参院予算委員会で27日、2020年度第3次補正予算について総括質疑を行い、立憲民主党から徳永エリ議員が1番手として質疑に立ちました。徳永議員はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大対策について、(1)若い人に感染拡大防止への協力を徹底する方法(2)スーパースプレッダー、後遺症(3)緊急事態宣言の解除判断(4)GoToトラベル(5)事業者、個人への支援――等について質問しました。

 徳永議員は、外出自粛要請について「協力要請をしていただいているが、伝わっているかが問題」と述べ、尾身茂・政府新型コロナウイルス感染症対策分科会長に若い人へのメッセージを出した思いを求めました。
 尾身会長は、「若い人は感染しても症状が軽い人が多いとわかっている。そして高齢者に比べて活動率が高い。強調するが、本人のせいではなく、気が付かないうちに感染し、その結果感染に時間差があり、高齢施設、医療機関、家庭へと(うつると)はっきりわかってきた」と説明。「ほんの少しのことをするだけで高齢者の命を守るだけでなく日本の医療を救う。彼らの時代だから立役者になってほしいとメッセージ出した」と述べました。答弁を受け徳永議員は、「しっかり知識を得て、正しく恐れるのが大事だ」と主張しました。

 さらに、COVID-19の後遺症について尾身会長にただしました。尾身会長は、「特に脱毛、倦怠感、味覚、嗅覚に症状、全身症状が出る。率は年齢によって違うが、高齢者は感染すると重症化するのはわかっている。若い人はほとんど症状がないということで、当然危機感が高齢者に比べて少ないが、長く悩むことがあるので、全ての年齢に気を付けてほしい」と注意を呼びかけました。徳永議員は、「後遺症が長く続いて仕事ができなくなる、辞めないといけないという人もいて、いつ復帰できるかわからない人もいるので、広くアナウンスして対策を考えてほしい」と政府に求めました。

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 現在の感染状況の評価、緊急事態宣言を予定通り解除できるのかも尾身会長にただしました。尾身会長は、年末から急激に感染者が増え、ここにきて感染者が減少傾向にあることについて「分析の途中ではっきり言えないが、ほぼ間違いなく、要請したにも関わらず年末年始の忘年会などで急激に増えたことは間違いない。ここ数日、感染の報告数が少しずつ減っているように見えるのは、年末の忘年会などの影響がなくなってきたと考えている」と説明。緊急事態宣言の解除判断については、「宣言の効果が今週末から来週初めにわかってくる。そこが解除の方法時期に重要な影響を及ぼす」と述べました。

 徳永議員は感染者が拡大したことについて、のべ8000万人を超える利用者がいたGoToトラベル事業により、一気に人の移動があったからではないか指摘をしました。さらに、「GoToトラベルを再開してほしいと言っている方々は、観光産業に支援が何もないからやってほしいと言っている。GoToしたり、一時停止したり、(現場は)仕入れしたり、従業員集めたり、休ませたり、ものすごい負担で倒産してますよ」と現場の窮状を強く訴えました。無利子・無担保融資や雇用調整助成金の延長をして、倒産しないように全力を尽くしていると答弁する赤羽国交大臣に対し、徳永議員は、「観光産業の皆さんとGoToトラベル事業を前提とした意見交換ではなくて、どういう支援が必要か、どうすれば感染防止ができて潤うのか。きちんと意見交換をして、事業そのものを見直した方がいい」と提案しました。

 また、「事業や暮らしが2度目の緊急事態宣言で相当傷んでいる」と述べ、「持続化給付金は中小企業や個人が助かったと言っている。底をついたので、もう1回給付してほしいと、大変声があがっている。もう一度検討いただけないか」と2度目の持続化給付金支給を要請しました。菅総理は、「資金繰り支援、雇用調整助成金の特例措置等の支援を行っている。これらの措置により、持続化給付金は現在考えていない」と答弁しました。
 10万円の特別給付金の再給付についても考えていないと答弁する菅総理に、徳永議員は、「生活が困窮している人には命の問題。どういう人に支援の手が届いていないか、もう1回きちんと検証して、多くの方に支援の手が届いて、ちゃんと救える命を救っていただくことをお願いする」と強く求めました。

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