩見沢市で活動する衆院議員2期目の神谷副座長は、「古くからの建物がさらに古く摩耗する時期を迎えて、どうするかという課題もあります。この大規模食料基地と言われる北海道であっても、基盤はかなり脆弱になってきている現実を今日見せていただいた。これで戦えるかという状況になっているか考えなければいけない」と述べました。佐々木名誉顧問は、「『対策』に追われすぎていて『政策』を議論するタイミングが無かったのではないか。今日のようなことも含めて現場の声を反映してほしい」と話しました。

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中村共同施設利用組合では50年間使用している設備を今も稼働させている