枝野幸男代表記者会見

2021年2月26日(金)14時00分~14時56分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/3p6BAYu39Aw


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○東日本大震災・原発事故から10年を迎えるに当たって

【代表】
 よろしくお願いいたします。お疲れさまでございます。
 冒頭、私から5点ほど申し上げたいと思います。
 まずは、3月11日までの間に会見ございませんので、少し早いですが、東日本大震災からちょうど10年を迎えます。ご承知のとおり、東日本大震災の折には官房長官を務めておりましたので、災害対応、その後の原発事故対応に当たらせていただきました。10年を迎えるということで、改めて、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表しますとともに、大切な人を亡くされた皆さんにお悔やみを申し上げる次第であります。
 この10年、復旧・復興に向けて、被災者の皆さん、そして関係者の皆さん、大変なご尽力ご奮闘をいただいてきておりますことに敬意と感謝を申し上げたいと思います。政治として、そうした皆さんの思いや期待に100%応えられていないのも間違いありません。そのことについてはおわびを申し上げたいと思っております。
 特に、福島を除けばハード面での復旧・復興は相当程度進んだと思っています。しかし、なりわいが戻ってこない、したがって地域コミュニティも戻ってこないということで、こうしたソフト面の復旧はむしろこれからであると思っておりますし、福島に至ってはようやく復旧が始まった、緒についたという状況だと思っています。10年の区切りが風化に向けた区切りになってはいけない。私にとってもそうですし、被災者の皆さんにとってもそうですし、これは国を挙げて現在進行形であるということを確認する10年目にしなければならないと思っています。ちなみに申し上げますと、東京電力福島第一原子力発電所事故による原子力災害緊急事態宣言は現在も継続中であります。終わった話ではない、現在進行形の話であるということを強調しておきたいと思っています。
 なお、感染症がございまして、例年であれば被災地をお伺いする、ことしは10年でもあるので、昨年の秋の時点では、今ごろの時期、もうちょっと早い時期から各地を回ろうと思っていたのですが、それができません。3月11日の時点で現地を伺えるかどうか、最後までぎりぎりまで模索をしたいと思っております。

○立憲民主党「zeroコロナ」戦略を策定

【代表】
 2点目です。通常国会冒頭の代表質問、そして予算委員会で、COVID-19の対策を抜本的に見直して「zeroコロナ(ゼロコロナ)」というビジョンへの転換ということを提案いたしました。まずは感染防止だと。その間、国民や事業者の皆さんに対する支援を徹底する。こうした考え方、具体的に党内でももんでいただいて、きのう「zeroコロナ」戦略、党議決定を政調でしていただいたという報告を受けております。
 若干私からも説明をさせていただきたいと思います。
 従来、やはり「withコロナ(ウィズコロナ)」という言葉に象徴されるやり方だった。社会経済と感染対策の両立を目指してきた。両立ができれば一番いいわけでありますが、現にこの年末から年明けにかけての「緊急事態宣言」に至る経緯を見れば、感染が減ってきたからといって社会経済活動を活発化させれば、また感染が拡大をしてもとのもくあみという、このことを繰り返してしまっています。その基本的な構造は、ワクチンが本格的な効果を上げるというような状況になるまでは、実はウイルスの特性から変わらないと言わざるを得ません。もちろん、さまざまな制約は短いほどいい、誰もが思っているわけでありますが、目の前、少しそれを急いだことによって、またより深刻な波が来てさまざまな制約がむしろ大きくなる、そして医療が逼迫し人の命が失われていくということは繰り返してはいけないということは、この間の明確な教訓であると私は思っています。
 「zeroコロナ」といってもウイルスをゼロにするわけではありません。しかし、「withコロナ」との対比として申し上げています。感染拡大の繰り返しを防ぐ、その段階までしっかりと感染状況を抑え込み、そして再拡大しないような封じ込めの対策を徹底的に打つ。そうすることによって早期に通常に近い生活や経済活動を取り戻していく。こういう戦略に立つべきだということを提案しています。
 台湾やオーストラリア、そしてニュージーランドでは、こうした方向の対策をとってきております。共通しているのは、いずれも島国です。人口規模等には違いはありますが、しかし島国であるという有利さを生かせるという意味では我が国も共通であります。そして、この3カ国は、感染症による打撃を世界中が受けている中では圧倒的にその打撃が小さい。経済をうまく回しているのがこの三つであると。やはり「zeroコロナ」戦略こそが経済にも結果的にはプラスであるということは、各国の例で証明されていると思っています。
 その上で、これは予算委員会でも申し上げましたが、ポイントは三つ。
 まずは足元、医療を守らなければならない。これはいずれにしろやらなければならない一つ目のポイントです。
 二つ目は、感染者の早期把握と治療、そして隔離。感染を封じ込めることを徹底しなければならない。
 そして三つ目は、その間、徹底して暮らしと事業を守る。
 残念ながら、(現在の施策は)この3番が十分ではない。そして1番も十分ではない。このことについては、予算案の組み替えを提出する最終的な状況に入っていますが、この本予算に対する予算の組み替え、あるいは第3次補正に対する予算の組み替えで我々がやるべきことについては既に提案をしているところであります。
 この感染者の早期把握と治療による感染の封じ込めですが、とにかく検査は大幅に拡大をしなければならないと、ずっとこれは昨年の今ごろから繰り返し申し上げています。感染者を未発症の状況でできるだけ早く発見をする。未発症でも感染を拡大させる、こういう力があり得るというのは、この感染症の非常に取り扱いが困難なところであります。そこから感染が広がるのをとめるためには早期発見するしかありません。
 まずは、エッセンシャルワーカー等への無料定期検査。ようやく政府も1月になってこうした方向を示しつつあるように見えますが、まだ明確ではありません。
 それから、今、感染者が出た場合の周辺に対する検査、いわゆる濃厚接触者の範囲に限定をされ、その対象は非常に狭くなっています。濃厚接触者そのものは、自宅待機などをお願いする、行動に制約をお願いするということになりますから、濃厚接触者そのものを広げるべきだとは思いませんが、現状の濃厚接触者に限らず、もっと幅広く周辺の皆さんに対してはPCR検査を行う。できれば複数回、間をあけて行うことで、その周辺の感染者、見落としのないようにしていくということです。
 そして三つ目に、安価で迅速で大量に検査ができる、そういう態勢をつくらなければならない。これも過日の予算委員会で私、具体的な機械の特定をしてでもそのことについて指摘をいたしました。そういうものについての予算はつけるよということは政府の方針でありますが、私が申し上げた全自動PCR検査装置についても、厚労大臣は必ずしもご存じでなかった。厚労大臣すらご存じでないのですから、各自治体であるとか、あるいは医療機関であるとか、こうしたところが自力でわかるのかと。わかっていないから、国産のものが海外で使われているのに日本では使われていないみたいな変なことがこの時点でたくさん起こってきています。ここを徹底して情報共有をして一気に広めていくということを申し上げています。
 それから、宿泊療養や自宅療養、これを徹底してやっていただくということに向けては、それを安心してできるような医療や食事の態勢を確保しておくということです。自宅にいて、でも食べるものがなくて、一人暮らしでどうにもならないみたいな話がまだまだ残っております。あるいは宿泊療養も含めて、急変した場合の対応ができないという状況になっています。1月上旬の、感染者がピーク、今回のピークであった状況の前後では、陽性者の周辺の検査や、あるいは宿泊療養や自宅療養における環境の改善を一気に進めることは難しいという現実があったと思いますが、「緊急事態宣言」を解除できるような状況まで本当に改善しているのであるならば、こうしたこともしっかりとやっていくべきだと思っています。
 二つ目に大事なことは、出入国管理の徹底です。とにかく誓約書を書いてもらって、2週間家から出ないでくださいねと、でも自力で公共交通機関を使わずにホテルなり自宅に帰ってくださいねと。そこから事実上野放し。多くの皆さんは、そうした行動、しっかりと守っていただいていると思いますが、残念ながら今回変異株が幾つも出てきているという状況などを含めれば、やはり水際でとまっていないということははっきりしているわけでありまして、やはりこうした島国など特に入国管理・水際対策がしやすいところでは、複数回のPCR検査、間をあけてのPCR検査、その間については事実上の隔離をお願いすると。空港周辺のホテルはお客さんがいなくて困っているわけでありますから、そういったところで、しっかりと行政が管理をした場においてお約束を守って事実上の隔離に応じていただくと。そして、そこにはしっかりとその間の生活は支えていくというような対策をとるべきだと申し上げています。
 3点目は、これもこの間の予算委員会で申し上げましたが、ゲノム解析。これはPCRにも言えるのですが、この1年、厚生労働省が自前の感染研を軸に物事を組み立てていることの間違いが生じています。現在もこのゲノム解析については感染研と地方衛生研究所、このラインで全部やろうとしているので広がっていません。しかし、大学などを含めれば、それ以外のラインのところでゲノム解析の能力、あるいはそこに応用できる能力がたくさんある。それをしっかりと集中してゲノム解析で感染ルートをしっかりと追える、こうした態勢をつくるべきだと。
 4番は、言うまでもないワクチンの迅速化。
 こうした「zeroコロナ」戦略を明確に我々は示して、ここへの転換を強く迫っていきたいと思っているところであります。
 特に今、きょうにも首都圏を除く「緊急事態宣言」の解除という方向と承知をしています。そのこと自体は歓迎すべきことなのかもしれませんが、営業の短縮要請など一番厳しい状況でご協力いただいている方へのご協力のお願い、厳しい状況が抜本的に変わるわけではありません。引き続きそれはお願いをしていく。一方で、「緊急事態宣言」が解除されると「普通の生活に戻っていいんだろうな」という間違ったメッセージが国民の皆さんに伝わる。厳しい皆さんにとってはプラスがなく、そして誤解に基づいて感染拡大につながるようなメッセージになりかねないという非常なリスクを背負っています。当然総理大臣がみずから記者会見をやって、誤ったメッセージにならないように丁寧に強いアピールをしなければならない局面だと思っていますが、どうも記者会見をやらないというふうに今伝えられていることは、信じられない、責任放棄だと思っております。

○予算審議について

【代表】
 三つ目。衆議院の予算委員会が佳境に入ってきているところであります。衆議院で100人を超えるまとまりとなった効果を痛感しています。総理経験者から新人まで、本当に多様な人材がそれぞれの持ち味を出して、COVID-19対策はもちろんでありますが、外交・財政といった国家の基本を含めて重厚な議論ができたと思っております。
 この間、議論に合わせてさまざまな政策提言も実績を積み重ねています。国会に入って、来週には「コロナ特別給付金法案」を提出する予定ですが、(COVID-19対策関連で)6本の議員立法を提出しています。特措法では、決して満足をしている結果ではありませんが、到底許されるものではない刑事罰をなくさせるという大きな修正をかち取ることもできました。補正予算に対しての組み替えも明確なものを示すことができました。国民にもう一つの選択肢を示すということについて、この国会審議を通じて示してくることができたと思っております。
 一方で、残念ながら政府側はこの予算審議などを通じて、収賄・汚職まみれ、政治行政がゆがめられたと、もう明確に言わざるを得ません。権腐十年、権力は10年で腐る。政権復帰から10年近くなって、そのうみが出てきていると言わざるを得ません。政治がということよりも、政治が腐敗をしていることで官僚システムも大変信じられない状況になっている。半分は、それは官僚組織とはいえども特に幹部の皆さんは国を背負っているので、それは政治に忖度(そんたく)を求められてもしっかりとはねのけていただく、そういう責任を国民に対して官僚の皆さんも負っていらっしゃると思いますが、同時に、やはり政治がこういう状況だから官僚の皆さんのモラルの低下が生じていると言わざるを得ない状況だと思っています。
 引き続き政策議論、政策提案、そして国会の重要な役割である行政監視の両面で役割を担っていきたいと思っています。

○選択的夫婦別姓制度 丸川男女共同参画相の任命について

【代表】
 個別課題でありますが、私自身、多くの方がご存じのとおり、初当選以来、選択的夫婦別姓制度について先頭に立ってきた自負を持っておりますが、よりによって男女共同参画担当大臣に就任した丸川珠代大臣が、選択的夫婦別姓導入に反対する文書を各都道府県の議長に送付をしていたということが明らかになりました。
 この件について丸川大臣は「私の信念」と答えられました。選択的夫婦別姓はジェンダー平等の実現に向けた大きな課題であるのは間違いない。信念で反対という結論ありきの方をこのポストにつけたということは、それこそ任命責任が問われる話だと思っております。  自民党では選択的夫婦別姓は不可能であるということを、残念ながらぜひご関心のある皆さんにその認識を、今度のことで裏づけられたということで共有をいただきたいと思っています。我々、政権をとらせていただいたら、イの一番にこれは実行する大きなテーマだと思っています。

○オンライン総支部長懇談会について

【代表】
 最後に、この間、実は地方になかなか出向くわけにいかないという感染症の状況のもとで、総支部長の皆さん、現職以外の衆議院の候補を予定していらっしゃる皆さんと、少人数に分けて、全体12のグループに分けておりますが、23日をスタートにして来月中旬までに懇談をZoomで始めました。それぞれの現場でさまざまなご苦労をいただいている状況や、いろいろとなかなか同じ党内でも疑問に思っていることなどをお尋ねいただく、あるいはお互いにそれぞれの地域で頑張っている皆さん同士でお互いの頑張りを確認するということで、思った以上の効果を上げていると思っております。
 党として政権の選択肢として認めていただけるように、さらに明確にさまざまなことを打ち上げていきたいし、また、政権監視の能力があるということを示すことで政権担当能力を示していきたいと思っていますが、選挙はこうした面と、それぞれの地域での足元での活動の両輪であります。地域で頑張っている仲間が、物心両面の「物」のほうがなかなか十分に行かない分だけ、しっかりとそれ以外のところでサポートしていって政権交代を目指していきたいと思っています。
 私からは、長くなりましたが以上です。


■質疑

○「緊急事態宣言先行解除」「内閣広報官」「予算委対応」について

【NHK・佐久間記者】
 先ほど少しお話があったが「緊急事態宣言」を解除する方向ということだ。しかし首都圏はまだ解除にならないということで、代表はこれについて首都圏がどういう状況になったら解除できるのかということと、きょう解除になるところも引き続き感染症のリスクはあるところだと思うが、これについてどのように引き続き感染者数がふえないような方向に持っていけるかという、何かメッセージみたいのものがあったら教えていただきたい。
 また、総理会見をやらないということについて、一部では山田内閣広報官を隠しているのではないかという指摘もあるが、これについてもお話を伺いたい。
 予算委員会だが、衆議院予算委員会は終盤になってきている。総務省と農水省の接待問題では国民から疑念の目が向けられていると思うが、これまでの答弁でこういった疑念は尽くされたと考えられているか。予算委終盤の対応である不信任案、大臣の不信任など含めて代表の考えを教えていただきたい。

【代表】
 まず、解除自体は専門家の皆さんと直接コミュニケーションをとる政府が責任を持ってやっていただかなければいけないと思うのですが、その前提条件は、私は今あまり注目されていない点が二つあると思っています。
 一つは、絶対にリバウンドさせないこと。短期でまた感染者の数が増加に転ずるというような状況で解除しては絶対にいけない。そうならない確信を持ってやっていただかなければならないと思っています。
 もう一つは、実は「zeroコロナ」戦略と絡むのですが、保健所が機能を回復させること。積極的疫学調査、つまり、感染者が新たに出たときに、その周辺の感染の状況や感染ルートをしっかりと保健所が追える状況。これを取り戻しておくことが前提条件だと思っています。残念ながら、やはり感染者が多くなり過ぎて、その積極的疫学調査(の対象)を重点化するということを神奈川は明確に進めましたし、東京もそうした方向で進んでいると承知していますし、厚生労働省も事実上認めています。でも、そういう状況で解除したら、新たな感染あるいはクラスターから広がっていくことをとめることができないということになりますので、保健所が機能回復して、私どもの提案では従来以上に厳しく、厳格に積極的疫学調査ができる状況を保健所が取り戻す。これが前提だと思っていて、きょう解除されるという地域についてもこれらの点は率直に申し上げて不安です。
 2点目ですが、そのようなことを指摘されること自体で広報官としていかがなものかという、既に職務を果たし得ない状況になっているのは明白だと思っています。
 総務省そして農林水産省とも、これだけ省を挙げての大不祥事、そのことはもう明確になっているわけで、大臣の政治責任は免れないという状況だと思っておりますが、国会対応をどうするのかは、終盤に近づいているのは間違いない状況ではありますが、私も月曜日に質問に再度立たせていただきますが、まだ衆議院の審議は続いておりますので、状況によっていろいろなことを国対と相談をしたいと思っています。まだその段階ではありません。

○東日本大震災 発災当日の会見対応について

【フリーランス・宮崎記者】
 10年前の総理記者会見に関して、対応の違いについて伺いたい。10年前の3月11日午後4時55分から菅直人総理が2、3分ほどメッセージを発し、その後、枝野官房長官が質疑を受けるという対応になった。2時間後に菅総理は、国民の皆様、テレビ・ラジオでご存じのように原子力施設も含めて私を本部長とする緊急対策本部をつくりましたと。枝野官房長官が質疑応答に立ち、時々刻々情報が入っているが相当甚大な被害になっていることは間違いないということだった。この10年前の記者会見の経緯は今まで誰も語っていないと思うが、菅総理が2、3分だけ発言して引っ込んでしまい、枝野官房長官が質疑に答えたということで、いわゆるイラ菅というか、官邸の中で、当時のチームは青春甲子園みたいなまとまったチームみたいな印象を国民は持っていたかもしれないが、イラ菅で菅総理は消費税増税だとか思いつきでいきなり話をするからちょっと困っちゃうよねとチームが考え、枝野官房長官なり福山副長官なり補佐官の間で、寺田さんとか、本多平直さんとか、たぶんあったと思う。そういったところで菅総理は2、3分メッセージを発してもらって退場してもらって、これから枝野官房長官が質疑応答で答えていくと、わずか2時間だがおそらくそういった話し合いがあったのではないかと思うが、そこを含めて、きょう菅総理が、山田広報官が記者会見をしないこととあわせて、今どう思われるか。

【代表】
 少なくとも私が意識をしていたのは、まず総理がメッセージを出さなければいけないと。総理が先頭に立って、本当に100年に一度を超える(危機)だろうと思っていましたし、実際そうだったと思いますが、それに対応しているんだという強いメッセージを出さなければならない。したがって総理が先頭でメッセージを出さなければならない。
 同時に、原発がまだはっきりしない状況、その段階でも非常に広域的で多岐にわたる被害に対応しなければならないという状況の中で、おそらく総理が全部質疑に答え切れるような状況をつくるのは無理だろうと私は思いました。そうすると、それは私の仕事だと。
 大事なことは、総理がトップリーダーとして発信するメッセージと私が官房長官として質疑などに答えながら出していくメッセージとが一体のものとして受け取っていただかないと、政府の発信はどこからなのかということの発信者の明確性がつくれない。このことは、この1年ほど、今の政府に対して誰が発信の取りまとめなのか明確にしてほしいと、各大臣が違うことを言って誰を信じていいのかわからないということを申し上げてきていますが、そういうことを起こしてはいけないので、総理のメッセージと私のメッセージが一体であるということをつくらなければならない。したがって、総理がメッセージを出すのと私の質疑応答を何回かセットにしないといけないねということは意識しました、私は。ということを意識しましたが、明確に何か相談をしたわけでなく、何となく自然体で、まず総理が2、3分メッセージ、最初に冒頭メッセージ出してくださいと、あと質疑応答は私やりますと、ごく自然体でそうなりました。
 イラ菅とかいろいろご想像されるのは、ご想像はよくされること自体はよくわかりますが、そこはいろいろな意味で、我々特に政治チームは慣れていますので。いいところもたくさんある、そのことによる。むしろ東日本大震災ではいいことのほうが大きく出たと思っていますが、そのことよりも、総理が全体把握して、しかも広く、しかも分単位で状況が変わる状況の質疑(応答)までは無理だろうという判断と、一体化ということを両立させるということが私の意識でした。

○福岡県知事選について

【西日本新聞・川口記者】
 福岡県知事選について伺いたい。小川洋知事の辞職により、3月25日告示、4月1日投開票で福岡県知事選が行われる予定だ。立憲民主党としては、この県知事選をどういう選挙と位置づけ、どのように臨みたいと考えていらっしゃるか伺いたい。

【代表】
 既にもう予定稿を打ち始めている方がいらっしゃるかもしれませんが、福岡県連に聞いてください。地方選挙ですから、まして首長選挙ですから。

【西日本新聞・川口記者】
 ということは、立憲民主党としては国政がかかわるべき選挙ではないと。

【代表】
 私は一貫して地方の首長選挙では同じスタンスです。

○「エネルギー政策」「財政政策」について

【「フランス10」・及川記者】
 2点伺いたい。1点目が、代表は西日本新聞のインタビューにお答えになっていて、使用済み核燃料のことを念頭に、「政権の座に就いたら急に(原発ゼロを実現)できるとか、そんなのはありえない」とおっしゃっている。確認したいのは、政権の座についても今稼働している原発をとめることは難しいということなのか。

【代表】
 そんなことは全く言っていません。

【「フランス10」・及川記者】
 どの。西日本新聞の。

【代表】
 今みたいなことは言っていません。今言ったようなこと。

【「フランス10」・及川記者】
 私が言ったこと。では、稼動している原発はとめるということか。

【代表】
 説明をさせていただくと、我々はもう綱領にまで掲げていますので、我々が政権をとれば原発をやめるということについて明確に始めます。
 ただし、原発をやめる、原発をゼロにするというゴールはどこかといったら、実は100年単位です。廃炉が終わって使用済み核燃料がどこかに安定的に保管されて初めて原発をやめたと言えます。だから、やめ始めますが、実際にやめ終わるのは大変な作業が要る。その最初の大きなハードルは使用済み核燃料だと思っていますし、廃炉だって簡単に作業ができるとは限りません、福島に限らず。したがって、やめ終わるには大変な、簡単ではないいろいろなハードルがありますよということを申し上げている。これは一貫してずっと申し上げています。
 我々のスタンスは、やめる。このことは明確です。政権をとったら、できることはすぐに全部やります。ただし、できないことはたくさんあるので、それを乗り越えながら最終ゴールにたどり着かなければならない。こういうことです。

【「フランス10」・及川記者】
 確かにやめた後も核のごみは何万年、何百万年かかるわけで、そのことは大変よくわかった。
 もう一点が、経済政策だが、これは幹事長にも政調会長にも伺ったが、特例公債法のときに階猛さんが本会議で質問に立ち、2025年度までのプライマリーバランス黒字化を財務大臣に求めていた。今コロナ禍であり、コロナ後も経済はたぶん後退局面だと思うが、立憲民主党の財政出動とプライマリーバランス黒字化という、この政策整合性をどうとっていくのか伺いたい。

【代表】
 これはもう整合性、簡単な話で、やはり財政規律という観点では明確な目標、それは厳しい目標であっても、それを掲げて努力をする。この基本線はやはり欠かせないと思っています。一方で、今、有事です。有事において、その財政規律のために出すべき支出をしないということで国民生活が成り立たなくなったり、あるいは倒れなくていい企業が倒れたり、経済がぼろぼろになるということは許されることではない。したがって、目の前のこの有事に対する財政支出ということについては、基本の目標は変えることがない、だけれどもそれに縛られることなく必要な財政支出は積極的に行っていく。これは全然矛盾しない、両立することであるし、むしろ中長期的な方向性なしに、ましてや放漫財政をすれば、財政に対する信認、通貨に対する信認、国債に対する信認がむしろ危なくなって、必要な財源を確保できないおそれがあると思っています。

○東京五輪について

【共同通信・玉井記者】
 五輪の開催について伺いたい。聖火リレーの開始まで1カ月を切ったが、準備状況等を考えると開催方針について判断すべきタイミングも迫っているかと思う。開催に関して現時点での立憲としての考え方をお聞きしたい。また、政府に対してはどのような判断を求めるか。

【代表】
 これは一種の外交案件なので、諸外国とどういうご相談、お話をされているのか。諸外国のオリンピック委員会とかIOCとかですね。これは我々リアルタイムで知ることができませんので、なかなか明確なことは申し上げにくい。
 ただ、やはり明確に今言えることがあると思っていますが、オリンピックを開催することによって国民の命や、あるいはやって来られる選手、アスリートの健康や命が害されることになってはならないということです。ワクチンの接種が遅れるとか、COVID-19に対する対応が不十分になるとか、あるいは今そのことでそれ以外の診療科、救急医療なども非常に東京を中心に脆弱な状況になっている、オリンピックを開催することでこれがさらに脆弱になって、そのことで救える命が救われないなんていうことは絶対に許されない。ましてや、コロナ禍でアスリートの皆さんが日本で集団感染して国に帰るなんていうことは絶対に許されない。
 そういったことを絶対に起こさないと、まあ人間のやることに絶対はないのですが、そういったことがほぼ起こらないという確信を我々に与えていただきたい、政府は。我々というのは、国民に与えていただく。そういう情報と確信となる根拠を示していただく責任があると思っています。

○富山県連設立について

【北日本新聞・七瀬記者】
 先日、富山に全国で46番目となる県連が設立されたが、県連がちょっと遅くなったのかなという部分もあると思うが、代表の受けとめと、富山県は衆参とも自民が独占している状況だが、そういった中でどう選択肢として拡大を図っていくか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 ありがとうございます。地元の方でしたらもうご承知のとおり、もともとここは社民党さんが非常に、相対的には野党の中では強い。(旧)立憲民主党は結局去年9月の合流まで県連を立てられない、拠点が全くない状況。隣の石川も遅れたのですが、ここは早い段階で喜成さんという金沢市議会議員がいて拠点自体はあった。それすらもないという状況。旧国民民主さんもお一人参議院に出た方がいらっしゃるという状況でしたので、実は9月15日の結党の段階から、社民党さんがいずれ合流されるという可能性、見通しがあったので、それを正直待っているところがあったのは間違いありません。実際には昨年の暮れ、社民党さんの方針が決まり、富山県連も少なくともかなりの人たちが一緒にやっていただけるという状況だったので、その態勢整備をしてということで、この段階になりました。ですので、ほとんど弱い状況の中でしっかりとしたものをつくるために必要なプロセスだったと思っております。
 その分、出遅れた分、ご指摘のとおり国会議員全部独占されているという状況を変えるのは簡単なことではありませんが、新しい県連で、従来いろいろな立場にいた仲間が一緒になってくれたわけですので、それを生かして頑張っていきたいと思っています。

【北日本新聞・七瀬記者】
 衆院選だが、富山1区では立憲民主のほうで内定者がいる中で、合流した旧社民のほうも候補を擁立して、どちらを公認とするのかという調整が終わっていないが、代表としては一度内定を出した人を見直すことがあり得ると考えるか。また、どういった形で公認候補を決定すべきと考えるか。お考えをお願いしたい。

【代表】
 すみません、そういう問題と言うべきか課題があることは承知をしていますが、そうしたことを含めて幹事長・組織委員長・選対委員長などで地元と相談をした上で県連設立というプロセスに至っておりますので、なおかつ、そのことについての報告が私のところに来ていませんので、いい方向で何らかの話を進めているのだろうと受けとめています。

○政権交代に向けて

【北海道新聞・文記者】
 旧立憲民主党立ち上げの際は、枝野代表にも熱量があり、それが世の中に伝わったと思う。さらにさかのぼって政権交代の際は党や社会全体に政治を変えるという熱量があったと思う。一方で現在はどうかと考えたときに、衆院選は間違いなくこの1年間の中にある中で、立憲が政権の選択肢、政権交代とステップアップできるような、社会を巻き込むようなポジティブな熱量というものはまだまだ不十分だと思う。今、野党は立憲の1強の中で、野党全体をけん引するのは枝野代表しかいないと思うが、そういった熱量を枝野代表はどうやってつくっていくか、どう社会に伝えていくか、その考えをお聞きしたい。

【代表】
 熱量がないというご指摘をされれば、そういったことには謙虚に受けとめなければいけないと思っているのですが、一つは、おそらく2009年とはかなり性質が違うものにしなければいけないし、そうでないとたぶん勝てないし、2009年と同じことは起きないだろうと。それは、あのとき期待に応え切れなかったというのを、わずか11年、12年の話ですので、たぶん全く違う性質の、それも熱量なのだと思いますが、というふうには思っています。
 それから、政治は時間の関数といつも申し上げておりますが、あえて申し上げれば、今、このCOVID-19が特にこの1年間、こういう局面、国家的な危機、それもほほとんどの国民の皆さんが自分や周辺で命の危機であったりとか倒産とか食べていけなかったりという危機を痛切に感じている中で、政党とか政治家が表に出過ぎるということは、本質的な意味の国民的な理解を得ていく上で「ちょっと違うんじゃないか」と受けとめられるのではないかと思っています。もちろん実際に選挙のときには政党を選んでいただかなければならないわけだし、政治家を選んでいただかなければいけないわけだし、既に「菅総理か枝野総理か、それを選んでいただくんです」ということを申し上げているとおりで、そういう戦いにしていくつもりですが、それはどういう状況でどういうことを訴えていけば、このCOVID-19の国家的な危機、多くの皆さんが目の前の不安を抱えていらっしゃる中で受け入れていただけるのかというのは、この時間の関数という要素は相当うまくやらないといけないのではないかというふうには思っています。
 ただ、そういうことを総合的に考えた中でも、いよいよ残り半年の間に選挙があるという状況ですので、皆さんにあまり気づかれないように、ギアはこの間に3段ぐらいアップしているつもりでありますので、それはそのうちじわじわと感じていただけるのではないかと思います。

【北海道新聞・文記者】
 関連するが、今はおそらくコロナの感染拡大をどう防ぐか、生活、命と暮らしをどう守るかというところに国民の関心もあるかと思うが、そのベースとしては、この政党は何をしてくれるんだろうという、どういう経済政策をとってくれるんだろうというところがやはり基本で、それは経済政策というのがどういう社会をつくるかというところに結びついていくからだと思う。立憲民主党、野党全体がそうだと思うが、経済政策がないという批判がよくある。枝野代表が政権構想私案で示したように、ベーシックサービスの拡充、待遇改善、支え合う社会などは、格差解消や需要サイドに重きを置いた経済政策になり得るだろうと思うが、経済政策と思われていないところがたぶんあって、経済政策として発信することが必要なのではないか。そういう考えはあるのかお聞きしたい。

【代表】
 そのとおりで、ここは難しいのですが、この「支え合う社会」というのは経済政策として僕はずっと一貫して申し上げているつもりで、社会保障政策とか社会福祉政策だと思っていないのです、僕自身が。なので、もう繰り返し、これが経済政策なんですと。従来の供給サイド一辺倒の経済政策が行き詰まっているから今こういう経済状況なので、需要サイドのほうから経済政策を組み立てない限りは経済よくなりませんと。
 ただ、もう何十年にわたって供給サイドが経済政策だという刷り込みがある。でも、これを変えない(限り)、これを打ち破らない限り政権交代はないと僕は思っています。横道から変に「供給サイドのほうでも、こんなのあるんです」と言ったって、たぶんそれでは政権とれない。やはり今までの経済政策のその枠組み自体がもう時代遅れだということを粘り強く選挙に向けて訴えていくと。私は突破できると思っています。
 かなり、経済の現場にいらっしゃる方、エコノミストとか、それから経済人、なかなか財界の幹部の肩書を持っている方はおっしゃいませんが、経済人でも本当に先を読んでわかっていらっしゃる方は「もうこれだよね、経済はね」ということをかなり言っていただける状況になってきている。もうあとひと押しだと思っています。頑張ります。

【朝日新聞・吉川記者】
 先ほどの総理会見の話があったが、一方、枝野代表の会見も月1回でなかなか回数が少ないのではないか、ほかの野党の党首とかこれまでの立憲民主党の前の野党第1党の党首に比べて少ないのではないかという指摘があるが、その点に対してどうお考えか。

【代表】
 私は総理がきょう会見しなければならないというのは、今、政府として、しかも政府全体を挙げて国民の皆さんに伝えなければならないメッセージがある、そして国民の皆さんもそれを求めているニーズがあるという状況にあるという、一種国家的な危機的な状況において、節目節目においては総理は会見すべきではないかと。きょうはそうであるという認識を申し上げたつもりです。
 一般的に総理が、例えば毎週会見するとか、かつての内閣は毎日事実上のぶら下がりをやっていましたね。それは僕は、国家の危機管理とか政権運営のあり方からすると、やはりそこは違うと思っています。やはり総理が、トップリーダーが発信するに当たっては、国民がどう受けとめられるか、あるいは総理大臣の場合は諸外国がどう受けとめるのか含めて、相当しっかりと準備と計算をした上でないと、国益を損なう話になりかねないこともある。毎日ぶら下がっている総理、これをやめさせたのは実は民主党政権なのですが、その恩恵を今受けて毎日のぶら下がりはしなくてよくなったわけですが、僕はそう思っています。
 野党の党首の場合も、もちろん私が、党首が発信しなければならないことも少なからず大事な役割だと思っています。でも、特に国会が動いているとか、あるいは平時、選挙のときでないときに、我々与党であれば総理大臣以外にも大臣であるとかいろいろな形で党内にさまざまな能力を持った仲間がいるということを伝えることができます、自然体で。でも、野党の場合は、何でも党首が出ていってしまったらワンマンにしか見えなくなってしまいます。それではやはり政権をとれる政党にはならない。国会審議もそうですが、いろいろなことを発信するのも、例えば政策のことについては政調会長が、国会のことは国対委員長が、予算だったら予算の現場の理事が、いろいろなプロジェクトチームとか調査会はそういったメンバーがということで、私は平時はやはり重層的にいろいろな顔のいろいろな仲間が、いろいろな経歴を持った力のある仲間がいるということを、その人が先頭に立って発信をしていくということの中で、選挙に向けて、それは総理候補として私が先頭に立っていかなければならない部分、平時においてもそうしなければならない部分というのは役割分担だと思っています。
 そうしたことの中で、定例会見は月1回ですが、例えばたぶん来週の月曜日も予算委員会で質疑に立たせていただいた後はぶら下がりに応じさせていただくつもりですので、必要に応じて、ここは党首みずから出ていったほうがいいという局面については対応させていただいているつもりです。今後もそうしたぶら下がり等の要望についてあれば、遠慮なく、受けないことも多いですが、言っていただければと思います。

○エネルギー政策について(2)

【読売新聞・田村記者】
 原発ゼロの質問で追加で伺いたいが、西日本さんのインタビューが出て、今ほど代表がいろいろお考えご説明いただいたが、党内から、代表の原発ゼロに関する考え方がぶれたとか、後退したとか、一方で現実的になったとか、もろもろと意見が出ているが、それに対して代表はどう考えるか。ご自身の考えは変わっていないのか、一貫しているのかという、その点はいかか。

【代表】
 私の言い方、実はもう3年前とか5年前とか、同じようなことについて答えてしゃべっている場面を探していただければ、何も変わっていないので全くぶれていません。党内外でいろいろな受けとめはあり得るのだろうなということは思いますし、誤解をされないように注意しなければいけないと思うのが半分と、でも、誤解を恐れず言っていかなければならない。何か宣言すれば原発はゼロになるんだという勘違いをしていらっしゃる方も党の外にはいらっしゃるというのはこの間の反応で感じているので、そういう話ではないですよと。相当、やめ始めてからが大変なことなんだということは、それは共有していただかないと、政権とったのに、稼動はしないでしょうが、「廃炉が進まないじゃないか」と言われても、そんな簡単な話ではないですよねということは、それはやはり誤解を恐れず発信しなければいけないことはしなければいけないと思っていますので、そこのバランスをとっていきたいと思っています。

○千葉県知事選について

【北海道新聞・文記者】
 お答えが何となく見えている質問になるが、来週3月4日に千葉県知事選が告示される。立憲民主党が支援する熊谷さんが今優勢とも言われているが、この知事選の位置づけと、どう戦うか、あればお願いしたい。

【代表】
 千葉県連にお尋ねください。

○エネルギー政策について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 原発関係で、西日本さんのインタビューとも相互するが、次の衆議院選挙に対していろいろと政権公約をつくると思うが、その中に原発反対とか再稼働しないとか、そういったことは入れますか。

【代表】
 お尋ねになりたい趣旨はわかるのですが、あまり本質ではないと思います。何しろ綱領に書いてあるのですから。選挙(公約)は、選挙に当たって、そのときの国民の皆さんの関心度の強さとか、もちろん綱領とかの幅の中でありますが、そして実際に政権とったらできることでありますが、その中でやはり戦略的に優先順位をつけて決めていくので。ただ、方向はもう綱領に書いてあるのですから明確ですので、選挙公約の中にどう位置づける位置づけないは本質的な問題ではないと思っています。それは戦略的に考えます。

【フリーランス・堀田記者】
 関連して、菅直人さんなどは2014年の選挙から原発反対とか原発再稼働反対と言っているが、短いフレーズで立憲民主党の候補者が言う場合、どのようなことでまとめて言ったらよろしいでしょうか。

【代表】
 我が党の公認で選挙を戦う皆さんが、まず綱領に反することをおっしゃってもらったらそれはもう除名ものですから論外です。当然国政選挙を戦うときに党として掲げている政策と矛盾することを掲げられたら、それは当選してきていただいても、政権をとっても政権が回らなくなりますからそれは困りますが、その範囲の中でどういう伝え方をするのか、説明の仕方をするのかは、相談されれば相談に乗りますし、ちょっと危ないなと思ったら指導しますが、一般的に何か示すものだとは思っていません。

○北海道2区補選について

【フリーランス・堀田記者】
 補選だが、北海道2区・松木謙公さんが公認されたが、その前に彼は弁護士つきで、迂回献金ではないということだったが、正直言って、道新さんなどが鋭く追及しているが、限りなくブラックに近いグレーだ。枝野さんから見て、これは要するに鳩山由紀夫さんのお母さんからもらったお金と一致していると考えられますか。

【代表】
 特に政治と金が問われる選挙になるということで、ご本人その周辺が改めて調べてみたところミスがあったと。ミスそのものについてはそれは許されることではないと思っていますが、それがこの国政選挙の候補者として適当であるのかどうかということについては、そのことをきちっとみずから説明をした上で、道民の皆さんや北海道連の皆さんの判断を経て公認申請が上がってきたと承知をしています。

○エネルギー政策について(4)

【フリーランス・堀田記者】
 西日本新聞さんのインタビューの後で、「原発ゼロの会」の近藤さんとか阿部知子さんたちが非常に怒り狂っているので、それから近藤さんのところにはサポーターをやめたいという電話がいっぱい入ってきていた。それは私も聞いていますが。つまり、その間において枝野さんのきちんとした説明が伝わっていないということでよろしいでしょうか。

【代表】
 すみません、近藤さんからは何度も、この間も役員会でお会いしていますが、別に大丈夫ですかとか変わったんですかとか何も聞かれていませんし、近藤さんはもうずっと私の考え方、説明の仕方は十分承知されていると思います。

【フリーランス・堀田記者】
 サポーターから。

【代表】
 サポーターは、たぶん国民民主党さんにいらっしゃった方なんですよね。だから、あまりご承知でないと思います。立憲民主党はパートナーズでしたから。サポーターではなくて。サポーターの皆さんはご承知でないと思うので、それは新たにきちっと、私の真意は、ここ10年来同じことをずっと言っているので、それは説明をしていただきたいし、必要があれば説明の仕方はサジェスチョンできますので。

【フリーランス・堀田記者】
 その説明がまだまだ十分ではないという解釈でよろしいのですね。

【代表】
 まだ伝わり切れていない。有権者の間にも。一方では、「やはり枝野の言うとおりじゃないか」と、すみません、「西日本さん、ちょっと見出しがおかしいんじゃないか」というような声もいろいろなところから来ていますし、あるいは西日本の記事の一部だけ読んで「何かおかしいじゃないか」という声に対して「おかしいじゃないかと言っているほうがおかしい」というたくさんの声もいただいています。

【フリーランス・堀田記者】
 それも聞いています。サポーターじゃなくてパートナーでしたね、ごめんなさい、それは誤りです。

【代表】
 そこは、今のパートナーズは、パートナーズはもともと立憲、去年の9月までは立憲の方しかないはずです。今のサポーターも、去年の9月までは国民であった方がほとんどなはずです。

【フリーランス・堀田記者】
 いや、それは近藤さんの支持者から来ていますということで、改めます。

【代表】
 近藤さんはちゃんと、ご心配をおかけしたかもしれないし、説明面倒くさいなとご迷惑をかけているかもしれないけれども、もう私ずっと、立憲民主党17年の結党のときから、その前から、言っていることずっと一緒ですから。

【フリーランス・堀田記者】
 その近藤さんの支持者から、もうやめたいというのがかかってきていることも事実です。

【代表】
 それは説明していただくしかないです。だって、言い方変わっていないので。変わったなら私の責任ですが。ずっと、それは使用済み核燃料の問題とか、やめ始めたって時間がかかるんだからということはずっと言っています。2017年だって言っています。変わっていないので、ちゃんと説明を、もっと党内でも共有していただくほうがいいのか。でも、時々「枝野、大丈夫」と関心持っていただいたのはよかったかなと思っていまして、やめていくためには、やめたと宣言すればいいという、そんな簡単なものではないというのは、やめたいという強い思いを持っている方ほど共有してもらわなければいけないので、それを広げていただく機会になったと僕は思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 そういうときこそ会見を開いて言ったほうがいいと思うが。老婆心ながら。

【代表】
 圧倒的には、特に立憲民主党支持者の圧倒的な皆さんは、「枝野の言っていることは従来どおりだよね」というほうが数的には圧倒的だったと思いますので、それで会見するとまたこれはこれで変な話かなと思います。