立憲民主党沖縄県連は23日、那覇市で「沖縄立憲民主党結成大会」を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、来場する人数を絞り、党員、パートナーズ、サポーターの皆さまには大会の様子をネットで配信しました。

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有田芳生沖縄県連代表代行

 旧立憲民主党の代表をつとめた有田芳生参院議員は9月3日に始まった国民民主党との合流協議から11月13日に新党結成調印に至るまでの経緯を報告し、両党間でご調整をいただいた東盛政行連合沖縄会長に対し感謝の言葉を述べました。

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玉城デニー沖縄県知事

 来賓として出席した玉城デニー沖縄県知事は、「新たに立憲民主党が立ち上がり、多くの県民も期待を寄せている。今の沖縄特措法は民主党政権の時に策定したもの。一括交付金の創設など、さまざまな分野で沖縄の成長に寄与してきた。次の特措法においても、ご協力をいただきたい。沖縄立憲民主党の活躍とお互いに切磋琢磨して協力し合い、県民、国民の生活が第一の政治に当たってもらいたい」と述べました。

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東盛政行連合沖縄会長

 沖縄立憲民主党の結成に向け、大変ご尽力をいただいた東盛連合沖縄会長は、「合流により、議員が増え安心感をもって、協議(合流)に臨んだが、旧立憲、旧国民と2つに別れ、ブランクもあり、双方の間に入ってまとめなければと思った。私の出身は郵政。5つに分かれ、民主党時に統合した。その時の統合、合流の難しさを痛感しているからこそ、お手伝いをさせてもらった。これまでの旧態組織の框にとらわれず、議論を重ねた合流に至るプロセスを大切にしてもらい。連合と連携し、玉城県政を支え、基地問題などの課題に取り組んでもらいたい」と述べました。

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社会民主党 照屋寛徳衆院議員

 社会民主党沖縄県連を代表してあいさつした照屋寛徳衆院議員は、「無憲法下で苦しめられた米軍支配の27年間、復帰後、今日までの反憲法下の沖縄の現状に寄り添って、憲法の精神に基づいて、頑張ってもらいたい。沖縄はすべてにおいて我慢の限界を超えた状況だ。私は、参院議員、衆院議員と25年間、皆さんに大変お世話になった。次の衆院解散で引退をする。老兵は消え去る。オール沖縄の要として、玉城知事の再選、来たるべき総選挙で1区から4区までの当選を勝ち取ってもらいたい」と述べました。

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日本共産党 赤嶺政賢衆院議員

 また、日本共産党沖縄県委員会を代表してあいさつした赤嶺政賢衆院議員は、「オール沖縄の一員として国政での第1党の立憲民主党が加わることで倍加する。菅総理は官房長官時代、翁長知事に『沖縄戦の歴史や米軍統治下のことは、戦後生まれの自分にはわからない。辺野古が唯一だ』と言った。このような発言をする菅総理に対し、県民は一丸となって戦っていく。国政野党第1党の立憲民主党と総選挙での野党共闘、野党連合政権をと訴えている。県民の戦いを力強く発展するものだ。ともに頑張っていきましょう」と述べました。

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沖縄社会大衆党委員長 高良鉄美参院議員

 続いて、沖縄社会大衆党を代表してあいさつした高良鉄美参院議員は、「社大党は結党して70年。立憲の精神に基づいて今日まできた。沖縄のさまざまな課題に取り組んでもらい、立憲主義を改めて広げ、そして全面に出して、政権交代を実現してもらいたい」と述べました。

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吉田真和さん
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 党員、パートナーズ、サポーターを代表し、琉球舞踊家でもある吉田真和さんにごあいさついただきました。吉田さんは、「私の名前の『真和』は真実の平和。日本の平和を願っている。首里城が焼失し、新型コロナウイルス感染症の拡大、伝統芸能も大変な状況になった。しかし、みなさんの支援によって、なんとか立ち直ってきた。平和、自然、辺野古の海、一度失ったら取り戻すことはできない。人々が安心して、安全、平和に暮らせるよう願いたい」と語りました。

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 枝野代表は、「3年間、最大野党が分裂し、いろいろなことを乗り越え、今日に至った。この国にもう一度政治の選択肢を作らねばならない。安倍政権の約8年、全国では野党が厳しい状況の中、沖縄では2年前に玉城デニー知事を誕生させた。3年前の総選挙では何の足場もない立憲民主党に多くの票をいただいたのは、今の政治の不審への表れ」と述べました。「先程菅総理の発言を赤嶺先生が話された。菅総理の発言に愕然とした。菅総理の姿勢は沖縄にとって許しがたい姿勢だ。政治家はすべてを知っているわけではない。知らないことに謙虚であって、耳を多くの声に傾けなければならない。国民の暮らしに耳を傾けない姿勢の表れの発言で、こうした政治を長続きさせてはならない。頑張っている地域がそれぞれの特性を生かしながら暮らしに寄り添った政治のために、頑張らないとならない。沖縄は戦争で大きな被害を受け、今も米軍のほとんどが集中している、その状況を変えていく。そのために声に寄り添った政治を前に進めていきたい」と表明しました。
 基地問題について「沖縄は、オール沖縄という時代を先取りした枠組みを作り、多くの成果を上げてきた。立憲民主党は各政党と違い、今日生まれたばかりの政党で歴史が違う。沖縄での勢力は小さいが、各勢力と連携し、国会では、最大野党として皆さんの声を国会で届ける役割を果たしたい。沖縄の皆さんの思いを実現していくのは簡単でない。政権を取ってすぐできると無責任に言えない。米国との交渉は難しい。期限を切らず時間をかけ、粘り強く交渉することで、沖縄の皆さんの思いを届けることはできる。その政権を来たる総選挙で作りたい。沖縄の4つの選挙区はひとつたりとも自民党に渡す訳にいかない。力を結集して1議席も渡さない総選挙をつくって行こう」と呼びかけました。

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屋良朝博沖縄県連代表(中央)

 新県連の代表に就任した屋良朝博衆院議員は、「昨年、衆院補欠選挙で当選をさせていただいた。選挙で市場をあいさつ回りしたとき、高齢の方が、「沖縄、ウチナーをよろしくね」と言われた。重い言葉だと思った。朝早くから生活のために仕事をされていた。お年寄りの方は戦争の癒えない悲しみ、米軍統治下での不安、戦中、戦後生き抜いてきた。沖縄の歴史の傷みを持って生きている。私たちは今どうするべきか考えないといけない」と語りました。「沖縄は復帰後半世紀、交通インフラ、経済成長と発展を遂げてきた。経済的に元気で魅力のある島に思われる。しかし現実は、県民所得がいつまでたっても最下位、子どもの貧困は全国平均の2倍、最低賃金も低い。今の日本の縮図ではないか。米軍基地問題は、普天間や那覇軍港などの7割を使用しているのは海兵隊だ。海兵隊が沖縄でなければ運用ができないと言っているのは日本政府だけだ。立憲民主党は基地や経済など現状変更を求める議論をしていく。議論に臆病になってはならない。諸先輩方のご協力をいただきながら、沖縄立憲民主党は前へ進む政治を目指していく」と力強く語りました。

 大会終了後、枝野代表、屋良県連代表、有田県連代表代行らが記者会見を行いました。

記者)昨年、代表が合流を呼びかけ、この間、新立憲民主党が結成され、今日こうして沖縄県連も結成された。一方で国民民主党、あるいは社民党とは完全な形での合流にはならなかった。合流を呼びかけられた側としてどう思われるか。

枝野代表)それぞれいろいろなご事情、お立場をかかえていらっしゃるわけですから、完全な形でなかったのは残念である一方で、それぜれのご事情、お立場を理解することが大事なことだと思っています。率直に申し上げて、国会で衆議院108人、参議院と合わせると151人に――この間の繰り上げ当選でなりましたが――、そういう野党第1党をつくったことが、それだけ大きなインパクトを与えるとは、正直私も想像以上だったので、そういう意味では、残念な部分は残っているが、1年前に想像していたよりも大きな前進をすることができたと受け止めておりますので、ここから先、大きくなったメリットをしっかり活かしつつ、完全にならなかったことについては、互いの違いを認め合いながら連携をしていきたいと思っています。

記者)次期衆院選について現在3区の屋良議員だけが公認候補ということになるが、たとえば社民党や無所属の候補を推薦することもあるだろうが、立憲民主党としての沖縄における総選挙にどうかかわっていくか。

枝野代表)沖縄においては、新しい立憲民主党どころか、旧立憲民主党の結党よりも前からオール沖縄という枠組みで地方選挙、国政選挙ともに戦ってきて、いろいろな形で野党連携が成功している地域だと思っていますので、全国的に見れば最大野党としての立憲民主党が空白区をできるだけつくらない一番大きな責任を持っていると思っておりますが、沖縄においてはオール沖縄の枠組みを大事にし、尊重しながら、その中でどの役割を果たしていくのかということですので、県内におけるさまざまな調整などを見守っていく中で、党としてご要請があれば、それにどう応えていくかという、ちょっと全国の構造とは沖縄はいい意味で先行しているので、様子がちょっと違うということを大事にしたいと思っています。

記者)オール沖縄に関して、保守から革新を含めてまとまっているのは辺野古移設反対というところが大きいが、枝野代表は辺野古の問題の先頭にいたと思うが、無責任なことは言わないけれども、粘り強く交渉していくというふうにおっしゃっていました。辺野古移設問題に関して、今後の選挙のあり方とも係ると思うが、どのようなお立場なのかをお聞かせください。

枝野代表)まず、内政問題として政治が決断、判断できるわけですから工事はいったん停止とすべきです。これは明確な姿勢であります。その上で、立憲民主党は綱領で日米同盟、健全なですけれども、いま健全ではないということが前提ですが、健全な日米同盟を基軸とするということですので、これはアメリカとしっかり交渉をして、新基地建設なき普天間を返還するということは、相手の同意を得ていかなければいけない。それは先程も申し上げましたとおり、簡単だとは言うつもりはありません。しかしながら、海兵隊の役割とか、その機能とか現状の体制を考えた時に、アメリカの国益の観点に立ったとしても、新基地建設なき普天間返還というのは、十分あり得ることだと思っていますので、政権をお預かりできれば、そのことを期限を切らずに粘り強く丁寧に交渉することで実現していく道を切り開いていきたいと思っています。

記者)政権を取ってから米側と交渉に入るのか、それとも現時点で交渉に入って行くのか、また現時点で米側との交渉がで得るパイプだったり、人脈があるのか教えていただきたい。

枝野代表)まず、アメリカ政府と国家間の交渉を野党がやってはいけないことです。政府が、政府との交渉はやるということです。ただ、政府間の交渉を将来きちっと進めて行くには、屋良議員はご自身でジャーナリストというお立場で実際にやって来られたことですが、政党としてもアメリカの議会人でありますとか、シンクタンクであるとか、世論喚起であるとか、そうしたできることを最大限やっていく。私自身は党の代表という立場に立ってからこの3年間、選挙が相次いでなかなか、今年はコロナもあって、1度しか私自身はアメリカを訪問できていませんけれども、今回のアメリカの選挙でもいわゆるプログレッシブといわれる皆さんが伸びていますけれども、2年前にお訪ねした時には、アメリカのプログレッシブ議連の皆さん等とはいろいろと話をさせていただいたり、あちらのシンクタンクの皆さんとも意見交換をさせていただいて、逆にそうしたプロセスがあるからこそ、アメリカの海兵隊、アメリカの国益の観点から見ても、辺野古新基地建設なしで普天間返還は十分に、アメリカの立場からもあり得ることだという認識に立っていると。こうした努力はさらに続けるべきたと思います。

記者)党名のことだが、「沖縄立憲民主党」と沖縄県はされたということだが、どういう経緯で、そういう声が地元から上がったのか、どういう思いを込めてそういう表現にされたのか教えてください。

枝野代表)まず、正式名称は「立憲民主党〇〇県総支部連合会」としていますが、通称でどう呼ぶかは敢えて申し上げますと、党本部としては、立憲民主党〇〇県連というのが望ましいと認識しておりますが、会合の中で申し上げましたとおり、沖縄には歴史的にも、あるいは現在の状況においてもさまざまな特別な事情があって、沖縄の県連の意向をしっかりと受け止めることが沖縄にとっても、党にとっても適切であると受け止めています。

屋良県連代表)やはり歴史とか、今おかれている状況を考えた時には特殊な状況が沖縄にはあります。そこで声を上げていくのですけれども、その時に東京に向けていう言い方と沖縄に向けていう言い方がありますが、私たちはやはり地方の組織として、地方に根差して、地域の人たちに分かりやすく政策を伝えていく上で、やはり沖縄を前面に、前の方に置いて打ち出していった方が伝わりやすいんじゃないかということを考えて、通称なので特例でも何でもないですが、私たちはそういう言い方をしていきましょうということを決めさせていただということであります。

記者)桜を見る会の問題で、本日安倍前総理の公設秘書らが東京地検から聴取を受けていたことが明らかになりました。そのことの受け止めと25日には予算委員会集中審議がありますが、終盤国会に向けてどのように臨むか伺います。

枝野代表)御社が報道されているので事実でしょうから、事実であるとすると、現職の総理大臣が現職の時におこなった行動に係ることでご本人ではないにしても、事情聴取がおこなわれていたということは大変深刻な事態だと受け止めております。したがって、もちろん、検察が取り調べをしているわけですから刑事事件だという側面もありますが、そうした聴取に至るくらいの犯罪の嫌疑があると検察当局が認めているわけですから、それは政治倫理の問題として、政治責任の問題としてもしっかりと問いただしていかなければいけない問題であると思います。
 ただ、水曜日の予算委員会については何しろ、今の足元の命、健康、そして経済、とくにGoToなどについての政府の二転三転、右往左往している状況ですので、事業者の皆さんへの影響、非常に足元、短期的に非常に深刻な問題がありますので、まずはこの問題について政府の姿勢を問いただしていくのが中心になるだろうと現時点では受け止めています。

記者)枝野代表は今朝、玉城知事と会談されたが、どのような内容だったか、衆院選とか辺野古移設の話もあったのか教えてください。

代表)全体的に新しい立憲民主党、沖縄の立憲民主党が立ち上がるということについてお祝いを言っていただいて、デニー知事もその前は、われわれと一緒に国会で活動をされていた仲でありますので、若干、ここに至る昔話ほど昔ではありませんが、そんな話。あとは、基本はやはりコロナですね。特に私の立場からは、沖縄が知事の指導力のもとで、観光産業が非常に大きな沖縄で、感染を広げずに観光産業をどう回していくのかということで、東京でも聞いてはいましたけれども、より具体的に状況のご報告と、だから国にやってほしいということで話をいただきました。時間的には、それがどうしても圧倒的に長かったと思います。

記者)次期衆院選について、先程新たな立憲民主党が結成されて規模が大きくなったが、国政全体として候補者数としては変わっていない。次期衆院選に向けてどのような調整が必要になってくるのか。

代表)まず沖縄は、オール沖縄という、われわれよりも先行している枠組みがありますのでそれは大事にしていきたい。全国的な問題を申し上げると、まずこれまで会派を共にして来られた皆さんとは、きちんと一本化をして、さらに密接な選挙協力をしたいと思っています。それ以外の皆さんとは、それぞれの立場の違いがありますので、それはそれと認め合いながらどのような連携ができるか、とくに候補者の一本化については、衆院選挙は参院と事情が違いますので、すべての一人区で一本化をするということを目標としていません。それぞれ比例などで党勢を拡大したいという他の政党のご意向、ご要望もありますので、一本化をすることで結果に落ち着き得る選挙区を中心に、50から100位の選挙区で候補者の一本化をしたいと思っています。沖縄はちょっと別枠で、沖縄は4選挙区とも一本化をしてオール沖縄の経緯を踏まえた連携ができるのではないかと期待しています。

記者)県連代表に伺いますが、立憲民主党はまだ県内で市町村議員や県議が少ないが、今後足腰を強くしていくために1月から4月にかけて市長選もあるが、統一地方選を含めて県連として目指していく方向、目標があれば教えてください。

屋良県連代表)今年から来年にかけて市町村における市町選挙、あるいは市町村議会議員選挙がさまざまあります。私たちが党勢を拡大するために乗り込んで行くことがいいのか、それとも既存の勢力のあるところに入って行って、下支えというかお手伝いをする形の方がいいのか、ケースバイケースだと思っております。先程来、お話のあるオール沖縄の枠組みというのが首長選挙でもいろいろなところで調整力を発揮していたいだいておりますので、そこはそことして、私たちも一生懸命協力して、その勢力の中に入ってやっていきたいと考えております。

記者)枝野代表はオール沖縄の枠組みの中でやっていくとご主張され、オール沖縄の枠組みの中で統一の候補者を立てるということだが、辺野古の問題で具体的に調整の仕方というか、何か今後政策を進めて行く中で他党との違いみたいなことが出てくる可能性はあるのだろうか、その辺をお聞かせください。他党というのは、オール沖縄を構成する他党のことです。

代表)党が違えば違いがあるのは当たり前のことだと思っています。オール沖縄においてもそうだと思いますが、全国的に選挙協力や選挙の連携を進めて行くにあたっては、全国レベルでは市民連合が間に入る形を踏まえて、辺野古の問題についても、従来の諸選挙の前には共通の政策、そういうものが提示をされて、事実上各党がそれを前提に、参院選挙等では候補者が決められたという経緯がありますので、それは踏襲をしていく形になると思います。その従来の市民連合の辺野古に関する政策の示し方をおそらく、例えば共産党さん、社大党さんから実はもっと違うものがあるんだとか、いろんなことがあるのだと思いますが、最大公約数としてそうしたところをしっかりとわれわれも含めて共有をしていくということの中で、違いは違いとして、それこそ小異を残して大同で来た、その流れを大事にしたいと思います。違いの部分を殊更強調しようとは思っておりません。