福山幹事長記者会見
2020年10月27日(火)16時15分~16時45分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Z8ht21CReFA
■冒頭発言
■質疑
- 年末年始休暇の分散化要請について
- 「学術会議任命拒否問題」「候補者擁立・調整」「社民党との協議」について
- 「所信表明演説所感」「成長戦略会議」について
- 「憲法議論」「野党連携」について
- 所信表明演説(2) 「グリーン社会の実現」について
- 野党連携について(2)
- 衆院選 候補者擁立・調整について(2)
■冒頭発言
○第6回常任幹事会を開催
【幹事長】
常任幹事会のご報告をさせていただきますが、いよいよきのうから臨時国会が始まりました。記者の皆さんもいろいろ、より多忙になると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
6回目の常任幹事会でございます。
まずは代表からの挨拶は皆さんご案内のとおりでございます。
私からは、1点報告をさせていただきました。皆さんご記憶あるかどうかわかりませんが、立憲民主党と国民民主党そして無所属の皆さんと新立憲民主党を立ち上げたときに綱領とともに規約をつくりました。その規約の附則に、新党で調整をしなければいけない、検討しなければいけない事項として、構成員、簡単にいうと党員がいて、(旧)国民はサポーター、(旧)立憲はパートナーズがいるわけです。さらには代表選挙規則、地域組織、これがそれぞれの旧党で若干規約上異なっていたり位置づけが異なっていたりしたものですから、この構成員と代表選挙と地域組織について、規約では新たな検討委員会をつくって成案を得ると書いておりました。構成員の問題と代表選挙の問題と地域組織の問題は密接不可分の関係でございますので、今回この規約に基づきまして検討委員会を設置することを常幹で確認いただきました。資料はついておりません。委員会の構成としては、平野代行、大島組織委員長、そして私、さらには組織委員会から若干名、つながる本部から若干名、立憲民主党のパートナーズの制度についてよくご理解をいただいている方から若干名、そして国民民主・立憲民主ともに代表選挙がありますから代表選挙規則についてそれぞれの政党の状況を知りたいということで代表選管のそれぞれの政党の経験者が若干名のメンバーで委員会を構成することになりました。メンバーについては常幹で私に一任をいただきましたので、今後、組織委員会、つながる本部、パートナーズ関係者、そして代表選管経験者からお願いをし、早急にメンバーを確定した上で1回目の検討委員会を臨時国会の会期中、早いうちに開会したいと考えておりまして、なるべく早く成案を得るように努力していきたいと考えます。このことを私から報告をさせていただいて、ご了解をいただきました。
国対委員長からは、本会議がとうとう始まるということで、発破がかけられました。加えて国対委員長からは、会派の問題について、国民民主党さんが会派を出られたということについてのご報告がありました。参議院の国会対策委員長からも同様、本会議・予算委員会等々の報告がありました。
政調会長からは、政調の役員体制についての報告がありました。
選対委員長からは、お手元にお配りをしているペーパーのとおりでございますが、ごらんをいただければと思います。選挙の報告は記載のとおりでございます。自治体議員選挙の公認・推薦についても記載のとおりで決定をしました。それから首長選挙の候補者の推薦についても記載のとおり決めさせていただきました。
組織委員長からは、都道府県連では3県連の設置。合計43都道府県連になっておりますので、もうあと残りわずかになってまいりました。それから衆議院小選挙区の総支部の設置ですが、千葉12区・樋高さん、1総支部加わりましたので累計で188総支部ということになりました。
選対委員長から、総支部長の選任について、茨城3区・梶岡さん、東京11区・阿久津さん、岡山3区・森本さんの3人の、いわゆる競合区の調整ができて三つ確定をきょう確認させていただきました。残り競合区は四つになりました。新潟、山梨、東京、神奈川でございますが、平野選対委員長のご尽力で何とか10月までにここまで調整ができましたので、残りの四つ、何とか調整をしたいと思うのと、残りの県連も早く立ち上げていきたいと考えております。
その他の事項で私から、これも口頭でございますが、きょうの午前11時からありました社民党の吉田幹事長との会談の内容について、11月14日の(社民党)党大会に向けて議案が固まったと。その議案の内容について、午前中にご報告をしたとおりの報告をさせていただきました。
私からは以上です。
■質疑
○年末年始休暇の分散化要請について
【NHK・金澤記者】
きょう西村(経済再生担当)大臣から各大臣に、閣僚懇談の中で、年末年始の休暇について分散させるように、分散取得ができるようにと協力の要請があった。こうした動きについてどのように捉えられているか。
【幹事長】
まずは、(自民党)二階幹事長が不快感を示されたようですが、政府と与党の間でしっかりと調整なり確認なりしていただかないと、分科会での提言を受けての西村大臣のご判断だと思いますが、しかしながら与党の幹事長から不快感を表明されると、一体どういう形で年末年始を過ごすのかということに対して国民の中で混乱が広がると思っています。
それから、分散でとるといっても、それぞれの国民は事情がありますし、企業も年末年始にどういう動きをするのかというのはこれから準備をしなければいけません。仕事も含めて、どういった事態になるのかということについて、まだまだ、抽象的な分散という話ではわかりにくいので、ましてや年末ですから、ふるさとへ帰るとか、地元へ戻るとか、そういう移動をされる国民の皆さんの予定が今のところちょっと立ちにくい状況だと思いますので、経済にも影響しますし、12月の時点での感染(状況)も不透明なので、できるだけ政府に関してはまとまってしっかりと確定をした状況を報告していただき国民にアナウンスしていただきたいと思います。何か思いつきのように次から次へと新しいことが出てくると国民も経済状況についても混乱を来すだけですので、そこはお願いしたいと考えています。
○「学術会議任命拒否問題」「候補者擁立・調整」「社民党との協議」について
【朝日新聞・小林記者】
3点お尋ねしたい。一つ目は学術会議の件だが、昨夜のNHKニュースに菅総理が出演した際に、6人を任命拒否した理由として、特定の大学に偏っているとか、年齢の問題とか地域性の問題などを挙げたが、一方、学術会議法では選考基準については研究や業績を根拠に選ぶようにと書かれており、その辺の法的な整合性も含めて、この総理の説明についてどうお考えか。
二つ目は選挙の関係だが、きょう岡山3区の支部長が決まったが、岡山3区では元職の方も競合していたと思う。元職の方はきのう会見で離党を表明され、党のほうから関東の選挙区に移るように言われたと。それを不本意とされているようだが、この事情について、問題なく選考されたと受けとめていらっしゃるか。どうしてこういうことになったのか経緯を教えていただきたい。
3点目だが、きょう社民党との幹事長会談で安住国対委員長の発言について陳謝をされたと思うが、安住さんご本人からきょうの常幹等で何かしら釈明なり説明はあったか。
【幹事長】
まず学術会議の点ですが、総理の説明は余りにも苦しい説明だと言わざるを得ません。偏りとか、何かいろいろな、学歴とかそういったものを、そもそも内閣総理大臣は形式任命なので判断してはいけません。もっと言えば、総理はリストすら見てないのに、そんなこと何でわかるのですか。それは一体誰が判断したのですか。そうしたらまた、杉田官房副長官を呼んで聞かなければいけません。きょう官房長官も若干総理の発言に修正を加えられたというふうに聞いておりますが、いよいよ総理の説明は苦しいと言わざるを得ません。我が党の小西参議院議員が、04年の政府の文書で、「内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」という文書を見つけられました。このことをもってしても、昭和58年の「形式任命」だという政府答弁、この04年の「想定外」を初めとして、総理の説明が苦しければ苦しいほど違法だと言わざるを得ないと思います。
2点目ですが、平野代行は内山さんとかなりいろいろな話し合いをされたと聞いておりますし、選挙区の移動等についても話し合ったと報告を受けております。内山さんがそのことを納得できないというか、我々がお願いした移動する選挙区はだめだということで、もう立憲民主党から国政選挙に出ないという判断をされて離党届を出されたと聞いております。
社民党のことについては、安住国対委員長から常幹の場では、若干言葉が過ぎたと、気をつけるということは、国対委員長報告の中で一言ありました。
○「所信表明演説所感」「成長戦略会議」について
【「フランス10」・及川記者】
きのうの総理の所信表明演説について、ぶら下がり取材でコメントを福山幹事長はきのうなさっていたが、改めてどのようにお感じになったか。総裁選のころから使っている「自助・共助・公助、そして絆」があれだけ批判を受けても、まずは自助だと言うことに私は大変違和感を持った。
2点目は、成長戦略会議のメンバーに、竹中平蔵さんやデービッド・アトキンソンさん、北尾吉孝さんという、江田憲司さんの言葉をかりれば市場万能主義の方々がブレーンとして就かれている。このことについて、経済ブレーンについてどのように思うか。
【幹事長】
所信表明は、お元気がなかったなと思うのと、政策の羅列を読み上げられたということで、国家ビジョンや、菅総理がこの国をどういうふうにしたいか、(新型)コロナに対してどう対処したいか、その先に何が見えるのか、夢が語られなかったことについては非常に残念に今も思っております。
「自助・共助・公助」の話は、枝野代表がいつも言われていますし、自民党の綱領にはまだあれが残っているわけですから、菅総理としても批判を受けてもそれはなかなか、総裁選挙で言われたことですから、それはそう簡単に旗をおろせないのだろうと考えます。まさに「自助」対、「支え合いの社会」をつくろうとする枝野代表との対比がよりはっきりしてくると思いますし、あさっての代表質問で私もこの問題について取り上げますが、今、コロナの状況で自助だけではどうしようもない、自分たちで選んだわけではなく追い込まれて厳しい状況になっている企業や個人の皆さんがたくさんいらっしゃるわけですから、そのことについては、こだわりを持たれるのはそれは総理の信念ですから結構だと私は思いますが、しかし、それだけではだめな状況が日本中あちこちにあるということについては理解をいただきたいと思います。
成長戦略会議のメンバーについて、お一人お一人を私が論評するのは控えたいと思いますが、まず、この成長戦略会議という名前すら、この時代、ちょっとずれているのではないかと。20%以上GDPが毀損している状況、個人消費がこれまで以上にというか未曾有の消費が冷え込んでいる状況の中で成長戦略会議というのはどういう名称と思いますし、このメンバーも、少し私は規制改革・規制緩和も省庁縦割りも含めて2000年代初頭の古い議論が始まっているなというふうに思っています。一人ひとりにコメントするのは避けたいと思います。
○「憲法議論」「野党連携」について
【読売新聞・豊川記者】
2点伺いたい。きのうちょっと質問あったが、憲法の議論についてお聞きしたい。自民党はまずは国民投票法改正案の成立を優先的に取り組む方針のようだ。野党にも協力を呼び掛ける方針のようだが、まず、この憲法議論についてどのように臨んでいかれるかお聞きしたい。
もう一点は、国民民主党が共同会派から離脱した。受けとめと、今後の野党連携・共闘への影響、どう取り組んでいくかお聞きしたい。
【幹事長】
憲法に関しても自民党内でいろいろな意見があるようですね。ですから、自民党内がどういうスタンスで国会に臨まれるのか、ちょっとまだ見えません。4項目について何か条文作業を表でするとか、いやいや表でやらないとかいう話も含めて、安倍総理のときと違って菅総理に憲法改正の熱意はあまり感じませんので、基本的には自民党の対応を見ながら国対委員長にある意味お任せをして我々相談をしながら進めていきたいと考えています。
国民民主党さんが会派を離れたことは率直に言って残念です。ただ、選挙協力、それぞれ例えばぶつけるぶつけないみたいな話については、今、私が聞いているところによれば、あまりそういったことを念頭に置いて会派を離れたわけではないと。それは今までどおりだと。それから野党の協力については協力をしていくつもりだということを玉木代表も言われていますし、私のほうにわざわざ古川国対委員長からもご連絡をいただきましたので、それならばそのことについては影響がないのだろうなと考えております。
○所信表明演説(2) 「グリーン社会の実現」について
【京都新聞・国貞記者】
昨日の菅総理の所信表明に関連して伺いたい。総理は演説の中で、グリーン社会の実現、2050年カーボンニュートラルを打ち上げたわけだが、総裁選等では菅総理はそういうことをおっしゃっておらず、ちょっと唐突感を正直感じたが、幹事長は長らく環境問題に関してはライフワークでやられていると思うが、演説の内容を聞いて率直にどう思われたか。
【幹事長】
安倍政権は国際社会的にも気候変動対策については非常に批判をされていました。ようやく日本の政府が2050年カーボンニュートラル、温室効果ガスゼロという表明をされたことについては評価をしたいと思います。しかし問題は中身です。石炭火力の問題もあります。これも国際社会からは批判をされています。それから、カーボンニュートラルだからといって、まさか原発の維持や推進の理由にすることは、当然、福島第一原発事故を経験した我が国としては許されないことだと思います。そういった制約がある中で、どのようにカーボンニュートラル、2050年までにゼロにするのかについて具体的に語っていただきたいと思いますが、今のところ菅総理から具体的なものは出てきていません。ですから、スローガンだけでは残念ながら温室効果ガスは減りませんので、そのことについては、より実効性のある、そして原発の維持や推進につながらない、さらには石炭火力に依存しないやり方は一体どういうやり方なのか、国民にわかりやすく、そして我々も納得するようにやっていただきたいなと思います。
○野党連携について(2)
【フリーランス・堀田記者】
選挙協力について伺いたい。千葉8区、この前、立憲ができてから初めて枝野さんが街宣した。岡田さんのところの本庄知史君がいるところだが、そこは自民党の桜田さんと、れいわで公認されている太田さんがいる。これでずっとやっていけると思ったときに、2、3日前に共産党が出した。共産党は前の選挙とその前の選挙のときに小野里さんが3万2000票くらいとっていたから出してしかるべきだと思うが、一定の選挙協力があるというときに、これからも、例えば福山さんのところも、例えば空白区に、そこに共産党が出ているとか国民が出ているところにこれから立てるということはあるか。
【幹事長】
うちが、ですか。
【フリーランス・堀田記者】
はい。国民が立てているところに、それから共産党が立てているところに、立憲が立てていなかった場合、これからそこに立てるということはあるか。
【幹事長】
国民民主党との関係でいうと、現状、現職に関してはぶつかることは避けようという議論をしております。総支部長のところは今もぶつかっているところが幾つかありますので、それは調整できるのかどうかについてはまだわからないですし、今後については国民民主党さんと話し合いながら進めていきたいと考えております。
それから共産党さんは今も、千葉の本庄さんのところ以外も全国的にいろいろなところで擁立が進んでいると承っています。ですから、そこは共産党さんとも、前から何回も言っておりますように、協議することについてはやぶさかではないと思っていますので、協議をしていきながら、最終的には衆議院選挙の直前にいろいろな判断をしていきたいと考えています。
【フリーランス・堀田記者】
ぎりぎりまで、向こうが立てても別に文句を言うとかそういったことではなく、とにかく調整はやっていくということですね。
【幹事長】
各政党が候補者を擁立することは各政党の判断なので文句は言えませんが、そこはやはり、よりちゃんとコミュニケーションを図りながらやっていきたいと考えております。
【西日本新聞・川口記者】
国民民主党の会派離脱について関連して2点伺いたい。きょうの常任幹事会の中で、この離脱によって今後選挙協力をどうしていくのかについて何か議題に上って確認をしたことがあるかということと、2点目が、代表は以前から共同会派を組む党で過半数233の候補者擁立を超えたいとおっしゃってきたが、共同会派でなくなったことで、この目標というのはどう変わるか。
【幹事長】
1点目は、何も議論はありませんでした。
2点目は、先ほど申し上げたとおりです。共同会派は離脱をしたけれども選挙協力その他については変わらないということを国民民主党さんが言われているので、今は我々はそのことをある意味でいうと理解をした上でやっておりますので、共同会派ではなくなっても国民民主党さんや社民党さんを初めとして233以上立てるという状況は変わりません。
【西日本新聞・川口記者】
それは説明するとしたらどういう勢力という表現をしたらいいか。共同会派を組む党という言い方だったと思うが。
【幹事長】
それは立憲民主党・国民民主党・社民党ではないですか。
○衆院選 候補者擁立・調整について(2)
【新潟日報・鈴木記者】
衆議院小選挙区の総支部の話だが、先ほどの幹事長の「残りの競合区四つ」の中に新潟も入っており、新潟6区のことだと思うが、ちょっと時間がかかっている印象がある。今、何がネックになっているのかということと、選任に対しての見通し、どのぐらいで決まりそうかという見通しも含めて伺いたい。
【幹事長】
「何がネック」というか、梅谷さんは2回非常に惜敗をしていて、それなりに力のある候補者であること。風間さんは、参議院議員を経て、やはりそれなりの実績があり、地元にも一定の支援者がいること。こういったことも含めて丁寧にやっているということが、時間がかかっている原因です。いつかということについては、あまり今、お尻を切ってやるつもりはないので、丁寧にやっていきたいと考えています。
【山陽新聞・内田記者】
岡山3区の関係で1点だけ確認したい。森本栄さんと内山さんがおられたと思うが、森本さんに最終的に決めたという、なぜ森本さんになったのかという理由を一言お聞きしたい。
【幹事長】
一つは、森本さん、地元であったことですね。内山さんは地元ではなかったですよね。地元の県連等のご意見も聞いて総合的に判断した結果だと思います。