泉健太政務調査会長、長妻昭厚生労働部会長、小宮山泰子国土交通部会長は15日、「『第2波』『第3波』による新型コロナ発生に対して20万円の慰労金を―医療・介護・障害福祉等の現場への緊急支援―」および「GoToトラベル一時停止に伴う関係者への十分な支援を求める要請」について国会内で揃って記者会見を開きました。

 泉政調会長は冒頭、今感染拡大が止まらないという状況と、政府が急きょGoToトラベルを一時停止したことを受けて開いたと記者会見の趣旨を説明。

 その上で、ここに至るまで医療支援や積極検査がなかったこと、政府の感染防止対策の遅さが今の感染拡大につながっていると指摘。人の行動抑制についても、政府の感染リスクが高まる「5つの場面」での注意喚起はほとんど国民に浸透せず、感染拡大防止を呼び掛けた「勝負の3週間」でも国民の生活にはあまり変化が見られない状況が続いているとして、「感染防止対策や判断の遅れが、この年末年始のGoToトラベルの一時停止につながった。ある意味人災といえる状況だ」と政府の対応を批判しました。

 立憲民主党としては、政府に対し(1)医療の現場が非常にひっ迫している、また精神的にも大変きつい状態にあるなか、予備費での慰労金の追加支給(2)GoToトラベル停止措置に伴う関係事業者への経済的支援――を求めていくと表明。あわせて自治体が飲食店などに営業時間短縮を要請して協力金を支払う場合の財政支援策として、国が地方創生臨時交付金500億円を追加交付する方針を示していることに触れ、「せめてその4倍の2000億円くらいまでは確保し、地方自治体が躊躇しなくていいようにする。時短要請に対する休業補償、休業支援・休業協力ができるようにと訴えたい」と述べました。

 GoToトラベル停止措置に伴う関係者への支援については、「政府は旅行業者、あるいは宿泊業者に対する一定の補償は総額4800億円ぐらいと粗い計算をしているようだが、それだけではない。仕入れの業者や生産業者といった方々に影響が及んでいる。われわれとしては、持続化給付金の追加募集を行うべきだ」と訴え、1月15日の申請期限を迎える持続化給付金については、要件を緩和してでも厳しい業界、業者には再給付の手続きができるようにするべきとの考えを示しました。

 長妻厚労部会長は、疲弊をしている医療関係者らに対し人・もの・金の支援が必要だと強調。一方で、人手については急に増やすことが困難であることから、地域の偏在を解消しながら何とか頑張っていただくような状況になっているとして、第1波に係る対応で第2次補正予算に計上した慰労金を、第2波、第3波に係る対応についてもさらに20万円の慰労金を支給すること、加えて、7月以降に新たに働き始めた医療機関・事務所等の職員にも5万円の慰労金を支給するよう政府に要請する考えを示しました。あわせて、保育所や学童保育等の子ども・子育て支援施設に勤務し、利用者と接する職員に対しても同様の措置を検討することも求めていくと述べました。

 また、菅総理が14日、新型コロナウイルス感染症対応で病院に派遣されている医師や看護師について「処遇を倍増したい」と発言したことについて、あくまでも派遣事業により派遣された例外的な看護師らのみが対象になるものだと指摘。「従来ずっと頑張って働いておられる方についての話ではない。私たちはその足らざる部分をまず補っていきたい。これで終わりではなく、継続してお支払いを続けることも検討事項として政府には十分議論、検討をして欲しいとあわせて要請をしていきたい」と述べました。

 長妻厚労部会長は、16日に田村厚労大臣に対し申し入れを行うと述べ、政府の対応がなければ法案提出も検討してく考えを示しました。

「第2波」「第3波」による新型コロナ発生に対して20万円の慰労金を―医療・介護・障害福祉等の現場への緊急支援―_.jpg

 小宮山国交部会長は、同日午前の国交部会で観光庁の担当者に「GoToトラベル一時停止に伴う関係者への十分な支援を求める要請」を手渡したと報告。政府からはクーポンを支払っていただくお土産屋さんや売店への補償、あるいは予約サイトなどでの仲介手数料についての言及はないとして、「あまりにも突然(の判断)で、制度設計があまりにも粗雑。結果として現場にすべてしわ寄せがいっている。本当にお粗末な政治」だと政府の対応に苦言を呈し、今後合同部会でさらに具体的な政策を提案していきたいと力を込めました。

【要望書】「第2波」、「第3波」による新型コロナ発生に対して20万円の慰労金を(2020年12月15日).pdf
GoToトラベル一時停止に伴う関係者への十分な支援を求める要請 国土交通部会.pdf