新たな政権が発足してから初めてとなる、新型コロナウイルス感染拡大に対応する政府・与野党連絡協議会(通算19回目)が30日、国会内で開催され、立憲民主・国民・社民・無所属共同会派から立憲民主党の泉健太政務調査会長が出席しました。
会議終了後、泉政調会長らは記者団に「政府・与党側から現在予備費7.8兆円があるということで、タイムリーに執行していくことを考えなければならないし、インフルエンザことも気になるという発言があった。共同会派からの要望項目に入っていることも含めて、具体的に予備費の執行に取り組むよう要請していきたい」と報告しました。
共同会派から医療機関の経営支援を要望したことについて、「与党内でも同様の意見が多数出ているとの紹介があった。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関だけではなく、一般のさまざまな医療機関についてもかなり経営的に厳しくなっている。そうした所にもしっかりと支援すべきだと強く要望した」と述べました。
また、社会活動を円滑にするためには積極に検査を行い、安心空間をつくっていくことが大事だという認識のもと、PCR、抗原キット等検査体制の充実を求めたところ、「厚生労働省から行政検査だけではなく、『自由検査』という枠組みで各都道府県が柔軟に検査の範囲を拡大できるような仕組みを早期につくっていきたいという話があったので、それはぜひ進めるべきだと求めた」と明かしました。これからインフルエンザの発熱患者が増えることを踏まえ、「政府も力を入れてはいるが、地域ではまだ不安の声、体制が不十分ではないかという声が強く出ている。医療体制、検査体制を多発する発熱患者にしっかりと対応できるようにしてほしい」と改めて求めたと述べました。
今年12月末までとなっている雇用調整助成金の特例措置については「今年度末までの期間延長を改めて求めた。公明党もこれには同じような意見をお持ちだった。厚生労働省から特例をこれから絞っていく意向が示されたが、それでは雇用は救えないと懸念している。私たちとしては、現行の制度を続けてもらいたい。労働の移動についても、もっと手を差しのべる体制をつくっていかなくてなならない」と語りました。
共同会派は、ほかに(1)政府・与野党連絡協議会を原則毎週開催する(2)接触確認アプリ(cocoa)について、ダウンロード数や陽性登録者数が少ない点への対応策を検討する(3)新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金及び新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額を行い、交付額決定に際しては、不交付団体に対して配慮する(4)インフルエンザワクチンを十分に確保し、接種に関する啓発を行うとともに、接種については希望する全ての人が無償で受けられるようにする(5)収入が大幅に減少しているにもかかわらず、支援が十分でない個人・企業等への追加給付を行うなど十分な対策を講ずる(6)集団で行われる入学試験や資格試験が安全かつ円滑に行われるよう万全を期す(7)家賃支援給付金の支給が速やかに行われるよう、申請を簡素化するとともに、さらなる審査体制の増強等を行い、支給の目処を通知するなどの対応を行う(8)Go To キャンペーンについては、東京追加の影響を注視するとともに、感染拡大防止対策を徹底する(9)入国制限が緩和されたことに伴い、空港等における検査体制が確実に行われるよう体制を整備する──など、合わせて32項目の要望事項を提出しました。
会議冒頭には立憲民主党の安住淳国対委員長と自由民主党の森山裕国対委員長が出席し、森山国対委員長から菅総理大臣ができれば連絡協議会を続けてほしいと発言したことが伝えられました。