枝野幸男代表は28日、松山市を訪れ愛媛県連が衆院愛媛1区の公認内定者に推挙する友近総朗さんの記者会見に同席しました。友近さんは、元Jリーガーで愛媛FCのキャプテンを務めた後、2007年から2012年まで参院議員を務められました。党本部としての候補予定者の内定も週内におこなわれる予定です(写真上、左から枝野代表、友近さん、白石衆院議員)。
枝野代表は愛媛1区について「その選挙区自体が重要であるということと同時に、県内、あるいは四国全体にも大きな影響を及ぼす大変重要な選挙区」との認識を示し、「若干時間はかかりましたが、その分、最良の候補者に決断をしていただいたと受け止めております。参院議員としての経験、実績、そして知名度がございますので、選挙までの期間が短い分を補って、十分に戦い得る候補者」と語りました。
また、「今の新型コロナウイルス感染症によって国民の命も暮らしも、そして経済も非常に中途半端で政治のリーダーシップ、あるいは危機に対応する意志や能力を示していないという政治の状況に対して、われわれはきちんとしたもう一つの選択肢を掲げて、政治そのものを変えることで、この危機に正面から向かい合い、乗り越えていける。命と暮らしと経済を守っていける。そうした政権をつくっていかなければいけない」と述べました。
愛媛県の各候補予定者について「3区の白石洋一さんは前回、大変辛くて厳しい選挙の中、小選挙区で勝ち抜いてくれています。4区の杉山啓さん、新人で苦闘してくれていますが、自民党系が分裂選挙になる可能性が高い中で十分チャンスがあると思っています。友近さんが決断をしていただいて3人の候補者が面で戦っていただく状況をつくるかっこうで、この愛媛から政治を変えていけるチャンスが大きくなった」と期待を込めました。
友近さんは、アメリカで女性初の副大統領に就任したカマラ・ハリスさんの「民主主義は状態ではなく、行動である」との言葉、また、オリンピック選手の為末大さんが変えるために、逃げずに向き合うために声を上げたことを引き合いに、「私、友近聡朗も声を上げ、行動いたします」と愛媛1区から立候補する決意を表明しました。決意に至った1番の理由について「今こそ野党が強くならないとこの国はよくならないという強い思いです。日本がよくなるためには、これからを担う選択肢となる強い野党が必要です。この松山でもう一つの選択肢を示すことは、故郷の皆さんへの恩返しになると信じています。一方、選択肢となり得るために、最も必要なのは信頼です。この信頼は一朝一夕で得られるものではありません。奇をてらうことなく、日々コツコツと信頼を得られよう、努力を積み重ねるしかありません」と語りました。
友近さんは、今、政治への信頼が大きく揺らいでいるとし、「長期政権の淀み、権力が著しく腐敗していると言わざるを得ません。後手後手の感染症対策や時期早尚なGoToキャンペーンに象徴される政策の失敗は、暮らしを営み、現場と地域を担い、支える皆さんに過重な負担を強いている。このようなことでは、助かる人も助けられない。本当に苦しんでいる人の助けにならない」と述べました。そして、ニュースを見ながらそうしたことを言っているのを聞いた小学3年生の長女が「パパが自分でやったらいいんじゃないの。言うだけでは何も変わらない」と言ってきたことを紹介し、「今回私は、この時の娘の言葉を思い出しました。自分は責任を回避し、逃げていたのではないか。体の芯を深くえぐられた気がしました。この状況はこのままの現政権が続く限り変わらないでしょう。形を変えて、国民の生活負担としてまた現れます。このコロナ禍において、私たちの社会は大きな転換点にあると思います。その中で、政治の役割と責任はより重く、大きくなっています。1強政権が続き、腐敗と失政が顕著な政治体制に対して私は果たすべき責任があると考えています」と決意を述べました。
また、虹のロゴマークについて、「それぞれの人、それぞれの地域がそれぞれの色に輝き、ひいては日本全体が虹色に輝くよう、その願いと決意を込めている」と説明し、「皆さんの声の虹の架け橋となれるよう、故郷愛媛のために力の限り、走り続けていくことを、皆さんとともに歩み続けることをここに誓います」とあいさつを締めくくりました。
愛媛県連の白石洋一衆院議員(愛媛3区)は、友近さんについて「友近さんは2012年にいったん政治家を引退されたが、この間、一般の人と同じく事業をし、家庭で子どもたちを世話してきた中で、少し距離を置いて今の政治をずっと見て来ました。そういう新しい、パワーアップした友近聡朗さんを愛媛1区の皆さまにぜひ知っていただいて、次の衆院選挙に立ち向かってほしい。松山市は四国でも人口最大の都市であり、そこで彼のような人が出ることによって、われわれ立憲民主党がもう一つの選択肢として真実味のある姿を皆様に示すことができる」と期待を込めました。