新型コロナウイルス対策本部と内閣・厚生労働・法務部会が19日、合同で会議をおこないました。政府が今国会で提出を予定している「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案」について政府からヒアリングをする予定でしたが、与党内の手続きが終わっていないという理由で政府側が出席できないことになりました。そのため、衆院法制局に政府から与党に提出した改正案の概要を解説してもらい、出席議員が意見交換をおこないました。
冒頭あいさつに立った逢坂誠二対策本部長は、「昨日から通常国会が始まりまして、まさに今回(の国会)は緊急事態宣言下でコロナ対策を全面に押し出してやらないといけない。国民の命が失われる状況になっているので、とにかく政治の力を全力で発揮する場面だ」と力を込めました。政府が出席して説明できない状況について、「急いでいるのか急いでいないのか、やりたくないなら最初から協力を求めるなという思いを持つ」と憤りを示しました。そのうえで、「われわれが戦っているのは政府でも与党でもない。誰のために仕事をするか。国民のために仕事をするわけです」と述べ、政府の出席がなくても最大限の議論をするため意見交換すると会合の趣旨を説明しました。
また、今回の特措法改正案で規定される罰則について、「われわれは罰則というものを頭ごなしに否定しているということではないが、きちんとした対策をすることが本筋だ」と述べ、感染防止、医療、事業や生活のための対策を十分に行ったうえで、それでも強制力が必要ならば「(罰則は)選択肢としてありうる」と述べました。そのうえで、「今の政府の対応を見ていると、その順番が逆になっている。『対策が不十分だ。それで現実がうまく回らない。だったら罰則だ』、これは本末転倒ではないか」と十分な感染拡大への対策を規定せずに、罰則を規定しようとすることに疑問を投げかけました。
意見交換終了後、今井雅人内閣部会長(衆院議員)が記者団からの取材に応じました。今井議員は、(1)罰則が厳し過ぎる、罰則を設けることが良いことなのかと意見があり、今後の審議は罰則が1つのポイントになる(2)財政上の支援が、「努力義務」だったものから「必要な措置を効果的に講ずる」となっているのは評価。十分な財政的措置がとれるか実効性を考える必要がある(3)罰則を講じると隠ぺいや検査に応じないことを引き起こし、かえってマイナスになる恐れがある。保健所に負荷がかかり、適切に取り締まりができるのか疑問――と会合で出た意見のポイントを説明しました。
罰則について会合で出た意見を詳しく問われると、「罰則そのものが必要ないという意見や刑事罰は厳しすぎるという意見、財政的支援と罰則のバランスが取れているかというのもあり、さまざま意見があった」と述べました。